若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

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北朝鮮の警察や秘密警察は様々な方法で拷問を行うが、このようなやり方を聞いたのは初めてだ。

金正恩党委員長は最近、国際社会の批判を気にしてか、警察や秘密警察に対して拷問をやたらと行わないよう指示を下したとされる。だが、それは一般国民に対しての話で、受刑者は対象に含まれていないということなのだろうか。

北朝鮮の刑務所で「フォアグラ拷問」が行われている

教化所(刑務所)など北朝鮮の拘禁施設では、ありとあらゆる形の人権侵害が行われている。人権の概念すら希薄な北朝鮮社会では、囚人たちは何ら抵抗する術を持たず、当局のなすがままだ。

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そんな中、北朝鮮の北部山間地域にある慈江道(チャガンド)の教化所で2018年8月初め、受刑者2人が看守の人権侵害行為に抗議してハンストを行った。現地の内部情報筋によると、事件が起きたのは道内の城干(ソンガン)教化所だ。

軍需物資を横流しした罪で収監された男性2人は、戒護責任者(看守長)の30代男性チェ某による暴行と暴言に耐えかね、教化所の副所長らに待遇改善を直訴。しかし訴えが受け入れられなかったばかりか、「告げ口」に対するチェ某の報復が激化した。

すると2人は「こんな風に生きるのなら死んだほうがマシだ」と同月初め、3日間のハンストに入ったのだ。

これを受け、報告を受けた教化所当局は反省するどころか、「ハンストはわが共和国(北朝鮮)の憲法を否定し、党に対する全面的な挑戦行為だ」とし、2人に対して10日間の懲罰房(独房)入りを命じ、食べ物をホースで口に流し込み、無理やり食べさせた。つまり、高級食材のフォアグラを作るために喉の奥までホースを入れられ、強制的に餌を流し込まれるアヒルのような目に遭わされたわけだ。

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それだけではない。