北朝鮮「元新体操の星」も#MeToo、性暴力の被害を告白

もっとも読まれている記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面
彼女は、1987年から北朝鮮代表チームの一員として目覚ましい活躍を続けた。1991年に英国のシェフィールドで行われたユニバーシアードでは3つのメダルを獲得しており、まさに北朝鮮を代表する選手だった。2007年の脱北後には、韓国代表チームのコーチに就任し、今年からは代表チーム予備軍の監督を務めている。

そんなイさんは、韓国のテレビ局JTBCの調査報道番組に出演し、かつての上司に性暴力の被害に遭っていたことを実名で告白した。加害者は、2011年から2014年まで彼女の上司だった、大韓体操協会元専務理事のK氏。国際大会に出場する選手を選ぶ権限を持つ業界の権力者だ。性暴力のきっかけとなったのは、低すぎる報酬だった。

当時、韓国代表チームのコーチを務めていたイさんが協会から受け取っていた月給はわずか200万ウォン(約19万5000ウォン)。通常の練習に加え、海外遠征に行くにはあまりにも少ない額だった。そこで、賃上げを直談判するためにK氏を訪ねたが、彼の口から飛び出したのは「休憩しながら話そう」「モーテルに行こう」というものだった。

最初はモーテルがどのようなところかすらわからなかったというイさん。