北朝鮮の金正恩党委員長は1日に発表した「新年の辞」の中で、「いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送りました」などと述べ、北朝鮮の独裁者としては珍しく自己批判をして見せた。 どんな民主主義国家の元首にも劣らぬ殊勝な物言いだが、些細なことで国民を虐待・処刑する恐怖政治を、簡単に捨てるとは思えない。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) 処刑前の動画公開 自己反省は、単なる表面的なイメージ戦略に過ぎないだろう――韓 ...

北朝鮮の金正恩党委員長が1日、朝鮮中央テレビをなど通じ肉声で発表した「新年の辞」で、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験は最終段階」と述べ、核・ミサイル能力の高度化を誇示したことが注目を集めている。 もちろん、注目に値する発言である。ただ、射程の長大なICBMは米国を狙った「専用」の兵器であり、米国の安保を軸に考えた場合に重大な懸案となるものだ。日本や韓国はとっくの昔に実戦配備された中距離弾道ミサイルの射程に収まっており、いま改めて騒ぐようなことでもない、とも言える。 ...

「社会的に、髪の毛を長くする現象はなくさなければなりません。(中略)女性たちが髪の毛を腰まで伸ばし、振り乱しているのは朝鮮式ではありません。」 (参考記事:北朝鮮ではブラジャーすらタブーだった?) これは、「先軍時代に合った社会主義的生活文化を確立することについて朝鮮労働党中央委員会責任イルクンたちと行なった談話」というタイトルで2003年2月と7月に発表された故金正日総書記の言葉だ。 談話で金正日氏は「理髪所にヘアスタイルの絵や写真を貼り付けて、客が選べるようにすべき」とも ...

金正恩党委員長が北朝鮮の最高指導者に就任してからの5年で、銃殺または粛清された人が340人に達することが明らかになった。 韓国国家情報院のシンクタンク、国家安保戦略研究院は、金正恩政権の5年間についてまとめた「金正恩執権5年の失政白書」で、金正恩氏が3代世襲権力を固めるために、自身の伯父の張成沢氏をはじめとして、高級幹部や住民340人を公開銃殺または粛清したと明らかにしている。 白書によると、処刑または粛清された幹部は2012年には3人だったのが、2013年には約30人、20 ...

2013年8月、日本と韓国のメディアは、金正恩氏の恋人であるとの説が取りざたされていた北朝鮮の有名歌手、玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏が公開処刑されたと報じた。 美貌のバイオリニストが 玄松月氏など北朝鮮の有名芸術団のメンバー9人がポルノ映像を撮影し、頒布したことと、金正恩党委員長の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏を中傷したというのがその理由だ。真偽の問い合わせを受けた韓国の国家情報院が「その事実を知っている」と答えたともあって、この情報は、あたかも事実であるかのようにとらえら ...

2016年の北朝鮮を振り返る(11) 韓国の統一省は10月末、金正恩党委員長が公式登場する回数が、年々減少しているという分析結果を明らかにした。2013年は212回だった公開活動の回数は、2014年は172回、2015年は153回。そして、2016年は11月末の時点で約110回だった。 自己顕示欲が強いといわれている金正恩氏の公開活動、いわば「お出かけ」が激減している理由としてまず考えられるのが一般庶民の反感だ。 金正恩氏のトイレ事情 北朝鮮の国民は体制に従順と思われがちだが ...

金正恩党委員長が、韓国大統領府(青瓦台)の襲撃を想定した特殊作戦をアピールしている。11日付の北朝鮮の朝鮮中央通信は、金正恩氏が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の「第525軍部隊直属特殊作戦大隊」の戦闘訓練を指導したことを報じた。 実は金正恩氏は先月にも同部隊を視察した。その時、北朝鮮国営メディアは同部隊について「青瓦台とかいらい政府、軍部要職に居座って千秋に許せない希代の大逆罪を犯している人間のくずを除去することを基本戦闘任務にしている」と紹介した。 地雷爆発で吹き飛ぶ韓国軍兵士 北 ...

2016年の北朝鮮を振り返る(2) 北朝鮮では今年も、粛清の嵐が吹き荒れた。 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は10月19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長がしばらく自制していた粛正を再開し、今年は9月までに64人が公開処刑されたと明らかにした。2011年12月に正恩氏が最高指導者になって以降では、処刑された朝鮮労働党、政府、朝鮮人民軍の幹部の数は100人以上に達するという。 人間をミンチに 一方、聯合ニュースは8月、北朝鮮内部の消息筋からの情報として ...

