北朝鮮は、韓国で来月9日から行われる平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせて三池淵(サムジヨン)管弦楽団を現地に派遣する。公演準備のため事前調査団が21日、韓国の江陵(カンヌン)市を訪れた。 女子大生を拷問 三池淵管弦楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長率いる7人は21日午後、江陵駅に到着した。駅では数百人の市民が玄氏らを見ようと集まり、一行が現れると拍手と大きな歓声が上がったという。 韓国メディアは、玄氏が身につけているコートやバッグのブランドに注目するなど、まるで国際的な ...

北朝鮮女性アイドルの波乱の運命(3) 金正恩党委員長は、最高指導者になってから二つの楽団を創設した。一つ目が、今や北朝鮮を代表する楽団となったガールズグループ「モランボン楽団」。そして、二つ目が2015年7月に創設された「青峰(チョンボン)楽団」だ。 二つの楽団が創設されるなか、「血の雨」を浴びながらその歴史に終止符を打たれたのが銀河水(ウナス)管弦楽団だ。金正恩党氏の妻・李雪主(リ・ソルチュ)氏がかつて所属し、人気を誇った銀河水管弦楽団はなぜ解散させられたのか。 恋人をズタ ...

北朝鮮女性アイドルの波乱の運命(2) 北朝鮮の金正恩党委員長の妻は、銀河水(ウナス)管弦楽団の歌姫だった李雪主(リ・ソルチュ)氏だ。彼女が所属していた時期、銀河水管弦楽団は頻繁に公演を行い、楽団員が勲章を受けるなど、華々しい活躍ぶりを見せた。 (参考記事:北朝鮮独裁者と「美人歌手」たちの秘められた愛) しかし、楽団をある悲劇が襲い、文字通り「血の雨」を浴びながらその歴史に終止符を打たれることになる。その悲劇は、創設者である金正日総書記の急逝からはじまる。 「ミンチ」にして処刑 ...

北朝鮮女性アイドルの波乱の運命(1) 韓国で来月9日から開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪へ、北朝鮮が140人規模の芸術団を派遣することが決まった。派遣されるのは万寿台(マンスデ)芸術団に属する三池淵(サムジヨン)管弦楽団。筆者は、金正恩党委員長の肝いりで創設されたモランボン楽団が派遣されると予想していた。しかし、モランボン楽団は軍服をモチーフにしたコスチュームで金正恩氏や北朝鮮を称えるプロパガンダソングを中心に上演してきただけに、さすがに無理があったようだ。 とはいえ、芸 ...

韓国と北朝鮮は15日午前10時から、平昌冬季五輪に際し北朝鮮が韓国に芸術団を派遣する件につき実務者会談を行っている。同会談に臨む代表のひとりとして、北朝鮮は玄松月(ヒョン・ソンウォル)管弦楽団長の名前を挙げた。 玄氏は、金正恩党委員長肝いりのガールズグループ「モランボン楽団」の団長として知られる。また、一時は金正恩氏の「元恋人」であると噂され、公開処刑されたとの説まで取りざたされた。 女性らは失禁 2013年8月、日本と韓国のメディアは、玄氏が公開処刑されたと報じた。 玄氏ら ...

北朝鮮当局は昨年末、全国各地で朝鮮民主女性同盟の会議を開催した。その場で飛び出したのは、中国に対する憎悪を煽る発言だった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、昨年12月に政府の指示で清津(チョンジン)市の各洞(町)で女性同盟の会議が開かれた。続いて行われた政治学習では、国内外の情勢に関する講演会が開催された。 壇上に上がった松坪(ソンピョン)区域の女性同盟幹部は「日本は百年の宿敵、中国は千年の宿敵」という表現を使 ...

2017年の北朝鮮を振り返る(6) 北朝鮮は今年、米国からの軍事的圧力と国連安保理による経済制裁を受けながら、核実験を1回、長距離弾道ミサイルの発射実験を3回、中距離弾道ミサイルの発射実験を2回行った。強硬姿勢を貫いた金正恩党委員長は、自信を深めているかもしれない。 一方で、北朝鮮の内政には異変が感知されている。最近になり、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍(北朝鮮軍)総政治局長と金元弘(キム・ウォノン)同第1副局長が粛清されたとされているのだ。 「ポルノ撮影」の情報 この ...

北朝鮮では11~12日の2日間にわたり、「第8回軍需工業大会」が開かれた。過去の北朝鮮メディアの報道を見た限りでは、軍需工業大会開催の情報が明らかにされたのはこれが初めてだ。北朝鮮メディアの報道を分析したところ、いくつか気になる点がある。 まず、北朝鮮はなぜ、今大会の情報を公開したのだろうか。その目的は、金正恩氏による核・ミサイル開発の成果を強調し、今後も継続していく意志を国内外に強くアピールするためだろう。 現場では事故多発 そして気になったのは、大会に本来なら参加していて ...

