マンション崩壊で多数が下敷き…金正恩氏の「指示」もムダ

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「セメントと鉄筋が規定通りに入らず、砂、砂利、土の方が多かったため、冬の間に凍ってしまっていた。それが春になって溶けて建物が崩れた」(情報筋)

建設現場での資材の横流しは日常茶飯事だ。それによる資材の不足と、「速度戦」と呼ばれる工期達成偏重の北朝鮮版やっつけ仕事が相まって、各地で事故が多発している。

平壌市内では2014年、完成したばかりのマンションが崩壊して500人が犠牲になる大惨事があった。

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昨年9月には、金正恩党委員長が視察した清津(チョンジン)かばん工場で、工事途中に床が崩落し、巻き込まれた女性労働者4人が死亡、数十人が負傷した。工場は金正恩氏の激しいダメ出しを受けて施設の建て直しを進めていたが、その最中の事故だった。

亡くなった労働者の多くは、農村出身のコチェビ(ストリート・チルドレン)だった。「建設コストを抑えるために地方のコチェビを連れてきて仕事をさせていた」(情報筋)とのことだ。