北朝鮮の警察官が苦しむ「どうにもならない悩み」

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当局は、全国が未曾有の食糧危機にあった1990年代後半の「苦難の行軍」の時代にも、社会秩序と体制を底辺から支える保安員や保衛員(秘密警察)には、ふんだんな食料配給を行い、「鉄の飯炊き鍋」と言われていた。

取り締まり権限を持つ彼らは、市場などに出かけてご禁制の品を扱っている商人にいちゃもんを付け、ワイロを搾り取ることで生活を成り立たせてきた。一般住民に接する機会や、取り締まり権限を持たない部署の保衛員でも、食料配給で食べていくことができた。ところが、最近になって配給が止まってしまったのだ。

職場からもらえるのは、もはやコメ1キロすら買えないほどの月給だけ。生きていくには市場で商売をするしかなく、保安署に出勤しなくなったというわけだ。しかし、生き馬の目を抜く今の北朝鮮で、今さら「殿様商売」を始めたところでそう上手くいくわけがない。

今までいたぶる対象だった商人と、同じところで商売するのはプライドが許さないという保安員もいるだろう。

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そうした例に当てはまるかはわからないが、情報筋は、平城(ピョンソン)市の保安署一般監察課の指導員の困窮ぶりを紹介した。