中国東北地方は、熱帯低気圧に変わった元台風3号(ケミ)から流れ込んだ湿った空気が梅雨前線を刺激したことにより、大雨に見舞われた。遼寧省気象台によると、7月20日から29日午前8時までの省内の平均降水量は215.9ミリと、平年の2.6倍に達し、1951年に次いで2番目に多い記録となった。 丹東市では26日から28日まで大雨が振り、市内の一部が冠水し、28日にはついに鴨緑江が氾濫するに至った。対岸の北朝鮮でも被害が発生した。 丹東と鴨緑江を挟んで向かい合う新義州(シニジュ)市、義 ...

少子化による人口減少が著しいと言われている北朝鮮。しかし、その深刻さを示す統計は発表されていない。 米CIAのワールド・ファクトブックでは、2024年の推定人口を2629万8666人としているが、実際はこれより遥かに少ないとの説もある。 脱北者で韓国紙・東亜日報の記者であるチュ・ソンハ氏は、独自に入手した北朝鮮の中央統計局の内部資料に基づき、2005年の2100万人を頂点に人口が減少し始め、2015年には2060万人に過ぎないと報じている。 人口減少が国外に知れ渡ること、国力 ...

しばらく静かだった金正恩政権の動向が、にわかに活発さを増してきた。妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は25日、日本に向け対話のための「政治的決断」を促す談話を発表したかと思えば、娘の「後継者説」に力を与える表現が国営メディアで使われてもいる。 英デイリーメールは先月23日、韓国発の情報に基づき、北朝鮮の金正恩総書記には長男がいるが「青白く痩せている」ために大衆から隠されていると報じた。それによると、「ふくよかで栄養状態が良く見える金正恩やジュエとは違い、息子は青白く ...

ナンキンムシとも呼ばれるトコジラミがフランスで猛威をふるい始めたのは、今年9月ごろからのことだ。フランスの国立食品環境労働衛生安全庁は、2017年から2022年の5年間に、フランスの全世帯の11%でトコジラミが発生していると明らかにしている。また、世帯収入や家の清潔度と相関関係は認められないとしている。 パリは、ユーロモニターインターナショナルの調査で、2022年に世界で最も訪問客数の多い都市に選ばれていることから、コロナ明けの国を跨いだ移動の急増で、全世界に広がるのは時間の ...

コロナ以降、医薬品の需要が急増している北朝鮮。だが、供給は全く追いついておらず、品薄、高値傾向が続いている。医薬品やその原材料を中国からの輸入に頼ってきたが、2020年1月に新型コロナウイルスの国内流入を防ぐとして、国境を封鎖し、貿易を遮断したため、入荷しなくなったためだ。 金正恩総書記は、自宅の薬箱にある薬を放出する措置を取ったが、こんなプロパガンダショーが何の役にも立たないことは言うまでもない。人々は、医薬品を自宅で製造することで対応しているが、当然問題だらけだ。 コロナ ...

金正恩総書記がぶち上げた最新のビッグプロジェクトは、アイスクリーム工場だった。 北朝鮮の国営朝鮮中央通信は先月27日、平壌市郊外に大城山(テソンサン)アイスクリーム工場が竣工したと報じた。以下、記事より一部抜粋する。 演説者は、敬愛する金正恩総書記がわが人民と子どもたちによりよいアイスクリームを食べさせようと工場の建設を直接発起し、敷地も定めてくれたし、設計と建設陣容の編成、施工と園林緑化をはじめ、建設において提起される問題を具体的に指導したと述べた。 また、大城山アイスクリ ...

北朝鮮で頻繁に行われる政治講演会。朝鮮労働党の政策や方針、対外政策などを伝え、国民がその通りに動くよう指示する思想教育の場だ。また、防犯やコロナ対策など、様々な目的で活用されている。 その場で配られる「講演提綱」という資料がある。講演会の内容をまとめたレジュメだが、これが頻繁に国外に流出している。提綱には、誰が見ても特に差し障りのないようなものから、海外に知られたくないものまで、様々な情報が含まれている。徹底した秘密主義の北朝鮮としては、国外流出を避けるために様々な策を取って ...

日本国憲法の第22条で定められている居住と移転、職業選択の自由。それが制限されているのが北朝鮮だ。進学や軍入隊など特別な理由がなければ、登録された地域から勝手に引っ越すことも許されない。職業も、ある程度は希望を聞き入れてもらえるとはいえ、原則としては国からあてがわれた職場で働かなければならない。 無断欠勤をしたり無職であったりすることは、そもそも違法行為だ。 行政処罰法第90条(無職、遊び人行為) 正当な理由なく、6ヶ月以上派遣された職場に出勤しなかったり、1ヶ月以上離脱した ...

