北朝鮮政府は日々、国民に対して様々な布置(布告)を発している。「こうすることになったから従え、違反者は罰する」という一方的な通告だが、中には社会の現実に合っていないものもあり、最初は布告に基づいた取り締まりが行われるものの、やがて有名無実化していく。 それでも懲りずに同じ布告を出すのだが、その代表例というべきものが、国内における外貨使用禁止令だ。北朝鮮ウォンに信用がなく、使い勝手も悪いことから、少額決済でも米ドルや中国人民元が使われることが多い。それを禁じる布告が改めて下され ...

龍門大窟(リョンムンテグル)は1958年に、北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)の球場(クジャン)で発見された鍾乳洞だ。総延長は5キロに及び、様々な形の鍾乳石が点在、国の天然記念物に指定され、1996年から観光客の受け入れが始まった。 そんな鍾乳洞に、近郊の炭鉱で働く労働者のうち、貢献を認められた人々が旅行に招待されることになったが、当事者からは不満の声が上がっている。一体どういうことなのか、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 平安南道(ピョンアンナムド ...

北朝鮮の金正恩総書記は、先月の最高人民会議第14期第7回会議で施政演説で次のように述べている。 科学技術を発展させるためには研究手段と人材が準備されていなければならないので、これに常に国家的な関心を払い、この問題を解決するための実質的な対策を講じなければなりません。 つねづね強調することですが、科学研究部門では件数を満たすようなやり方を徹底的に警戒し、1年間に数件でも国の経済に実際的に寄与する完璧な科学技術上の成果を出さなければなりません。 (参考記事:金正恩氏が最高人民会議 ...

慢性的な飢餓、生活環境の劣悪さ、そして暴力――男性は7〜8年、女性は5年という長い兵役を務めるには、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の条件はあまりにも悪い。 それが殺人事件に発展することもしばしばある。北部の両江道(リャンガンド)に駐屯する第10師団では、上官が部下を殴り殺す事件が起きた。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:金正恩の"最重要行事"で隠された「男性どうし性暴力殺人」) 事件が起きたのは、両江道に駐屯する朝鮮人民軍第10軍団の267師団直属大隊だ。朝鮮人民軍 ...

北朝鮮の農民は、協同農場の収穫物を横領し、市場に売ることで現金収入を得てきた。本来、収穫物は国に収め、一定量を分配してもらう形となっていたが、これがうまく機能せず食べていけないために、そうするしかないのだ。 当局は度々、警告を発して取り締まりを強化していたが、そんな中で悲しい事件が起きてしまった。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:「カエルも食べない水草」で飢えをしのぐ北朝鮮の農民たち) 首都・平壌郊外の平城(ピョンソン)市の雲興里(ウ ...

2020年10月のある日、北朝鮮・咸鏡南道(ハムギョンナムド)の霊光(リョングァン)郡にある軍第108訓練所後方部傘下の白桔梗(ペクトラジ)農場の外で、自動小銃と機関銃で完全武装した30人余りの兵士が警備につき、物々しい空気が漂っていた。 北朝鮮の特殊機関において白桔梗は、アヘンの別名となっている。 当時、農場の敷地内では支配人の公開処刑が執行されていた。彼は農場の生産物を横領し、私利私欲を満たした罪に問われ、多くの従業員とその家族らが見守る公開裁判で死刑判決を受けた。 北朝 ...

北朝鮮北部にある両江道(リャンガンド)の中国との国境沿い地域で最近、深夜にかけて銃声が響き渡る出来事が続き、地元住民を緊張させたと、デイリーNKの現地情報筋が伝えてきた。 北朝鮮は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、国境を封鎖。中央当局は国境警備隊に対し、国境沿いの緩衝地帯に近づく対象に無条件で銃撃を加えるよう指示するなどし、実際に射殺された人も少なくない。 (参考記事:「気絶、失禁する人が続出」北朝鮮、軍人虐殺の生々しい場面) そうした事情がある上、このところ朝鮮 ...

秋の収穫期を迎えた北朝鮮。本来なら穀物価格が下がる時期のはずだが、今年に限ってはそうなっていないようだ。弾道ミサイル発射など軍事挑発を続ける金正恩総書記だが、国民は阿鼻叫喚の巷をさまよっている。 この時期には個人のトゥエギバッ(小規模農地)や協同農場からくすねたものなどが市場に流入するが、今年は例年にもまして凶作の上に、穀物泥棒の取り締まりが厳しく、思うように穀物が入荷していないようだ。 (参考記事:「カエルも食べない水草」で飢えをしのぐ北朝鮮の農民たち) そんな中、あまりの ...

