金正恩氏につぶされた「ある風俗店」の悲しい話

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やや旧聞に属する話となるが、今年の7月8日の夜、北朝鮮・平安南道(ピョンアンナムド)の某所で騒ぎがあったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。そしてこの騒ぎの背景には、現代北朝鮮における、ある「悲しい話」があった。

7月8日と言えば、金正恩党委員長の祖父・金日成主席の命日である。そのため北朝鮮では、毎年6月末から7月上旬にかけて「哀悼期間」が設定され、金日成氏を偲ぶ様々な政治イベントが行われる。2011年12月17日に死亡した金正日総書記に対しても同様だ。

そしてこの期間中は、歌舞音曲など賑やかなことは徹底的に禁止され、事件・事故の類も一切許されない。些細な犯罪でも加重処罰される。

ところがそんな大事な時期に、冒頭で触れた某所では、地元民や司法当局の間で「隠れ売春宿」として知られていたある建物に対する一斉摘発が行われ、多数の女性が「思想犯罪者」として保安員(警察官)に連行されたという。