金正恩氏の「最愛の妹」が「最強の妹」に変身している
北朝鮮の金正恩党委員長は、8月末から9月初めにかけて発生した北東部の大水害被災地を、いまだに訪れていない。 その理由について、北朝鮮国内の情報筋や韓国の北朝鮮ウォッチャーからいくつかの観測が出ていることについては、筆者も何度か言及してきた。中でも有力に思えるのは、洪水によって国境警備隊の武器庫が倒壊、銃器や弾薬類が流失し、いまだ回収が終わっていないから、との指摘である。 友人が謎の「大量失踪」 確かに、米韓で金正恩氏を狙う「斬首作戦」が半ば公然と議論されている状況下では、うな ...
本当にある「地獄の一丁目」…北朝鮮「政治犯収容所」が拡張されている
北朝鮮が、恐怖政治の象徴である政治犯収容所の拡張を続けている。 かつて、政治犯収容所に警備隊員として勤務し、その恐怖の実態を告発し続けている脱北者・安明哲氏によれば、「そこでは人間が想像しうる、ありとあらゆる残酷なことが行われていた」という。まさに、実在する「地獄の一丁目」である。 (参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「政治犯収容所」の実態) 同窓会を血の粛清 政治犯収容所が拡張されているとの主張は以前からあるが、アムネスティ・インターナショナルはこのほど、今年 ...
金正恩エリートら、出世をエサに性暴行…権力層の横暴に庶民も激怒
北朝鮮権力層の不正と横暴に庶民からの怒りが高まっている。北朝鮮の正式名称は朝鮮民主主義人民共和国だ。国家の建前は格差は存在せず、皆が平等に暮らせるとしているが、実際は上から下まで徹底した階級社会だ。さらに一部の権力層はやりたい放題だ。 最も有名なところでは、金正恩党委員長の側近中の側近で、いわば「金正恩エリート」の代表格とも言える崔龍海(チェ・リョンヘ)氏。崔氏をよく知る人物によると、北朝鮮一のブランド好きで派手な生活を好むという。 過去には、度重なる不正のために1994年と ...
「自由」の夢やぶれ韓国でも性的搾取…脱北女性の厳しい現実
韓国の統一省は今月13日、韓国入りした脱北者の累計が3万人を超えたと発表した。2006年2月に1万人、2010年11月に2万人を超えたことから考えるとペースはやや落ちたが、今年の1~10月までの入国人数1155人は、昨年と比べ18%増となっている。 ひとくくりに「3万人」というが、その内訳は様々だ。1983年にミグ19戦闘機に乗ったまま韓国に来た李雄平(リ・ウンピョン)大尉のような人物もいれば、1994年に政治犯収容所の現役警備兵として、スパイ作戦さながらに韓国入りした安明哲 ...
2割が「北朝鮮に帰りたい」…韓国の脱北者3万人、多くが困窮
韓国に入国した脱北者がついに3万人を突破した。 韓国の統一省の発表によると、今月11日に脱北者7人が第三国を経て韓国に入国したことで、脱北者の累計が3万5人となった。 脱北者が初めて韓国に入国したのは1962年のこと。その後は長きにわたり、年間に韓国入りする脱北者の数は多くとも2ケタに留まっていた。それが急増し始めたのは、1990年代末の大飢饉「苦難の行軍」のころからだ。 「中国生まれ」の子供たち 1999年に149人と3ケタに乗ると、早くも2001年には4ケタ(1114人) ...
香港誌「北朝鮮国内外で金正恩氏交代論が浮上」
北朝鮮国内外で、金正恩党委員長を最高指導者の座から引き摺り下ろし、後任に伯父の駐チェコ大使金平日(キム・ピョンイル)氏を推す声が高まっているという主張が提起された。 香港の時事週刊誌「亜洲週刊」は、金正恩氏を交代させよとの声が北朝鮮の国内外で高まっていると伝えた。 指導者の条件満たす その理由として、金正恩氏が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の総参謀長だった李英浩(リ・ヨンホ)氏を粛清し、人民武力相だった玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏を処刑したことに対して、軍指導層の中で「自分もやられ ...
【現地ルポ】おでんのメニューにも「朴槿恵退陣」…韓国「100万人デモ」の舞台裏
韓国の朴槿恵大統領の友人・崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑を巡り、朴氏の退陣を求める大規模な集会とデモが12日、ソウル中心部で行われた。参加者数は、主催者発表で100万人、警察推計でも26万人に達し、韓国が1987年に民主化して以降では最大規模となった。 主催した労働組合や市民団体は当日、午後2時までに、ソウル中心部・光化門の周辺各所に集結。個人で参加した一般市民や高校生などを含む若者らを交え、朴氏に対する糾弾集会を開いた。 その後、それぞれが別ルートでデモ行進し ...
【対北情報戦の内幕-18-】「日本初の特殊部隊を創設せよ」特命は海保の若手幹部に下された
連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/海上保安庁編(3) 時代がミレニアムまで残すところ10年となった頃、当時30代だった海上保安庁(海保)の若手幹部の両肩に、組織の野望とプライドがのしかかった。その幹部こそが、“海の公安”とも言える同庁警備情報課を作り上げた男、Nである。 彼に託されたのは、原発用のMOX燃料輸送船を警備する特殊部隊を創設するという、前代未聞のミッションだった。 「武装兵士の護衛を」 日本政府は1984年、プルサーマル発電に使用するMOX燃料をフランスから初 ...
