北朝鮮全土で記録的な猛暑が続くなか、建設現場や農村に動員された女性兵士や住民が熱中症により次々と倒れ、死亡する事故が相次いでいる。エアコンやスポーツドリンクといった最低限の暑さ対策もない過酷な環境の中、当局は建設期限を優先し、強制労働を中断しようとしない。韓国のサンド研究所が運営するサンドタイムズが報じた。 平安南道平城市の情報筋によると、今月初旬、軍人の家族が差し入れを携えて地方の工業工場建設現場を訪れた際、一緒に作業していた女性兵士が突然スコップ作業中に倒れ、そのまま死亡 ...

北朝鮮の農村部では、連日続く記録的な猛暑の中で、雑草取り作業に従事していた人が次々と倒れ、死亡する痛ましい事故が相次いでいる。 黄海南道のデイリーNK現地情報筋によると、今月10日、黄海南道の載寧郡と黄海北道の谷山郡で、それぞれ50代の男性と60代の女性が、35度を超える酷暑のなか農作業を行っていた最中に倒れ、死亡したという。 農場側では12時から15時の時間帯は作業を控えるよう通達していたが、一部の住民は「個人の農地」の管理のためにその時間帯に作業を強行し、悲劇に見舞われた ...

北朝鮮北部の林業事業所が、政治キャンペーンや思想教育に真面目に取り組まず、仕事を怠け、さらには韓国のラジオを聞いていたとして、当局から厳しく叱責された。 両江道のデイリーNK内部情報筋によると、朝鮮労働党両江道委員会は、「一部の幹部や労働者が、党の下した生産ノルマに怠慢で、資本主義的思考に浸り、政治的発言までするなど階級意識に欠けていた」として、中央からの緊急指示文を伝達した。 また、朝鮮戦争勃発の6月25日から始まる「反米闘争月間」は、北朝鮮にとって階級闘争――つまりは米国 ...

北朝鮮の製薬工場から抗生物質を盗み出し、横流ししたとして、労働者2人が拘束されたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安南道の情報筋によると、拘束されたのは順川製薬工場に勤める30代の男性労働者と40代の女性労働者だ。2人は、トブラマイシンという様々な感染症に効果のある抗生物質を盗み出した容疑だ。 工場の安全部(警察署)は、表門と裏門に武装保衛隊と巡察隊を配備し、医薬品の原材料を盗み出し、横流しする者を処罰すると警告した。警告にもかかわらず、2人は犯行に ...

今年上半期、北朝鮮・慈江道(チャガンド)内の軍需工場で発生した「反革命的行為」に対して、国家保衛省が超強硬な対応に乗り出したと伝えられている。 6月26日、デイリーNKの慈江道の情報筋によると、慈江道保衛局が今月20日に国家保衛省に提出した「2025年上半期 道内軍需工業部門反革命分子事件処理報告書」の主な内容が、軍需工場の保衛部関係者の家族を通じて地域に広まり、大きな衝撃を与えているという。 報告書の内容によると、江界(カンゲ)市・城間(ソンガン)郡・熙川(ヒチョン)市・満 ...

デコボコのセメント床にビニールシートや麻袋を敷き、作業台もないまま、大きなペットボトルにカツラを乗せて作業が行われている。ひび割れた壁、洗面器代わりのひさごに詰め込まれた人工毛髪――。 デイリーNKが入手した北朝鮮の拘禁施設でのカツラ製造現場の写真には、受刑者が劣悪な環境で強制労働させられている実態が凝縮されている。 平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、中国との国境に接する龍川(リョンチョン)や塩州(ヨムジュ)にある労働鍛錬隊(刑期の短い刑法犯、行政違反者を収監する ...

北朝鮮・咸鏡南道(ハムギョンナムド)の金野(クミャ)郡に住む20代女性が、俳優と歌手の外見について話したことを理由に、思想闘争の場で断罪される事態に陥った。 現地のデイリーNK内部情報筋によると、郡内の農場の青年同盟が先月末、思想闘争会議を開いた。思想的に問題があるとされる人物を壇上に立たせ、参加者から代わる代わる批判を浴びせかけられるという自己批判と公開糾弾を伴う集会だ。 この日の壇上に立たせられたのは、20代女性のAさんだ。彼女は先月中旬、友人とともに俳優や歌手についてお ...

北朝鮮は現在、「田植え戦闘」の真っ最中だ。農民のみならず、都市住民も農場に動員されて田植えを手伝わされる。農業の機械化が遅れているうえ、一部で導入された機械も慢性的なディーゼル燃料の不足により使用できず、事実上はすべての作業を人力に頼らざるを得ない状況だ。 この期間、市民はやむを得ない事情で外出していても、それを証明できなければ当局により農場に連行される。そればかりか、労働鍛錬隊(短期の強制労働施設)に入れられる人も出る有り様だ。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内 ...

