米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、トランプ米大統領は11月29日、北朝鮮を資金援助の禁止対象に再指定した。理由は、北朝鮮政府が人身売買の被害を防止するための最低限の措置を講じていないためだ。主として中国を舞台とした北朝鮮女性の人身売買については、米国内でも年々、問題視する傾向が強まっている。 (参考記事:「中国人の男は一列に並んだ私たちを選んだ」北朝鮮女性、人身売買被害の証言) 今回の制裁指定により、人道主義的目的の支援を除く北朝鮮とのほとんどすべての交流・ ...

北朝鮮の道路事情は極めて劣悪だ。北部の両江道(リャンガンド)では今年3月、交通事故が相次ぎ、1日で約300人が死亡する大惨事が起きた。 (参考記事:あっという間に300人が死亡…北朝鮮の交通事故が壮絶な理由) 一般の道路はもちろん、外国人観光客が利用する高速道路ですら状態がかなり悪く、穴が空いている箇所を熟知しているドライバーでも、時々穴にはまってしまうほどだ。 「走り屋」として知られる金正恩党委員長も、交通事故を減らすよう再三にわたり指示を下している模様だが、劣悪な道路事情 ...

中国の内モンゴル自治区で、人身売買の犠牲となった少女が、別の脱北女性に救出される出来事があった。 事情を知る脱北者が先月23日にデイリーNKに明かしたところによると、中朝国境に面した北朝鮮の村に住んでいた少女Aさんは、ブローカーに騙され中国に連れて行かれた。中国人男性に売り飛ばされたAさんはかろうじて逃げ出したが、ブローカーに捕まり、別の男性に売られたがまた逃げ出した。ブローカーは、Aさんをより儲かる内モンゴルに売り飛ばそうとした。 (参考記事:17歳で中国人男性に売られ…脱 ...

絶大な権限を振りかざし、庶民を痛めつけてきた北朝鮮の保安員(警察官)。しかし彼らとて、いついかなる時にも「強者」であるというわけではない。 (参考記事:美女と「日本製の部屋着」に狂わされた、ある北朝鮮警察官の選択) 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、公共機関の職員の出勤率が著しく低下している。一部では業務が麻痺するほどの状況になり社会問題となっているという。保安署(警察署)の公民登録課など「食べる卵のない」部署ほど出勤率が低調なようだ。ここで言う「卵」とはワイ ...

聯合ニュースによれば、韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は30日、記者らの携帯電話にメッセージを送り、北朝鮮の金正恩党委員長のソウル訪問について次のように説明したという。 「いくつかのシナリオを準備している」 「あらゆる可能性を考慮して話し合っており、決定したものはない」 韓国では青瓦台が12月13~14日ごろに金正恩氏のソウル訪問を推進中とする報道が出ており、これに対応したコメントと見られる。 金正恩氏は、9月に平壌で行われた南北首脳会談で、近いうちに ...

北朝鮮から逃れて日本に在住するある脱北者から、こんな話を聞いたことがある。 「覚せい剤中毒が蔓延する実情を見て、この国(北朝鮮)はもう終わりだと思った。それが脱北を決意した理由のひとつだった」 金正恩党委員長の父・金正日総書記は1992年から、麻薬などの薬物で外貨を稼ぐためにコードネーム「白桔梗(ペクトラジ)事業」を開始した。国家機関の主導で製造された麻薬や覚せい剤は、中国や日本に密輸されたが、各国当局の厳しい取り締まりにより徐々に減少した。 しかし、これが北朝鮮国内で薬物が ...

北朝鮮メディアの対日非難が、激しさを増している。 対韓国宣伝ウェブサイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は29日、「安倍一味は米国が予想外に我々との対話に臨み、シンガポール朝米首脳会談という歴史的事変まで実現するや、驚愕して平壌のドアをノックし始めた」と指摘。 朝鮮中央通信は28日付の論評で「日本はますます深刻化する政治的孤立から脱するために、朝日首脳会談に対する未練を持ってわれわれに各方面から接近してみようと東奔西走しながらも、依然として制裁・圧迫うんぬんと『拉 ...

映像が立体的に見え、座席が振動する4D映画。これが北朝鮮の地方都市で人気を集めているという。 両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、道庁所在地の恵山(ヘサン)に最近、立体律動映画館、つまり4D映画館がお目見えした。場所は中朝国境を流れる鴨緑江のそばにそびえ立つ普天堡(ポチョンボ)戦闘勝利記念塔のすぐそばだ。 金正恩党委員長は、「社会主義文明強国建設」を掲げ、各地にレジャー施設を建設している。その代表例が、外国人観光客も案内される平壌のムンスプールだが、それ以外にも様々な ...

