米国務省の報道官は22日、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことについて、「米政権は文在寅政権(Moon administration)に対し、協定を破棄すれば米国および同盟諸国の国益に悪影響を及ぼすと繰り返し明確にしてきた」と指摘。その上で、破棄決定は「文政権が北東アジアで私たちが直面する深刻な懸案を正しく理解していないことの表れだ」と批判した。 また、米国防総省も同日、「韓国の文政権(Moon administration)の決定に強い ...

日本でも注目されている韓国のベストセラー本『反日種族主義』が、引き続き売れている。ソウルにいるデイリーNKジャパン記者によれば、ソウル市中心部の大型書店で今週も総合ランキング1位である。 李栄薫(イ・ヨンフン)ソウル大学名誉教授ら、6人の学者の共著である同書のテーマをざっくり言うと、「歴史問題に関する嘘や無知、誤解に基づく韓国の『反日』は、未発達な精神文化の表れであり、これを克服しなければ韓国社会の発展はない」というものだ。 最近の韓国社会の雰囲気とは真逆に置かれる内容だが、 ...

日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が延長されるかどうかが決まる期限が、24日に迫っている。徴用工問題を巡り、日本から輸出規制の報復を受けた韓国政府は、再報復として協定を破棄するかどうかで悩んでいる。 しかし実際のところ、GSOMIAを破棄したところで日本に対する報復の効果はなさそうだ。 GSOMIAの効果としてよく言われるのが、日韓の情報能力の相互補完だ。日本は哨戒機や偵察衛星など情報収集資産で勝り、韓国は脱北者を通じた人的情報(HUMINT)、北朝鮮のミサイル発射初期 ...

北朝鮮ではよく、「速度戦」と呼ばれる突貫工事キャンペーンが行われる。指導者の記念日などに完成日を設定し、無理やり工事を進めて成果だけを追求する。そのせいで、手抜き工事や事故が相次いでいる。 金正恩党委員長も、速度戦のやりすぎには警告を発している。2014年6月20日の北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、金正恩氏が当時建設中だったタワーマンション団地の現地指導を行った場で、「建設においては一にも二にも質の保証に優先的な関心を置くべき」「千年責任、万年保証のスローガンの元に、建 ...

制裁不況にあえぐ北朝鮮内部から、治安悪化を伝える情報がもたらされている。 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、先月25日に金正淑(キムジョンスク)郡の龍河(リョンハ)労働者区で、商店を営んでいた老夫婦と孫娘の3人が、親戚に刺されて死亡する事件が起きた。犯人は遠い親戚の男だった。 この老夫婦は長年に渡り店を営み、それなりの財産を持っていた。それを知った親戚の男は、カネを奪う目的で犯行を計画した。 彼は事件当日、何食わぬ顔で店に入りビールを飲んでいたが、突如と ...

北朝鮮との国境に面した中国吉林省延辺朝鮮族自治州の州都・延吉の市場には、主に韓流ドラマを収めたVCDを売る店が多く存在した。ある店の主は、「夜に韓国で放送されたドラマが、次の日の朝にはVCDになって売られる」と豪語していた。街の規模に似つかわしくないほど大量のVCDが、北朝鮮に向けて出荷されていたのは公然の秘密だ。 時代が変わりVCDの店は姿を消したが、北朝鮮での韓流人気はとどまることを知らない。ご禁制の韓流コンテンツを取り締まろうとする当局と、なんとかして見ようとする人々の ...

「最高指導者の言うことに文句も言わず、黙々と従うロボット」 北朝鮮の人々に対してはかつて、このようなイメージが強かった。だが実際には、表向きは金正恩党委員長を褒め称えながらも、裏では毒を吐き、官憲の横暴にも様々な形で抵抗する「面従腹背」が、北朝鮮の人々の真の姿なのだ。 (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命) ただ、思想的に問題がないとされた「選ばれし者」だけが居住を許される首都・平壌の状況は少し違う。他の地方とは比べ物にならないほど優 ...

韓国統一省の金銀漢(キム・ウンハン)副報道官は16日の定例会見で、北朝鮮の対韓国機関である祖国平和統一委員会が報道官談話で文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の15日の演説を激しく非難したことについて、「南北首脳間で合意した板門店宣言や平壌共同宣言の精神に合致しないだけでなく、南北関係の発展にも全く役立たない」と反発した。 北朝鮮側の談話は、文在寅氏が演説で朝鮮半島の平和構築などを訴えたことを非難し、「(韓国当局者と)これ以上話すこともないし、再び対座する考えもない」と宣言。さ ...

