海外ドラマの「入浴シーン」が変える北朝鮮国民の意識
米国の有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)が運営する北朝鮮情報サイト「ビヨンド・パラレル」は12日、北朝鮮国民の10人中9人が少なくとも月に1度は外国から流入した情報に接しているとの調査結果を掲載した。 調査は、北朝鮮に在住する36人を対象に行われたという。それによると、このうち6人は毎日、12人は週に1度、15人は月に1度、外国の情報を見ているという。 女子大生も拷問 サンプルの数が少ないような気もするが、海外情報が流入しやすい中朝国境だけでなく、平壌を含む10 ...
死体を焼く匂いが常に漂う北朝鮮の刑務所
北朝鮮で行われている反人道的な犯罪について、金正恩党委員長ら国家の指導部にその責任を問うべきとの声が高まっている。韓国のソウルには国連の傘下機関として人権事務所が設置され、北朝鮮の人権状況を監視し、被害者の証言を記録している。 【証言記録】脱北女性のキム・チャンミさんの証言 韓国政府も今年になって成立・施行された北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮人権記録センターを設立。北朝鮮の指導部に人権侵害の責任を問うための法的根拠を整理しようとしている。 こうした動きを受けて、韓国の民間団体が ...
金正恩氏、銃殺前に身の毛もよだつ「見せしめ」演出を指示か
北朝鮮の金正恩党委員長が、公の場で地方の党幹部を「見せしめ」にしながら銃殺を指示したという衝撃的な情報が伝わってきた。 処刑前の動画を公開 金正恩氏は今年1月1日、その年の施策方針を示す「新年の辞」で自己批判らしき物言いで殊勝な一面を見せた。一方この裏には、自身が率先して自責しながら幹部の自己批判を誘導し、大々的な粛清と世代交代を推進していくという狡猾な狙いが込められていると韓国の情報機関傘下のシンクタンクは分析する。 (参考記事:金正恩氏の「反省したフリ」は「大粛清」の予告 ...
北朝鮮で「エリート学生を大量処刑」か…亡命外交官が明かした新情報
韓国紙・文化日報は6日、昨年7月に韓国に亡命したテ・ヨンホ元駐英北朝鮮公使のインタビューを掲載した。テ氏はその中で、北朝鮮国内での反体制の動きについて次のように明かしている。 「私が聞いた最後の反体制運動は、1988年初めにあった。金日成総合大学で大規模な反体制組織が摘発された。具体的な人数はわからないが、金日成総合大学が完全にひっくり返った。学生の管理のために、国家安全保衛部(現国家保衛省)から人員が出てきたほどだった。大々的な粛清があり、加担した学生はすべて銃殺された。私 ...
北朝鮮のカレンダーに「美人CA」たちが初登場…金正恩氏の指示か
北朝鮮で制作されたカレンダーに、同国航空会社(高麗航空)の客室乗務員(CA)の女性らが登場した。韓国メディアによれば初めての例だという(次ページに画像リンク)。 近年、北朝鮮は海外からの観光客誘致に熱心であり、これもPRの一環であるのかもしれない。 正恩氏の「ヘンな写真」も 金正恩党委員長が、観光振興でかかげた目標はデカイ。2017年には現状の10倍以上となる年間100万人。そして20年までには200万人だそうだ。「この情勢で、そりゃ冗談だろう」との声があちこちから聞こえて来 ...
美貌の女性らが主導…北朝鮮芸術家「ポルノ撮影」事件の真相
2013年8月、日本と韓国のメディアは、金正恩氏の恋人であるとの説が取りざたされていた北朝鮮の有名歌手、玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏が公開処刑されたと報じた。 玄松月氏など北朝鮮の有名芸術団のメンバー9人がポルノ動画を撮影し、頒布したことと、金正恩党委員長の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏を中傷したというのがその理由だ。真偽の問い合わせを受けた韓国の国家情報院が「その事実を知っている」と答えたともあって、この情報は、あたかも事実であるかのようにとらえられた。 ところが、玄松月 ...
美貌の女性らが主導…北朝鮮芸術家「ポルノ撮影」事件の真相
脱北者で韓国のNGO・北韓戦略情報サービスセンター代表の李潤傑(イ・ユンゴル)氏は、北朝鮮における芸術家虐殺事件に関する詳細な情報を入手したとして、韓国のタブロイド紙・日曜新聞の11月27日付でレポートしている。その概要を以下に整理する。 ポルノ動画事件に関わった芸術団員の公開処刑は、2013年8月20日に行われた。内部関係者によると、彼らは北朝鮮の戦勝60周年を記念する行事(2013年7月27日)の4日後に逮捕され、3週間後に処刑された。 公開処刑が行われた平壌市順安(スナ ...
北朝鮮「盗撮成人モノ映像」事件…20代の青年はなぜ処刑されたのか
韓流ドラマをはじめ、海外の映像が国内で流通することに北朝鮮当局は目を光らせている。「国民の思想を資本主義に染め、国家の瓦解につながる」というのが理由だ。だが、北朝鮮の国民も人間である。「知りたい」欲望はとどまることを知らず、当局とのあいだにイタチごっこが続いている。 特に苛烈なのが、北朝鮮では完全に禁じられている「成人モノ」をめぐる争いだ。当局は精神的堕落の象徴と見なし厳罰でのぞむも、住民にとっては最大の娯楽のひとつであるため、CD-RやUSBメモリなど、最先端の方法でやり取 ...
