拉致され「妻」として与えられた女性たち

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➢  966: 1978年:マカオでのタイ人女性の拉致
アノーチャ・パンチョイさんは、1978年7月2日、マカオで拉致された。北朝鮮でパンチョイさんの近所に住んでいたジェンキンス氏によれば、パンチョイさんは、マカオで無理矢理船に乗せられ、自らの意思に反して北朝鮮に連れてこられた。彼女の失踪から3日後の新聞記事によれば、パンチョイさんは日本人を装った男性と一緒に出かけたとのことである。この記事では、パンチョイさんの友人の発言として、パンチョイさんが当該友人に対し、自分が夕方6時までに外出から戻らなければ警察に通報するよう話していたことが引用されている。この情報は、パンチョイさんが北朝鮮に到着後にジェンキンス氏が聞いた話と整合性がある。パンチョイさんはアブシャー元米兵に「与えられた」。

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本委員会は、2013年9月、タイのバンコクで調査を実施し、パンチョイさんの家族から証言を得た。タイ政府は、パンチョイさんの失踪を拉致事件と認めたことはなく、彼女の失踪を「行方不明者」の事案として捉えている。にもかかわらず、タイ政府は、北朝鮮当局に対してパンチョイさんの情報提供を繰り返し要請しているが、何ら前向きな対応はないと述べている。2014年1月、タイの国家人権委員会は、パンチョイさん事件に関する報告書をとりまとめ、外務省が引き続きパンチョイさんの事案を追及するよう、タイ政府に勧告している。