【対北情報戦の内幕-17-】海保を「情報機関化」へ導いた北朝鮮との銃撃戦
連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/海上保安庁編(2) 2012年6月13日付朝日新聞は、「中国、北朝鮮に軍用車両 昨年8月 安保理決議に違反」と題したスクープを掲載した。日本政府関係者の話として、中国がベトナム船舶を使い、北朝鮮の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」(当時は「新型ミサイル」と報道)を搭載する多装輪車両を輸出していたことがわかった、という内容だ。 このスクープは国際社会に大きな影響を与えた。中国外務省報道官は直ちにこれを否定したが、国連安全保障理事会の北朝鮮制 ...
金正恩vsトランプ「史上最低」の罵倒合戦が幕を開ける
アメリカ大統領選は、大方の予想を裏切って共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。一般的に対北朝鮮政策においては、民主党以上に強硬路線を貫いてきた共和党政権に移行することで北朝鮮にとって都合が悪いと思われがちだが、必ずしもそうではないことは既に本欄で述べた。 「トイレ」にストレス トランプ氏がどういった対北朝鮮政策を打ち出すかにもよるが、少なくとも金正恩氏は一息つくことができるだろう。なにしろこの1年間、正恩氏は米韓の軍事的圧力、心理的圧力に怯えまくっていたふしが見られるからだ ...
【写真】水害で村全体が消滅した北朝鮮の被災地
今年8月末の台風10号(ライオンロック)による水害で、甚大な被害が発生した北朝鮮北東部の衛星写真。水害から2週間後の9月14日に撮影されたもので、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)の被害の様子が生々しく記録されている。
金正恩「武装ヤクザ部隊」の女性隊員はエリート志向
北朝鮮で、暴動を鎮圧する部隊「機動打撃隊」の訓練が強化され、人々を不安に陥れているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 戦車で轢殺 北朝鮮は一般庶民に対して、日常的に些細な事も含めて様々な弾圧を加えている。今年4月には韓流ビデオのファイルを保有していただけの容疑で女子大生を拘束し、さらには過酷な拷問まで加えた。女子大生を悲劇的な結末に追いやった。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) 暴力による住民統治によって、北朝鮮の人々は ...
中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち
北朝鮮から中国に逃げ出した脱北女性が、人身売買の犠牲となりセックスワークを強いられる事例は今までも多数報告されているが、ネット上で性的なポーズを見せるなどの行為を行う「アダルトビデオチャット」にも従事している。 (人気記事:女性に「手錠と猿ぐつわ」で性的暴行…北朝鮮「秘密警察」の極悪手口) 米紙ワシントン・ポスト東京支局のアンナ・フィフィールド記者は、チャットセックスをしていた「スー」という脱北女性とのインタビューを、ラオスの首都ビエンチャンで行なった。 カメラの前で 現在3 ...
穀物1キロで売られる娘たち…金正恩式「恐怖政治」の農村破壊
〈春をひさぐ女性が増えたという。農村の若い女性の場合、「トウモロコシ1キロ分が対価」とは、貿易商の説明だ。わいろも横行。外貨稼ぎで海外に派遣される労働者が健康診断で「異常なし」の報告書を書いてもらうには、医師に百ドル、企業所の支配人に200ドル……〉 今年1月、東京新聞が「北朝鮮 核の挑発(1)結束狙う足元、火の車」と題して報じた記事の一節である。 超高利のスパイラル 困窮の果ての売春やワイロは、北朝鮮ではもはや珍しい話ではない。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と ...
利息200%の借金地獄で生きる北朝鮮の農民たち(上)
「借りなければ死んでしまう」農場幹部が明かす 金正恩党委員長が北朝鮮の指導者となり、年末で丸5年を迎える。その間、北朝鮮の国営メディアは、まばゆく発展する首都・平壌の姿をこれでもかと誇示してきた。高層マンション、巨大遊園地、ファストフード店…現地に足を運んだ人の報告ともあいまって「ああ、北朝鮮経済も発展しているんだな」との感想を持った人も少なくないだろう。 たしかに、建物はハリボテではない。平壌の経済発展は認めざるを得ないだろう。だが、旅行者の目が届かない農村は、依然としてズ ...
親友の「愛人ホスト」が居並ぶ利権集団…朴槿恵大統領を操った「秘線会議」とは
大統領は「操り人形」だったのか――韓国社会を揺るがす大スキャンダルの深層を、現地で活動する在日韓国人3世のジャーナリスト・徐台教(ソ・テギョ)氏がレポートする。 見えない着地点、ほくそ笑む金正恩氏 「(朴槿恵)姉さん、今めちゃめちゃヤバいだろ?入金しろよ」 数日前から韓国のインターネット上で人気を呼んでいる、ある写真をネタにしたジョークの一部だ。受話器を耳にした北朝鮮の金正恩氏が朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領に向け、こう語りかける。 最新の世論調査で支持率17.5%にまで落ち ...