脱北者に対する拷問・性的暴行・乳児殺しの実態

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遺体が腐り始めると、ほかの収容者が山に行かされて、そこに穴を掘って、棺桶も葬式も墓のしるしもなく、遺体を放り投げた。看守たちは、拘留者間の規律を確実にするため、常習犯を「規律家」に割り当てた。送還された者たちはこれらの「規律家」によってふつうの犯罪者よりもっと厳しく取り扱われた。ある夜、中国で大韓民国国民と接触した疑いのあった送還された人を死ぬほど殴打した。証人は夜中、休みなく、看守が止めることなく、殴打の音が続くのを聞いた。証人が思うに、看守はその男が打たれて死んでしまうとは予測していなかったであろう。打たれて死んでしまった男には7,8歳の息子がいた。彼は証人と同じ少年部屋に入れられていた。1ヶ月以上拘留された後、子供は孤児院に送られた。

(e)送還された母親と子供たちに対する強制堕胎と乳児殺し

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委員会は送還された母親と子供たちに対して、国内および国際法に違反して、強制堕胎や乳児殺しが広く蔓延していることを把握している。強制堕胎は妊娠を臨月まで希望する女性に、彼女の意志に反して要求され、実施される。乳児殺しは出生後すぐに、母親か他の人が乳児を殺すことと定義される。これは、中国から送還された女性の堕胎が失敗した時や妊娠後期で赤ん坊が生きて生まれた場合に行われたようだ。

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中国から送還された妊婦や子供たちに対する強制堕胎や乳児殺しのほとんどは、女性たちが収容所や尋問拘留所(拘留場 国家安全保衛部施設)に拘留されているとき、行われている。極端なケースでは、送還された女性とその新生児に対する強制堕胎と乳児殺しは、送還された人たちの集会や尋問や拘留所で女性の妊娠が見つけられなかった場合、普通の刑務所や政治犯収容所(「管理所」)で行われている。妊婦は賄賂や他の手段で、また、送還時に妊娠後期であったため、出産する前に刑務所にすぐ移された場合は、堕胎を避けることができたかもしれない。

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