「同僚の娘を貯水タンクに沈めて殺害」…北朝鮮で多発する凶悪事件の動機と背景
ここ数年、北朝鮮で凶悪事件が多発している。北朝鮮当局は、決して明らかにしないが、多少の尾ひれはあろうと、こうした事件は人の口から口へと伝わり、必ず外部に漏れ伝わってくる。 下士官が怨恨の末 先月末、軍隊内で起きた金銭トラブルで、無関係の人が巻き込まれ殺害されるという悲惨な事件が起きた。 北朝鮮は、軍事優先の「先軍政治」をスローガンに掲げている。軍隊は優遇されていると見られがちだが、決してそうではない。規模が大きく、維持にコストがかかるが、生産手段を持たない朝鮮人民軍(北朝鮮軍 ...
北朝鮮軍兵士44人が脱走、一部が中国で強盗殺人
中国と国境を接する北朝鮮の両江道(リャンガンド)に駐屯する朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊から脱走した兵士が44人に達することが、明らかになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 北朝鮮国内の情報筋によると、恵山(ヘサン)市警務局(憲兵隊)と10軍団保衛部(秘密警察)によると、27日現在で脱走が確認された兵士は全部で44人に達する。うち、12人については行方をつかめていない。 脱走した兵士が全員が脱北し、中国で事件を起こしたとは言えないが、北朝鮮に面した中国吉 ...
脱北者支援の牧師殺害、背後に孤児ねらう「臓器密売」組織か
中国吉林省の長白朝鮮族自治県で、脱北者の支援を行ってきた牧師が殺害されてから3ヶ月が経った。北朝鮮の国家安全保衛部(秘密警察)の仕業との見方が支配的だが、動機を巡っては謎も残る。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は可能性のひとつとして、違法な「臓器売買」との関連を指摘している。 事件が起きたのは今年4月30日。長白教会の韓忠烈(ハン・チュンニョル)牧師は、その日の午後に何者かに呼び出され外出した。しかし、夜になっても帰らず、心配した家族が中国公安当局に通報した。 捜索 ...
障がい者の「強制隔離」を実行した北朝鮮…断種手術も
相模原市緑区の障碍(がい)者施設で起きた大量殺人事件。容疑者は、取り調べで「ヒトラーの思想が降りてきた」などと述べ、重度の障碍者だけを選んで襲うなど、優生思想が動機の根底にあったことが伺える。 優生思想とは「劣等な子孫が生み出され、社会、国家、民族に悪影響を及ぼすことを未然に抑制しよう」とする考え方だ。ナチス・ドイツはそれを人種政策に取り入れ、ユダヤ人、ポーランド人、ロマ、同性愛者、障碍者を強制収容し、虐殺した。 とんでもない結果をもたらしてようやくその危険性に気づいた世界は ...
障がい者の「強制隔離」を実行した北朝鮮…抹殺も検討
相模原市緑区の障碍(がい)者施設で起きた大量殺人事件。容疑者は、取り調べで「ヒトラーの思想が降りてきた」などと述べ、重度の障碍者だけを選んで襲うなど、優生思想が動機の根底にあったことが伺える。 優生思想とは「劣等な子孫が生み出され、社会、国家、民族に悪影響を及ぼすことを未然に抑制しよう」とする考え方だ。ナチス・ドイツはそれを人種政策に取り入れ、ユダヤ人、ポーランド人、ロマ、同性愛者、障碍者を強制収容し、虐殺した。 とんでもない結果をもたらしてようやくその危険性に気づいた世界は ...
金正恩氏、美人ウェイトレスの集団脱北で「公開処刑」を指示か
この4月、中国の北朝鮮レストランの女性従業員ら13人が集団脱北した事件を巡り、北朝鮮当局が責任者6人を公開処刑したとの情報が浮上している。聯合ニュースが29日、韓国の民間団体、戦後拉北者被害家族連合会の崔成龍(チェ・ソンリョン)理事長の話として報じた。 美女たちを指名手配 崔氏は平壌消息筋からの情報として、金正恩党委員長の指示により、5月5日に平壌の姜健(カンゴン)総合軍官学校で国家安全保衛部(秘密警察)の要員ら責任者6人が公開処刑されたとしている。(関連記事:北朝鮮、脱北ウ ...
金正恩氏、スマホ片手に父の眠る墓地でポケモン探しか?
世界中で大旋風を巻き起こしているゲームアプリ「ポケモンGO」。日本でも今月22日にサービスが始まり、いたるところでスマホ片手にポケモン探しに夢中になる人々の姿が見られる。 一方、韓国ではサービス開始の目処が立っていない。これは、韓国政府が軍事上の理由でGoogle社に地図データを提供していないからだ。しかし、東海岸の田舎町、束草(ソクチョ)ではプレイが可能だとの情報が出まわり、ゲーマーが全国各地から殺到している。 軍事境界線にほど近いこの地域は、ポケモンGOがエリア設定におい ...
北朝鮮「魔の山道」でバス転落が多発、数十人が死亡
北朝鮮の山道で、バスが谷底に墜落する事故が起き、多くの死傷者が発生した。トンネルの通行料を節約するために、整備されていない旧道を通ったことが事故の原因と伝えられている。 川原の地獄絵図 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋の話として報じたところでは、事故が起きたのは5月中旬。東海岸の南北を結ぶ国道7号線の、咸鏡南道の端川(タンチョン)市と咸鏡北道の金策(キムチェク)市の間の摩天嶺(マチョンリョン)峠付でのことだ。 峠道を走って ...