今年だけで首脳会談を3回も行い、北朝鮮との友好ムードを盛り上げてきた韓国の文在寅政権だが、北朝鮮側はここへ来てやや熱が冷めてきたように見える。 韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙報道官は26日の記者会見で、北朝鮮の金正恩党委員長の訪韓時期について、「さまざまな可能性をすべて踏まえて議論中」と述べ、今のところ見通しが立っていないことをうかがわせた。 金正恩氏は、9月に平壌で行われた南北首脳会談で、近いうちに韓国を訪問する意向を表明。韓国政府は当初、年内の訪韓実現を目指していた。 し ...

かつて、北朝鮮には「最高級品は日本製」という時代があった。新潟港と東海岸の元山(ウォンサン)港を行き来していた「万景峰(マンギョンボン)92」号が、日本から様々な品物をせっせと運んでいたのだ。日本政府が2006年に対北朝鮮のすべての品目を輸出入を禁じる独自制裁を導入して以降、北朝鮮には日本製品があまり入らなくなったが、メイド・イン・ジャパンの人気は依然、根強い。 両江道(リャンガンド)の内部情報筋が伝えてきた、市場で最近人気の日本製品は、ダウンジャケットだ。新品のものはかなり ...

北朝鮮の抑圧体制を支える秘密警察、国家保衛省(保衛部)の要員たちは、その絶大な権限を悪用して国民を痛み付け、カネを搾り取ってきた。そんな保衛部の脅迫に耐えかね、親子の縁を切る選択を迫られた脱北者がいる。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)に住んでいたキム・ミンスクさん(仮名)は5年前に脱北し、今は韓国で暮らしている。キムさんはデイリーNKの取材に、一部始終を語った。 キムさんは、北朝鮮に残してきた息子リ・ナムギュさん(仮名)と、中国キャリアの携帯電話を使って連絡を取り合ってきた。 ...

米国と韓国を口汚く罵るのは、北朝鮮の十八番だった。 例えば、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は2014年の5月と12月、米国のオバマ大統領(当時)に向かって、人種差別表現を使って激しく誹謗している。 (参考記事:北朝鮮メディアがまたもやオバマ氏に対して人種差別表現) 韓国の朴槿恵大統領(当時)についても、ひわいな表現まで交えて口汚く罵った。 (参考記事:北朝鮮メディア、朴槿恵氏を「好色漢魔女」と罵倒…「大統領が腐りきった」) 朝鮮半島が和平ムードに包まれた今年に入ってから、そのような ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は21日、戦時中の従軍慰安婦問題を巡り、「日本が働いた性奴隷犯罪は国際法的時効が適用されない」とする論評を掲載した。 北朝鮮メディアは最近、慰安婦問題への言及を強めている。国営の朝鮮中央通信は16日、「日本軍性奴隷問題の解決は国際的要求」と題した論評で次のように述べ、旧日本軍が朝鮮人慰安婦を虐殺した証拠とされる「映像記録編集物」があると主張した。 (参考記事:「日本軍が慰安婦を虐殺した映像ある」北朝鮮メディア報道) 慰安婦問題を巡っては、韓国 ...

11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」だ。世界各地ではこの日に合わせ、国連女性機関などの主導により、暴力のない明るい未来を象徴するオレンジ色を使った様々な行事が開かれる。 ニューヨークの国連本部では19日に記念行事が行われた。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)はこの行事に合わせ、国連女性機関の幹部にインタビュー。 同幹部は、国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が発表した北朝鮮の女性虐待に関する報告書の内容に注目しているとしながら、「女性に対 ...

北朝鮮が、中国との国境に面した平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)で建設中だった30階建てホテルの工事が中断された。この話を巡って、「あの人物」の存在が取り沙汰されている。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、現地の情報筋の話として、このホテルは今年の春に着工、骨組みが20階まで組み上がった時点で突然工事が中断されたと報じた。 国境の鴨緑江を挟んで向かい合う中国の丹東のマンションの15階以上から見ると、ホテルの建物の一部が見えるという。これは、鴨緑江の川べ ...

北朝鮮は世界的に見て自殺率が非常に高い国だ。 世界保健機関(WHO)の2012年の統計によると、10万人あたりの自殺率(年齢調整なし)のランキングでは、北朝鮮は39.5人で1位。2位は韓国(36.6人)。ちなみに日本は9位(23.1人)だった。国ごとの人口と年齢構成の違いを調整した値でも、北朝鮮は1位のガイアナ(44.2人)に次ぐ2位(38.5人)だ。ちなみに韓国は3位(28.9人)、日本は18位(18.5人)だった。 世界でも稀に見る抑圧体制が、多くの人を自殺に追い込む一因 ...