「差し出がましく振る舞うな」金正恩氏が文在寅氏に上から目線
「南朝鮮当局は、成り行きを見て左顧右眄(さこうべん)し、せわしく行脚して差し出がましく『仲裁者』、『促進者』のように振る舞うのではなく、民族の一員として自分の信念を持ち、堂々と自分の意見を述べて民族の利益を擁護する当事者にならなければなりません」
公開処刑を再開
金正恩氏が言わんとするのはつまり、「米国とはオレが直接話をつける。仲裁者ぶるのはいい加減にして、約束した経済協力を早く進めろ」ということだ。
年長者である文在寅大統領に対し、こうしたぶしつけな言葉まで出てくるのは、北朝鮮の状況がそれだけ苦しいからだと思われる。本欄でも伝えたとおり、北朝鮮当局はここしばらく控えていた公開処刑を再開している。以前、最も公開処刑が行われたのは、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」のときだ。崩壊する社会秩序を、恐怖をもってなんとか止めようとしたのだ。
(参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態)現在、北朝鮮経済がどれほどの苦境にあるのか、全容を把握することは難しい。