北朝鮮の金正恩党委員長は、国際社会の厳しい制裁を受ける中、国内で2つのメガプロジェクトを進めている。 ひとつは、「元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区」の開発だ。今年4月に行った建設現場の視察で金正恩氏は、「工事期間を6カ月間延長して来年の太陽節(金日成主席の誕生日)まで完璧に完成しよう」と延べ、工期延長を認めた。 (参考記事:金正恩氏、観光リゾートの建設現場を相次ぎ視察) 一方で、もうひとつのメガプロジェクト、「革命の聖地」である両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジ ...

北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会は16日、報道官(スポークスマン)談話を発表し、韓国の文在寅大統領が「光復節」(15日)に際して行った演説で朝鮮半島の平和構築などを訴えたことを非難、「(韓国当局者と)これ以上話すこともないし、再び対座する考えもない」と宣言した。 談話は、文在寅氏を極めて辛らつに批判している。例えば、次のような具合だ。 「わが軍隊の主力を90日内に『壊滅』させ、大量殺りく兵器の除去と『住民生活の安定』などを骨子とする戦争シナリオを実戦に移すための ...

北朝鮮の「朝鮮人強制連行被害者、遺族協会」のスポークスマンは15日、朝鮮半島が日本の支配から解放されて74年となったのに際して談話を発表し、日本政府に対して過去の清算を要求した。 談話は「日本帝国主義が大陸侵略のためにおおよそ840万人余りに及ぶ朝鮮の青壮年を海外侵略戦場と死の苦役場に強制連行し、20万人の朝鮮女性を日本軍性奴隷に連れて行って悲惨な運命を強要し、100余万人を無残に虐殺した」と主張。 続けて「現実がこうであるにもかかわらず、日本政府は朝鮮人民に働いた全ての罪科 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は14日、韓国が、米国の中距離ミサイルの自国配備を許せば、「自ら(米国の)弾除けになって自滅の道を歩む」ことになるとする論評を配信した。 論評はまず、米国の高高度迎撃システム「THAAD」(サード)の韓国配備に伴って起きた混乱に言及。「『THAAD』の配置によって南朝鮮の人民が得たものは戦争に対する不安と経済的被害、肉体的苦痛だけである。生の基盤を奪われた慶尚北道星州住民の恨みの声は日増しに高まっている」と指摘した。 (参考記事:日韓「レーダー照射問題 ...

北朝鮮の物価はすべて国が決めることになっている。いわゆる国定価格というものだ。かつて、生活必需品から住宅に至るまで生活に関わるほぼすべてのものを無償、または極めて低価格で国が配給していた時代には意味のある数字だった。 しかし、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の発生と前後して、配給システムが崩壊してからは、ほとんどのものを市場で実勢価格で購入しなければならなくなった。国定価格は未だに発表され続けてはいるが、ほとんど有名無実と化している。 その中で、数少ない国定価格が適用さ ...

北朝鮮で20代女性を殺害し、現金と持ち物を奪った容疑で逮捕された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元兵士に判決が下された。 言い渡された刑は、一般的な量刑の相場より軽いものだった。このような場合には、市民の間から不満の声が上がるものだが、今回に関してはそうなっていないと、デイリーNKの内部情報筋が伝えた。 情報筋によると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)に在住する元兵士は、25歳の女性を殺害し、自転車と現金を奪ったが、後に逮捕された。先月中旬に公開裁判が行われ、そこで言 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、韓国こそが「情勢緊張の主犯、平和と安定の破壊者である」であるなどと猛非難する論評を配信した。 論評は、韓国が最近「『多様な安保脅威』をうんぬんして軽空母級の大型輸送艦と3隻の新型イージス艦など艦船の建造計画を推し進めている中、F35A戦闘機と空中目標打撃のための迎撃手段、高高度無人偵察機グローバルホークをはじめとする先端武装装備の搬入もエスカレートしている」と指摘。「朝鮮半島の情勢を軍事的緊張激化へと導く危険極まりない行為である」と非難。 ま ...

北朝鮮は11日、米韓両軍が同日から合同指揮所演習を開始したことを受けて外務省局長の談話を発表し、米韓合同軍事演習を即時中止するか韓国が演習について誠意ある釈明を行うまでは「南北の接触自体が難しい」と表明した。 一方、トランプ米大統領は10日、ツイッターで「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米韓合同軍事演習後に会い、(非核化)協議を始めたいと手紙で書いてきた」と明かした。金正恩氏はまた、7月下旬から続ける短距離ミサイル発射について「演習が終われば発射実験をやめる」と伝えてきたとい ...