実はクリスチャンの家系なのに…キリスト教徒を処刑してきた北朝鮮の独裁者たち
北朝鮮ではクリスマスを公に楽しむことはできない。しかし、金正恩体制とキリスト教は不思議な縁で結ばれている。 憲法上は信仰の自由が認められている北朝鮮でクリスマスを楽しめないのは、キリスト教が事実上の「禁教」として弾圧の対象となってきたからだ。クリスマスを楽しむ習慣も一般的には根付いていない。 その一方、クリスマス・イブにあたる12月24日は、宗教とは関係のないところで、北朝鮮にとって重要な意味を持つ日となっている。北朝鮮のカレンダーにはこう書かれている。 「抗日の女性英雄 金 ...
金正恩氏が「ブチ切れて拳銃乱射」…独裁者「ご乱心」の1年
2016年の北朝鮮を振り返る(12) 東京新聞が13日付朝刊で、北朝鮮の金正恩党委員長の「ご乱心ぶり」を垣間見せる興味深いエピソードを紹介している。一部を引用しよう。 今年9月末の夜。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、全国に三十以上ある別荘の一つに急きょ軍長老を集めた。「おまえたちが軍事衛星ひとつ造れなかったのは反逆罪に等しい過ちだ」。泥酔していた正恩氏は怒鳴り散らし、夜を徹して反省文を書くよう命じた。 震え上がった長老たちは翌朝、書き上げた反省文を携えて控 ...
金正恩氏を悩ます「大阪の血脈」と「最愛の妹」の危機
2016年の北朝鮮を振り返る(9) 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は8月、北朝鮮で奇妙な話が出回っていると伝えた。中央機関の幹部たちの間で、「金正恩氏はニセモノだ」との考えが広がりつつあるのだという。 北朝鮮は正恩氏の祖父・金日成氏から3代世襲による独裁が続く、事実上の王朝体制だ。そして、世襲を正当化するため、金日成を始祖とする血統を、「白頭の血統」と呼び重んじている。 そして実は、「金正恩ニセモノ説」は、「果たして、金正恩氏は白頭の血統の後継者としてふさわしい人 ...
刑務所の幹部に性的暴行され、中絶手術を受けさせられた北朝鮮女性の証言
北朝鮮で行われている反人道的な犯罪について、金正恩党委員長ら国家の指導部にその責任を問うべきとの声が高まっている。韓国のソウルには国連の傘下機関として人権事務所が設置され、北朝鮮の人権状況を監視し、被害者の証言を記録している。 韓国政府も今年になって成立・施行された北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮人権記録センターを設立。北朝鮮の指導部に人権侵害の責任を問うための法的根拠を整理しようとしている。 こうした動きを受けて、韓国の民間団体が運営する対北短波ラジオ「国民統一放送」は、独自に ...
刑務所の幹部に性的暴行され、中絶手術を受けさせられた北朝鮮女性の証言
脱北女性のキム・チャンミさんは2007年、いったんは中国へ逃れたものの北朝鮮に強制送還され、拘留場、集結所、教化所に収監され、人権を侵害された経験を持つ。 人格を否定、性的な道具とみなす 問:出身はどこで、韓国に来たのはいつでしょうか? 答:咸鏡北道(ハムギョンブクト)の慶源(キョンウォン)郡出身で、韓国に来たのは2012年6月のことです。 問:家族と一緒に来たのですか? 答:私の家族は、両親の下に1男5女があり、私は四女なのですが、両親もきょうだいも多くが亡くなり、上に姉1 ...
取締法のない北朝鮮、中国への「大麻」輸出に乗り出す
ヨーロッパやアメリカ大陸では合法化、非犯罪化の流れが進んでいる大麻。一方、アジアのほとんどの国では、依然として厳しく罰せられる犯罪だ。 そんな中、世界的にも珍しい、大麻に関する法規定のない国がある。北朝鮮だ。 子どもたちに蔓延 大麻の使用は、朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった1935年に制定された「朝鮮麻薬取締令」で禁止された。しかし、1948年の北朝鮮建国後には、新たな法律が制定されなったようだ。北朝鮮は、2007年に麻薬単一条約など、関連する3つの国際条約を批准したが、 ...
金正恩氏が父親から受け継いだ「喜び組」パーティーの悪癖
2016年の北朝鮮を振り返る(5) 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は10月19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長が毎週3、4回ずつ夜通しのパーティー(酒宴)を開き、不摂生な生活と食習慣のために健康不安を抱えているとの分析を報告した。 金正恩氏には以前から健康不安説があるが、ここまで酒を好むという話は出ていなかったと思われる。 もっとも、正恩氏がパーティーを開いていること自体は知られていた。元NBAのスター、デニス・ロッドマンが訪朝した際には、名門学院 ...
北朝鮮で「サウナ不倫」が流行、格差社会が浮き彫りに
北朝鮮に冬がやって来た。まだ11月だが、比較的温かい平地でも朝の気温は0度前後、北部山間地域では氷点下はるかに下回る。人々は、寒さに加え、大増産運動「200日戦闘」の度重なる動員で、クタクタになった体を癒やすため、サウナを楽しむ。 国の機関が運営するサウナもあるが、人気があるのはトンジュ(金主、新興富裕層)が経営する民間のサウナだ。 「夫婦湯」の実態 両江道(リャンガンド)恵山(へサン)市では、恵江洞(ヘガンドン)、恵山洞(ヘサンドン)、城後洞(ソンフドン)などに民間のサウナ ...