北朝鮮当局が、ロシアに建設労働者として派遣した兵士らに不穏な空気があるのを察知し、監視を強化しているもようだ。 北朝鮮がロシアに派遣した労働者の数は2万人と言われているが、その一部は現に軍籍のある兵士たちだ。たとえば、首都・モスクワには朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第7総局所属の兵士らが派遣されているが、兵役期間はとっくに過ぎているのに、コロナ対策で国境を封鎖した北朝鮮政府により帰国が認められず、建設現場などで働き続けてきた。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)はウラジオスト ...

北朝鮮が、首都・平壌で進めている住宅建設プロジェクト「平壌市5万世帯住宅建設構想」の一つとして、建設が行われている和盛(ファソン)地区。その一部のタワーマンションの室内に、水タンクの設置が命じられた。それは、「ありがたいご配慮」によるものだった。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 和盛地区1万世帯住宅建設総指揮部は今月10日、地区のシンボルというべき40階建てのツインタワーマンションの11階以上の部屋のトイレ用に、3〜5トンの水タンクの置き場を作れという追加指示を下した。 ...

海外でも広く知られている北朝鮮のメディアと言えば、国営の朝鮮中央テレビ、朝鮮労働党機関紙の労働新聞などが挙げられる。いずれも金氏一家の神格化、長ったらしい思想に関する記事、「どこそこ工場で大増産に成功」といった根拠不明の経済報道など、コンテンツは無味乾燥なものばかりだ。 それ以外の北朝鮮メディアも、商品広告や、犯罪防止を目的とした吊し上げの意味合いが強い事件報道など、多少の違いはあれど、基本的な内容は朝鮮中央テレビや労働新聞とさほど変わらない。 それに慣らされた北朝鮮の人々に ...

北朝鮮の金正恩総書記は今月10、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸州(ハムジュ)郡に作られた連浦(リョンポ)温室農場の竣工式に出席した。前例のない「ミサイル乱射」と同時に「民生重視」もアピールし、国民の不安を和らげようとする意図があるのかもしれない。 同農場は、280ヘクタールの敷地に852棟の温室が立ち並び、農場員の住宅も970戸に及ぶ。キャベツ、ほうれん草、大根、きゅうり、ナス、トウガラシ、サンチュなどが栽培され、年間生産量は1680トンに達すると、米政府系ラジオ・フリー・ ...

北朝鮮北東部の羅先(ラソン)は、中国とロシアの国境に面した経済特区で、北朝鮮の地方都市の中では一二を争う豊かな町だった。 だが、2020年1月、コロナ対策として国境が封鎖され、すべての貿易がストップしたことで、羅先は奈落の底に突き落とされた。深刻な食糧難が町を襲い、食べ物が底をついた絶糧世帯が続出した。   そんな中でも例外はあるトンジュ、いわゆるニューリッチだ。飢えに苦しむ人々をよそに、狂乱のパーティを繰り広げていた彼らの子女が摘発された。現地のデイリーNK内部情 ...

北朝鮮で最近強化されている「偉大性教養」。文字通り、金正恩総書記がどれほど偉大かを教える思想教育のことだが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)がその内容と、それに対する若者たちの反応を伝えている。 平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、今年に入ってから若者たちに向けた思想教育が強化されていると伝えた。それに使われる資料だが、タイトルは「敬愛する金正恩同志をお手本として学ぶ学習会参考資料」というものだ。 資料は金日成主席(祖父)と金正日総書記(父)、そして金正恩総書記 ...

北朝鮮の国営朝鮮中央通信は10日、「国の戦争抑止力と核反撃能力を検証、判定し、敵に厳重な警告を送るための朝鮮人民軍戦術核運用部隊の軍事訓練が、9月25日から10月9日まで行われた」と、一連のミサイル発射をまとめて報じた。 これは、定例の米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を受けてのものだが、訓練に合わせて、一般国民に対して15日分の食糧を備蓄せよとの指示が下され、兵士に対しては「今すぐに戦争が起きるかもしれない」として、万全の体制を整えよとの指示が下された。 実際 ...

北朝鮮では金正恩総書記の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が旗振り役となり、「愛国Tシャツ」キャンペーンが推進されている。国旗が描かれたTシャツを国民に購入・着用させるもので、特に貧しい地方では不興を買っている。 さらには10月10日の朝鮮労働党創建日を控え、当局が新たなキャンペーンを始めたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 (参考記事:金与正氏が突然始めた「Tシャツ愛」キャンペーンに国民の反応は) 平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋が伝 ...