マレーシア警察が13日に殺害された金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体から猛毒VXを検出したことで、事件が緻密に計画された組織的犯行である可能性がいよいよ高まって来た。 「正妻」の娘 しかし、犯行が北朝鮮当局によるものなのか、そして指示を下したのが正恩氏だったのか、といったことは、そう簡単に解明されないだろう。ちょうど20年前に行われたもう一つの「身内殺し」も、韓国で摘発された北朝鮮「夫婦スパイ」の証言がなければ、犯人が特定されたかどうかもわからない。 ...

マレーシア駐在の北朝鮮大使館は22日、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏――同大使館は「キム・チョル」と主張――殺害事件と関連し、プレスリリースを配布。現地の警察当局による捜査に強い疑問を提起し、逮捕されたベトナムとインドネシアの女性容疑者らと、北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者の釈放を求めた。 正男氏息子を「指名手配」も 大使館はプレスリリースで、「事件発生から10日が過ぎたが、マレーシア警察は逮捕した容疑者からどのような証拠も見つかっていない」とし「マレ ...

13日にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の長男の金漢率(キム・ハンソル)氏が、すでに現地の病院でDNAサンプルの採取・提供を終えているとの情報が出てきた。22日、マレーシアの華語紙・中国報が伝えている。 同紙は消息筋の話として、20日夜にクアラルンプール国際空港に到着したハンソル氏は、身辺保護と取材攻勢を回避する目的から、警察特殊部隊(STAFOC)のユニフォームと覆面を着けて空港を離脱。その後、サブマシンガンで武装した同隊員 ...

北朝鮮が、長年にわたり友好関係を維持してきた東南アジア諸国からも、遂に見放される日がやってくるかもしれない。 駐マレーシアのカン・チョル北朝鮮大使は20日午後、金正恩党委員長の異母兄・金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件を巡り、「死因の特定が遅く、マレーシア警察の捜査は信頼できない。何者かが裏にいるのではないか」などと非難する声明文を、大使館前に集まった報道陣に読み聞かせた。 米軍と死闘 カン大使は17日深夜にも一部メディアを前に「心臓発作で死んだと説明を受けた。司法解 ...

マレーシアのアマン外相が20日、北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件に関連して声明を発表。同国駐在のカン・チョル北朝鮮大使が「マレーシアの捜査は信じられない」などと発言したことに対して、「我が国に対する侮辱だ」と強く非難した。マレーシアの英字紙、ザ・スターが報じた。 アマン外相は、カン大使が「捜査の背後に誰かがいる」「マレーシア警察の捜査は死因の究明ではなく、政治的目的に基づくものだ」などと発言したことに対し、「妄想と嘘、半分の真実(半ば嘘)を ...

13日にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が以前、父親である金正日総書記に弟(正恩氏)からの脅威を訴える手紙を送っていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジアが21日に伝えた。 RFAに対北朝鮮情報関係者が明かしたところによれば、正男氏は2010年6月29日、マカオから平壌へファクスで手紙を送信。同じものを妻にもメールで送った。 「運命受け入れる」 手紙を入手して分析したこの関係者によると、正男氏は手紙に「しばらく前に私と私の家族 ...

北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏殺害を巡り、事件発生時の状況が少しずつ明らかになって来た。 監視カメラが捉えていた犯行時の様子はショッキングだったが、それにも増して気になることが出てきた。これが事前に計画された犯行だったとすれば、犯人たちはなぜ、正男氏のスケジュールを知ることができたのか、ということだ。 すでに報じられている通り、6日にLCCエアアジア便でマカオから入国した正男氏は、13日に同じくエアアジア便でマカオに戻る予定だった。そしてその日、 ...

北朝鮮の故金正日国防委員長の長男で、金正恩党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシア・クアラルンプール国際空港で殺害された。世界中のメディアがこの事件を大きく伝える中、北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、平壌で15日に開催された金正日氏生誕75周年を祝う中央慶祝報告大会の様子を放送していた。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①、【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏②) 大会に出席した金正恩氏は暗い表情(次ページに写真)で、それを見た北朝鮮の人々の間では不安が広 ...

叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑された直後の2013年12月16日、金正日氏の中央追悼大会の席に現れた金正恩氏は、暗い表情を浮かべていた。 北朝鮮では張成沢氏が処刑された後、同氏の「系列」と見なされた人々に対する大規模な粛清が行われ、およそ1万人が処刑や収容所送り、首都から追放される憂き目に遭ったと言われる。(参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏①)

北朝鮮の故金正日国防委員長の長男で、金正恩党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシア・クアラルンプール国際空港で殺害された。世界中のメディアがこの事件を大きく伝える中、平壌で15日に開催された金正日氏生誕75周年を祝う中央慶祝報告大会では、金正恩氏がただならぬ表情を浮かべていた。(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導】) (参考記事:【写真】「凶悪な表情」の金正恩氏②) 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは15日午後6時から約1時間にわたって ...

13日にマレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏が、昨年末から今月初めにかけて北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)の要員や外交官の接触を受けていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。北朝鮮への帰国を促すためのものだったと見られるという。 拒否して暗殺命令 北朝鮮情報筋がRFAに語ったところによると、金正恩党委員長は国家保衛省に対し、海外にいる金正男氏を北朝鮮に連れ帰るよう指示を出していた。指示は、拉致などの強引な手段ではなく、自らの意志で帰国するよう説 ...

13日にマレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏が、昨年末から今月初めにかけて北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)の要員や外交官の接触を受けていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。北朝鮮への帰国を促すためのものだったと見られるという。 拒否して暗殺命令 北朝鮮情報筋がRFAに語ったところによると、金正恩党委員長は国家保衛省に対し、海外にいる金正男氏を北朝鮮に連れ帰るよう指示を出していた。指示は、拉致などの強引な手段ではなく、自らの意志で帰国するよう説 ...

13日にマレーシアで殺害された、北朝鮮の故金正日総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏と接触を持っていた北朝鮮の外交官など、多くの人が2011年ごろに処刑されていたことがわかったと米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。 「殺れるのはただ1人」 北朝鮮の元高級幹部の脱北者がVOAに証言したところによると、2003年から2010年初めまで北京の北朝鮮大使館で党秘書として勤務していたクァク・チョンチョル氏は、金正男氏と接触していたことを理由に2011年に処刑された ...

クアラルンプール国際空港で、金正男氏を暗殺したと見られる女工作員の比較的鮮明な映像が公開された。 マレーシアの英字紙、ザ・スターは、クアラルンプール国際空港の監視カメラにとらえられた女工作員の映像を公開した。 画像には、「LOL」(日本のネット用語の「www」と同じ意味)とプリントされた白いシャツに、青色のスカート姿の中年のアジア系の女が、右手で手提げバッグを押さえている様子が写っている(次のページ)。 これは、午前中に公開された画像に写った女と同一人物と思われるが、距離やア ...

北朝鮮で行われている反人道的な犯罪について、金正恩党委員長ら国家の指導部にその責任を問うべきとの声が高まっている。韓国のソウルには国連の傘下機関として人権事務所が設置され、北朝鮮の人権状況を監視し、被害者の証言を記録している。 韓国政府も今年になって成立・施行された北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮人権記録センターを設立。北朝鮮の指導部に人権侵害の責任を問うための法的根拠を整理しようとしている。 こうした動きを受けて、韓国の民間団体が運営する対北短波ラジオ「国民統一放送」は、独自に ...

両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の出身で、1990年代末に脱北した女性コ・ジウンさんは、中国で2度にわたり人身売買の被害に遭った。 問 初めて脱北したのは1997年9月、28歳のときだそうですが、何がきっかけでしたか? 答 友人から受けた影響が大きかったです。その友人は1度脱北し、中国で捕まり強制送還されたのですが、中国で見聞きしたことをいろいろと話してくれました。外の世界の情報にたいへん驚き、とくに韓国社会に対する関心が強まりました。そのとき、北朝鮮の政治こそが偽りであ ...