1日に3人射殺、7人を自殺させた「金正恩の忠臣」が辿る末路

金正恩党委員長は脱北に対して射殺を含めた厳しい対処を取るように指示している。実際、川を越えようとして射殺される人が少なからず存在するが、犠牲となった人の数はわかっていない。

さらに悲劇は続いた。実は、3人とは全く別に平凡な一家の7人家族が国境警備隊の幇助なしに川を渡ろうとしていた。ところが、3人が射殺されるのを目の当たりにし、持っていた毒を飲んで自ら命を絶ったという。前述したとおり、脱北に失敗した人々には拷問などの過酷な運命が待ち受けており、その恐怖に耐えられなかったのだろう。

一方、件の政治指導員は現在、25旅団の保衛部(秘密警察)で取り調べを受けており、「1号方針」――つまり金正恩氏の方針に背いた罪で、銃殺刑に処せられるだろうと情報筋は見ている。

北朝鮮によるこうした人権侵害や犯罪行為は、わかっているものについては韓国でデータベース化されている。来るべき裁判に備えてのことだ。西ドイツに逃げようとした人を射殺した東ドイツの兵士の中には、30年経ってから裁判にかけられたケースもある。今回、発砲命令に忠実に従った副中隊長にも、裁きの日が来るかもしれない。