金正恩が幹部を「即決処刑」、現場で起きた一部始終

しかし、土壇場で奇跡が起きた。判決で、「最高指導者(金正恩氏)の寛大な措置により、再起の機会を与える」として無罪が宣告されたのだ。本人たちにとっても見守る人々にとっても、さぞや衝撃的な展開だったことだろう。

こうした例は、金正恩政権が本格的に始動した2012年から2015年にかけて、複数あったことが韓国のNGOの調査でわかっている。

急死に一生を得た被告とその家族が、泣き崩れたであろうことは想像に難くない。特に上述した恵山の件では、保衛部(秘密警察)が無罪となった女性らをバスに乗せ、わざわざ自宅まで送っていく「オマケ」まで付いたという。

こうした劇場型の統治手法は、金正恩氏が好んで用いるものだ。冒頭で述べたような宣伝映像も、金正恩政権になって多く作られるようになった。もしかしたら金正恩政権になった当初、北朝鮮国民は新鮮なこのやり方から、ある程度のインパクトを受けたかもしれない。

「浴場で性接待」バレた幹部らの悲惨な運命

もちろん北朝鮮の人々もすでに、金正恩氏のそうした「手法」を熟知しているだろうが、そうであっても現実は変えられない。