「妹じゃなきゃ処刑だ」金正恩と与正の微妙な権力均衡と”後継者ジュエ”登場の衝撃
北朝鮮の金正恩総書記と妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は、体制内部でも「唯一無二」と言われるほどの信頼関係で結ばれてきた。金正恩氏が権力を掌握した過程で、与正氏は単なる妹ではなく、政治的な“分身”として機能してきたからだ。だが近年、その関係性にも微妙な変化が生じている可能性がある。
そもそも金正恩兄妹の出自は、北朝鮮の支配層において特殊である。母・高容姫氏は在日朝鮮人の帰国者であり、両親のルーツは韓国・済州島にある。つまり北朝鮮国内には血縁の親類縁者がほとんど存在せず、伝統的な意味での「閨閥」を形成しにくい立場にあった。
北朝鮮政治では、血筋と人脈が権力の基盤となる。軍や党、保衛機関に広がる幹部ネットワークは、しばしば親族関係や婚姻関係で補強される。しかし高容姫氏の系譜は国内に根を張りにくく、兄妹は幼少期から「頼れるのは互いだけ」という状況に置かれていた。
「金与正軍団」の影
さらに母を早くに亡くし、父である金正日総書記もすでに世を去ったいま、金正恩氏にとって最後まで残った“絶対の味方”は妹だった。