中国や台湾などでは今年4月以降、新型コロナウイルスの新たな感染拡大が起きている。この話は北朝鮮でも広がっていると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 情報筋は「最近、恵山(ヘサン)市民の間で、中国でコロナが再び広がっているという噂が急速に広まっている」と述べた。住民の間では次のような声が上がっている。 「中国でコロナが再拡大して死者まで出ているらしい」 「それで最近国家密輸が止まっているのか」 「このまま密輸が止まってしまうのではないか」 「また国境が封 ...

北朝鮮の農場では5月に入り、田植えが始まった。農民のみならず、都市住民も動員されて大々的な「田植え戦闘」を繰り広げるが、農民の中には、田植えそっちのけで出稼ぎに行ってしまう人もいる。 一体どういうことなのか。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安南道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、今月19日から龍川(リョンチョン)郡内の各農場で田植え戦闘が始まった。 農民は朝6時から田んぼに出て田植えをすることになっているが、農場に活気は見られない。 「食べるものす ...

「あの光に惑わされるな」 北朝鮮は現在、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市の郊外および隣接する義州(ウィジュ)郡において、2023年7月の水害で甚大な被害を受けた地域に大規模な温室農場を建設中だ。 この工事には、全国から動員された突撃隊(事実上半強制の建設ボランティア)が参加しているが、当局はその動向を強く懸念している。なぜそこまで警戒するのか。現地のデイリーNK内部情報筋がその内情を明らかにした。 (参考記事:金正恩氏が被災地に建設される温室農場の着工式に参加 ...

北朝鮮は近年、深刻な労働力の減少に見舞われている。統計が公表されていないので正確な数字は不明だが、各地で「嘆願事業」と称して、炭鉱や農村などの「困難で骨の折れる」部門に都市部の若者を志願させることが頻繁に行われていることからも、その深刻さが垣間見える。自分の意志で向かったことになっているが、上から強いられたものであることは言うまでもない。 人手不足は労働現場のみならず、教育現場でも起きているようだ。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 朝鮮労働党金策 ...

ついに建前を取っ払うことにしたのだろうか。 現在の北朝鮮政府の前身である北朝鮮臨時人民委員会は1946年12月、労働者、事務員とその扶養家族を対象にして、無償治療制を導入した。対象は徐々に拡大し、1960年2月の最高人民会議第2期第7回会議では、全般的無償治療制の全土での実施を議決した。 1980年4月の最高人民会議第6期第4回会議で採択された人民保健法は、次のように定めている。 第9条 国家はすべての公民に完全な無償治療の特典を与える。 労働者、農民、兵士、勤労インテリをは ...

北朝鮮には「8.3ジル」という慣習がある。すべての男性は、職場に勤めることが法的に義務化されていて、無断欠勤や長期欠勤は行政罰の対象となる。 だが、一定額のワイロ、上納金を支払うことを条件に出勤を免除するのがこの慣習だ。従業員に給料を支払うべき勤め先が、逆に従業員からカネを受け取るという奇怪な現象だ。だが、出勤を免除された従業員は、仕事もろくにない勤め先で無駄に過ごす時間を商売に当てて、現金収入が得られる。予算不足に苦しむ企業も収入が得られるので、双方が得をする。 にもかかわ ...

北朝鮮において保衛員(秘密警察)は、蛇蝎のごとく嫌われる存在だ。 金正恩独裁体制を維持するために、国民の思想信条や行動を監視し、問題があれば摘発する。その絶大な権限を振りかざし、容疑者に拷問を加えた上で、いっさいがっさいをむしり取る。 (参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為) 恨みを買って報復殺人の犠牲になろうものなら、国民から「スッキリした」と拍手喝采が飛び出すほどなのだから、どれほど憎まれているかよくわかる。 デイリーNKは、ロシアに派遣されていた労 ...

北朝鮮では先月末、台風3号(ケミ)のもたらした湿った空気が梅雨前線を刺激したことで大雨が降り、鴨緑江やその支流の流域で浸水が発生し、死者が少なくとも1000人を超えるなど、甚大な被害が発生している。 それ以外の地域も無事だったわけではない。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、東海岸の清津(チョンジン)では、下水道の逆流が起きた。路上のマンホールから水が溢れ、民家のトイレも水が逆流した。通り一帯は糞尿まみれになり、市民は鼻をつまみ、糞尿を避けて歩くの ...