国家安全保衛部――北朝鮮「秘密警察」の知られざる内幕
去る6月、北朝鮮北部の両江道・某市に住むキム氏(仮名)が国家安全保衛部より「英雄称号」を授与されたと、現地の取材協力者が伝えてきた。褒賞として、テレビやオーディオ機器、冷蔵庫など家電一式が贈られたうえ、首都・平壌で居住する権利も得るなど国家から最大級の「配慮」を受けたという。 「英雄称号」とは、正式名称を「朝鮮民主主義共和国共和国英雄」といい、北朝鮮では最高の栄誉とされるものだ。通常、称号を授与された者には最上位の勲章「国旗勲章第一級」が同時に与えられ、給金(年金)の支給をは ...
金正恩外交、意外な「粘り腰」見せる…中国とも「親密」アピール
今年初めの核実験と事実上の長距離弾道ミサイルの発射で、いっそう国際的な孤立を深めるものと見られていた北朝鮮外交が、旧来の友好国の支援を得て「粘り腰」を見せている。 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と中国の王毅外相は25日、約1時間にわたり会談を行った。両外相は東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席するため、ラオスの首都ビエンチャンを訪問している。 「裏切り者」呼ばわりも 会談後、北朝鮮代表団の報道官は記者団に対し、会談は「両国の正常な意思疎通の ...
「金正恩氏は深夜の走り屋」説はどうやら本当だった!
以前、金正恩氏が愛車のベンツを自分で運転しているとの話を、「金正日の料理人」として知られる藤本健二氏から、テレビ番組で共演した際に聞いたことがある。 それを裏付けるかのような情報を、北朝鮮メディアの報道の中から発見した。 深夜の「視察」 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は11日、「深い夜、朝早くから訪ねて来られ」と題した記事を掲載した。3年前のある日、金正恩党委員長が、当時建設が進められていたレジャー施設「紋繍(ムンス)ウォーターパーク」の工事現場を訪ねたときにエピソードを ...
女子大生には拷問、女子高生は公開裁判…北朝鮮の人権侵害(3)
北朝鮮の人権に関して国連調査委員会が公表した報告書は、同国の指導層、すなわち金正恩体制が決定した政策によって、広範囲にわたる「人道に対する罪」が今現在も行われているとしている。 このなかでも、とりわけ女性に対する人権侵害のレベルは深刻だ。 指導層の慰み者「喜び組」 金正恩党委員長の父親である金正日氏は、「5課処女」という「権力層に仕える女性」を選抜、管理するシステムをつくりあげた。代表的な5課処女といえば、日本でもよく知られている「喜び組」。まさに、指導層が権力を笠に着て、女 ...
北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…
北朝鮮の人権侵害が、23歳の女子大生の人生を狂わせた。なぜ、そのようになかったのか。 【人気記事】 コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち 女子高生、見せしめ 今月6日、米国は最高指導者の金正恩党委員長を、人権侵害の首謀者としてはじめて名指しで明記した。北朝鮮は米国の措置に対し、「外交ルートを遮断する」と猛反発。しかし、いくら反発しようとも、せい惨きわまりない北朝鮮の拷問や処罰の実態の多くは暴かれており、米国の措置はむしろ遅すぎると言っても過言では ...
北朝鮮、予告無しに「ダム放流」…韓国で高まる「水攻め」の恐怖
朝鮮半島に停滞する梅雨前線の影響で、大雨が続く中、北朝鮮が6日午前、突然ダムの放流を始めたと韓国メディアが一斉に報じた。 韓国軍関係者によると、放流が始まったのは、軍事境界線付近を流れる臨津江(イムジンガン)の上流にある北朝鮮の黄江(ファンガン)ダム。貯水量は3~4億トンと推定されている。 6人死亡の例も 北朝鮮は午前6時ごろに水門を開いたものと見られるが、韓国側は一切通知を受けていないとのことだ。軍と行政当局は、流域に警告放送を流し、川べりにいた人を避難させるなど、対応に追 ...
ねらわれる少女、アキレス腱を切られる労働者…北朝鮮人権報告
米国務省は6月30日、人身売買に関する年次報告書を発表した。その中で北朝鮮は、14年連続で最悪の人身売買国として評価された。 北朝鮮については最近、国内での人権侵害に加え、外貨獲得のため海外に派遣された労働者たちが過酷な環境に置かれていることについても批判が集まっている。 凄惨なリンチ、アキレス腱切断、掘削機で足を潰す 報告書は、多くの労働者は劣悪な環境での仕事を強いられ、移動、通信も制限され、厳しい監視のもとで暮らしていると指摘し、逃げ出した場合には本人のみならず、北朝鮮に ...
日韓「対潜水艦戦」共同訓練が示唆する「日本海の危機」
海上自衛隊は7月4~7日、神奈川県の厚木基地で、韓国海軍と哨戒機部隊の交流行事を行う。韓国海軍のP-3CK対潜哨戒機が飛来して海自のP-3Cと初の親善飛行を行うほか、各種の共同訓練と意見交換を行うという。 海自と韓国海軍の交流行事は2010年に始まり12年まで毎年開催されていたが、両国関係の悪化に伴いその後3年間は開催が見送られた。今回は4年ぶりの再開となったわけだが、韓国海軍機が日本に飛来するのも初めてということで、なかなか意義深い催しになりそうだ。 北朝鮮に「先制攻撃」も ...