韓国紙・中央日報は12日、北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋の話として、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長が朝鮮労働党からの「出党」(追放)処分を受け、金元弘(キム・ウォノン)同第1副局長が政治犯収容所に収監されたと報じた。 事実なら、金正恩党委員長の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長の処刑に次ぐ「大型粛清」につながる可能性がある。 黄炳瑞氏と金元弘氏については、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)が11月20日、国会情報委員会で、朝鮮労働党組織指導部が軍 ...

韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は20日、国会情報委員会で、北朝鮮の崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長の主導により、党組織指導部が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)総政治局の「不純な態度」を問題視し、20年ぶりとなる検閲を進めていると報告した。 その過程で、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長や金元弘(キム・ウォノン)第1副局長をはじめ、相当数の幹部が処罰されたもようだという。ただ、同委員会幹事のキム・ビョンギ議員(共に民主党)の説明によると、処罰がどの程度のものであるかは国 ...

北朝鮮の金正恩党委員長が最近、自身が執権して以降の5年間に行われた政治犯の処刑・粛清について「全面的に再調査せよ」との指示を下したという。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が先月末、デイリーNKに語ったところによると、「(北朝鮮当局は)10月中旬から証拠不十分のまま行われた政治犯の粛清について、全面的な再調査を行っている。同月初めにあった党中央委員会第7期第2回総会で一部の政治局委員らが交代した理由も、こうした問題の責任が問われたためのようだ」という。 政敵を抹殺 同 ...

かつては北朝鮮全国のどこにでもあった配給所。食料品から生活必需品に至るまで、選択肢は多くなかったものの様々な物資を配給していた。しかし、1990年代に配給システムが崩壊して以降は、有名無実の存在となっていた。北朝鮮当局はこのような配給所の廃止を始めた。 両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、恵山(ヘサン)市人民委員会(市役所)は今年9月、市内の配給所を廃止するとの通達を出した。今後、特別な休日に配給する物資があれば、洞事務所(末端の行政機関)で受け取る体制に転換すること ...

【人気記事】 コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち 北朝鮮は10月10日、朝鮮労働党創立72周年を迎えた。周辺国は記念日に合わせた軍事的挑発を警戒した。だが、昨年の建国記念日(9月9日)に行われた第5次核実験を除けば、核実験や弾道ミサイルの発射実験が、記念日の当日に行われたことはない。最も警戒されるのはその前後である。 懸念された挑発はなかったが、7日に開催された朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会で注目すべき人事が行われた。本欄でも伝えたが、金 ...

中国商務省は8月、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を受け、北朝鮮産の鉱物および海産物の輸入を全面禁止する措置を取った。こうした動きを受けて、北朝鮮の市井の人々の生活はいよいよ困窮に直面しているようだ。 「不満」を弾圧 中朝国境にほど近い北朝鮮の羅先(ラソン)経済特区を頻繁に訪れる中国人ビジネスマンは、デイリーNKに現地の状況を次のように語った。 「一時は中国への海産物輸出で大儲けしていた羅先経済特区は、最近の対北朝鮮制裁のせいで物寂しい雰囲気が漂っている。特区内では多くの ...

北朝鮮の金正恩党委員長は21日、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長名義の声明を発表した。北朝鮮史上初となる最高指導者名義の声明だ。 それゆえに、本来なら極めて重みのある声明となるはずだが、その中身はほぼトランプ米大統領に対する個人攻撃に終始した。トランプ氏への金正恩氏の恨みつらみはピークに達しているようだ。 トイレにもストレス 金正恩氏の怨念といえば、韓国の朴槿恵元大統領に対する執拗な攻撃が思い起こされる。 とりわけ、2015年8月に朝鮮半島の南北が対峙する軍事境界線で北 ...

核・ミサイルで暴走を加速させる金正恩党委員長に対して、トランプ米大統領が「ロケットマン」と揶揄した。単なるSNS上の軽口に過ぎないが、北朝鮮がどのような反応をするかに注目される。 人種差別表現で トランプ氏は北朝鮮の核実験とミサイル発射を受けて、韓国の文在寅大統領と電話会談を行った。翌日のツイッターで電話会談に触れ、「ロケットマンはどうしているか尋ねた」とつぶやいた。 気の利いた軽口で金正恩氏をこけにしたつもりかもしれないが、北朝鮮庶民が金正恩氏に浴びせかけるブラックなジョー ...