北朝鮮の首都・平壌は「選ばれし者」の都市だ。成分(身分)や思想に問題がないと認められた人以外の居住は認められず、訪問するだけでも特別な許可証が必要だ。生活レベルも他の地方とは比べ物にならないほど高い。 そんな平壌の中にも、超えられない壁が存在する。「30号対象」と呼ばれる市内中心部の10区域の市民と、それ以外の8の区域と2つの郡の市民を意味する「410号対象」を隔てる壁だ。高位幹部、上流階級である前者は食糧配給、電力供給など様々な面で優遇されている反面、後者は差別的な扱いを受 ...

ロシア軍は、ウクライナへの侵攻と占領に備えて「殺害リスト」を作成していたと、複数の米国メディアが報じている。リストには、ゼレンスキー大統領らウクライナ政権幹部のほか、ジャーナリストや反腐敗活動家、宗教的・民族的マイノリティ、LGBTQの人々の名が記されているという。 実は、北朝鮮も同様のリストを有しているとされる。「18号対象者」がそれに当たる。国内で「反体制勢力」「階級の敵」となり得るとみなされた人々で、戦争勃発の前日に保衛部(秘密警察)が処刑することになっている。戦争遂行 ...

北朝鮮では、人口の約4分の1にあたる600万人以上がスマートフォンを含む携帯電話を所有しているとのデータがある。 スマホには様々なアプリがプリインストールされているが、同国内ではアプリの開発と販売も行われている。国民の「外貨タンス預金」から外貨をいかにして吸い上げるか苦心している北朝鮮当局も、新しいアプリの販売に乗り出したと、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:人気は「グラセフ」「FIFAオンライン」…北朝鮮の若者もゲーム中毒) 情報筋による ...

新型コロナウイルスに対して、「病的」なほどの恐怖心を示す北朝鮮。不確かな情報による対策を行う事例がしばしば報告されている。その一つが猫の抹殺だ。 「ウイルスを持ったまま国境を越えて中国からやってきて国内で広めかねない」との理由で野良猫に対して抹殺令を下す一方で、ペットとして飼われている猫に対しても、殺処分を行うように指示を下した。 その結果、ネズミが増える結果をもたらしたという。ローマ教皇インノケンティウス8世が1484年、猫はサタンの化身で汚れた存在だと宣告したことで、猫の ...

北朝鮮における女性に対する性暴力については、公式の統計が存在しないため、どれほど起きているのかは不明だ。 国際的人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が2018年に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」に記されたものなど、実際の被害者や目撃者の証言が数多く存在し、それらを見れば事の一端を窺い知るに足る。 (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」暴露された金正恩時代の性暴力) そんな北朝鮮で、また一人の女性が性暴力の餌食になってしまった。 咸鏡北 ...

計画経済という建前を維持したまま、なし崩し的に進む北朝鮮の市場経済化。それに伴い、国の機関、国営企業、協同農場に籍を置いているのに実際は出勤しない労働者(が急増している。その現状について、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。 平壌近郊にある流通の要衝、平城(ピョンソン)市で最近、現地の朝鮮労働党委員長がが次のような指摘を行った。 「協同農場と国営企業所の出勤簿を見ると、どこも7割以上が出勤となっているが、実際に現場に行ってみると労働者の姿はほとん ...

2017年の北朝鮮を振り返る(8) 北朝鮮では1990年代、社会主義的な計画経済と国民への配給システムが事実上、崩壊。その後はなし崩し的に市場経済化が進んでいる。それに伴い、市場での商売に励む国民の購買力が増し、その力強い需要に応える形で、食糧供給が改善してきた。 しかし、その例外に置かれているのが軍隊だ。規律に縛られた兵士たちは商売に取り組むことができず、現金収入を得られないから市場で食べ物を買うことができない。配給の食糧は横流しされ、少なくない兵士たちが栄養失調に苦しんで ...

北朝鮮の医療環境は劣悪だ。当局が運営する病院は一応は診療はするものの、薬品など具体的な治療に関しては自己負担になる。かつては優遇措置を受けていた人でさえもカネがなければ追い返されるという。 ヤミの中絶手術も 劣悪な医療環境を見限った北朝鮮の医師たちは、国営病院を辞めて自分で診療所を開く。厳密にいえば「ヤミ医療」になるわけだが、一部の高級幹部を除いて多くの当局者もヤミ医者に頼らざるをえない。 「ヤミの中絶手術」というものも存在する。実は、今の北朝鮮経済を支えるのは女性たちだ。彼 ...