北朝鮮の若者が「文在寅の政敵」に夢中になってしまう理由

つまり、労働新聞が自由韓国党を批判する記事を出せば出すほど、北朝鮮の若者らは韓国国内の政治状況を詳しく知るようになり、当局の意図とは逆に「韓国が羨ましい」と思ってしまうということだ。

もっとも、北朝鮮国民のすべてが韓国の政治状況に関心を持っているわけではない。平安南道(ピョンアンナムド)の別の情報筋は、「食べるのに精一杯な一般住民は労働新聞を読むことすらかなわないので、外の世界の報道に興味すら持っていない」と指摘する一方で、「党の細胞書記などの幹部、知識人、若者たちは労働新聞の6面に掲載された国際ニュースを注意深く読むなど、国内外の政治情勢に関心を持っている」と説明した。

「ソウルの光化門広場でろうそく革命が起きて、大統領が弾劾されたという記事が労働新聞に載ったときも、それを読んだ知識人、若者たちは衝撃を受けた。われわれにも言論の自由、集会の自由、自由な発言の自由が与えられれば、平凡な人民もより暮らしよい世の中にできるのかもしれないことに気付いたから」(情報筋)

ソウルの光化門広場に集まった百万人を超える市民の声が朴槿恵前大統領を退陣に追い込んだことも、憲法裁判所が朴前大統領の大統領の弾劾を認めたことも、北朝鮮では驚きを持って受け止められた。

ただ、上述の通り北朝鮮の一般庶民は韓国の政治状況にさほど関心を持たない。自由韓国党を批判することで、一部の人が韓国の自由な体制のことを知っても、体制維持には特に問題にならないと当局は踏んでいるのだろう。