金正恩党委員長が11月に入り不気味な動きを見せている。これまで4回、現地視察を行っているが、その全てが朝鮮人民軍(北朝鮮軍)関係なのだ。 韓国では朴槿恵大統領の退陣要求が強まり、米国ではトランプ氏が勝利して対北朝鮮政策が不透明になるなか、金正恩氏に圧力をかける主要2カ国に隙間が出来るタイミングでのことだ。ただ、北朝鮮メディアが正恩氏の視察の様子として公開した写真をめぐって、韓国では「偽造説」も出ている。 ゴムボートに立つ金正恩氏 13日付の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は北朝 ...

新潟市内で横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、15日で39年となった。中学校からの帰宅途中に拉致されためぐみさんは、当時13歳だった。生存していれば現在52歳。実に人生の4分の3にもなる期間、北朝鮮に自由を奪われているのである。 安倍政権を名指しで非難 北朝鮮の工作員が、海岸から極秘に侵入し、誰にも悟られずに一般市民を拉致して連れて行く。拉致された本人には何ら落ち度はない。残された家族は北朝鮮に拉致されたという事実すら知りようもなく、何が何だかわからない状況のなかで苦しみ ...

北朝鮮当局が、8月末に北朝鮮北東部で発生した水害の被災地で、一部の住民に対して非人道的な対応をしているという。どうやら金正恩党委員長の意向が反映されているようだ。 「この世の地獄」 水害被害について、北朝鮮当局は「解放後初の大災難(建国以来の災害)」としながら、被災者数を「6万8900人」と公式にアナウンスした。しかし、その後の韓国の民間シンクタンクや国際赤十字が把握した情報から、実際にはその4倍以上、30万人にも上ることが判明。さらに、被害拡大の裏には犯罪的ともいえる「人災 ...

北朝鮮で違法薬物のまん延がいっそう深刻化し、とくに若者世代の汚染が進んでいる模様だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が3日、最近脱北した人物の証言として伝えた。 北朝鮮で密造・密売されている薬物は主に2種類で、ひとつはアヘン、もうひとつが覚せい剤である。 (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」) 女子中学校を一斉捜査 インターネットで検索すれば、昔のアヘン中毒者たちの写真を数多く見ることができる。目からは生気が失せ、骨と皮 ...

韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長が毎週3、4回ずつ夜通しのパーティー(酒宴)を開き、不摂生な生活と食習慣のために健康不安を抱えているとの分析を報告した。心血管疾患の高リスク群に入るという。 正恩氏の健康問題に関しては、国情院は7月の懸案報告でも、不眠症や身辺の脅威のために暴飲暴食に走り、成人病にかかっている可能性を指摘。とくに体重について、「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キ ...

韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は19日、国会情報委員会の国政監査で、金正恩党委員長の実兄・正哲(ジョンチョル)氏が精神の不安定な状態にある模様だと明らかにした。また、実妹の与正(キム・ヨジョン)氏は権力乱用に走っているという。 国会情報委が行ったブリーフィングによれば、正哲氏は権力から遠ざけられ、監視を受けながら生活している。また、酒に酔えば幻覚が見え、瓶を割って暴れるなど精神が不安定な状態にあるという。 「大阪出身」という秘密 正哲氏と言えば昨年5月、ロンドンに現れ、 ...

金正恩党委員長は、今年8月末の台風10号によって甚大な被害に遭った北朝鮮北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の被災地をいまだに訪れていない。 咸鏡北道では、昨年9月にも台風被害が発生。この時、金正恩氏は羅先(ラソン)市の被災地を訪れた。今年の被害は、数百人から数千人の死者・行方不明者が出るなど、昨年以上の大惨事となった。通常の国家指導者なら、万難を排して被災地に駆けつけるところだろう。 トイレの代用品も しかし、金正恩氏が被災地を訪れたという公式報道は一切ない。一体なぜか。 デ ...

朝日新聞は7日付朝刊で、複数の日朝関係筋からの情報として「9月3日から4日にかけ、日朝両政府関係者が中国東北部の遼寧省大連市内で接触したとみられる」と書いた。日本側の目的はもちろん、日本人拉致問題を進展させることである。 虐待が横行 北朝鮮が核開発とミサイル発射の暴走を続ける中、安倍政権は拉致問題解決の糸口を模索しているが、制裁を強める国際社会の中で日本は「抜け駆けしていると受け取られかねない」(日本政府関係者)ために、慎重にならざるを得ない状況だという。 日本政府の苦しい立 ...