死傷者1500人、龍川大爆発事故…北朝鮮「暗殺未遂説」のミステリー

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もっとも、「テロ計画」の存在を断定できるほどの材料は、簡単にはみつからない。

まず深さ15メートルのクレーターについてだが、これは過去の硝安爆発事故の例が参考になる。

2001年9月21日、フランス南部トゥールーズ郊外の化学工場で、硝安400トン前後が爆発した。

オレンジ色のキノコ雲が上がり、被害は3キロ先にまで及んだとされる。同工場は、外壁と床が厚さ60~120センチのコンクリートで出来ていたのに対し、天井は軽質素材とガラス窓。つまりは上方への「放爆構造」がとられていたのに、外壁は木っ端微塵になった上、60メートル四方、深さ10メートルという巨大なクレーターが生じた。龍川のケースは、特殊なものとばかりは言えないのだ。

金正日氏を「射程距離」に

では、爆発したのが確かに硝安であるとして、何者かの作為が働いた可能性はどうか。