1990年代後半の北朝鮮を襲った大飢饉「苦難の行軍」。国の食糧配給システムが機能しなくなったことで餓死者が大量発生した。その数は数十万人とも言われる。その後、市場経済化の進展などで食糧供給は安定し、そうそう餓死者が出るような状況ではなくなった。 しかし、例外もある。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)だ。以前から食糧配給に問題があり、栄養失調にかかる兵士が続出している。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、最近になって状況がさらに悪化していると伝えた。 今月中旬、三水(サムス) ...

北朝鮮第2の都市、咸興(ハムン)で今月初め、公開裁判を行うとの布告が出された。「誰それの公開裁判を行うので、成川江(ソンチョンガン)の堤防に集合せよ」という布告に従って集まった市内の人民班長(町内会長)、沙浦(サポ)市場の商人ら。そこに引き立てられてきたのは、地元で有名なヤミ両替商の女性だった。 彼女がいかにして裁判にかけられることになったのか。現地のデイリーNK内部情報筋によると、その経緯は次のようなものだ。 50代女性のキムさんは、リュックに外貨紙幣を詰めて市内を回りなが ...

北朝鮮の首都・平壌郊外にある平壌ダチョウ牧場。40万平米の広大な敷地に110あまりのダチョウ小屋などの施設が立ち並び、数多くのダチョウが飼育されている。北朝鮮国民に食肉と卵を供給すると同時に、観光名所ともなっているのだが、ここのダチョウが大量死する事件が起きた。 牧場関係者は恐怖に怯えているということだが、一体どういうことだろうか。平壌のデイリーNK内部情報筋がその経緯を伝えている。 事件が起きたのは今月中旬のことだ。 メスだけを飼育している小屋で、一部が急に口から泡を吐き発 ...

新型コロナウイルスの拡散防止のため国家非常防疫体制が敷かれている北朝鮮で、脱北を試みて失敗した家族が銃殺される悲劇が起きたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が22日付で伝えている。 金正恩党委員長は、防疫ルールの違反者は「軍法で対処せよ」との指示を下したと伝えらえており、これまでにも自宅隔離を守らなかったり、国境封鎖を破り密かに中国へ行ってきた人々が処刑されている。 両江道(リャンガンド)の住民がRFAに語ったところでは、「今月初め、道保衛部(秘密警察)に勤務する ...

北朝鮮当局は今に至るまで、国内での新型コロナウイルス感染者の発生を公式には認めていない。しかし、今年に入ってから各地で原因不明の熱病患者が続出している。 新たに伝わってきたのは、中国と国境を接する慈江道(チャガンド)渭原(ウィウォン)郡での事例だ。現地のデイリーNK内部情報筋によると、「お菓子セット」を子どもたちに配布する職務を担っていた30代後半の女性が、発熱と貧血の症状で倒れた。 このお菓子セットは、4月15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)を記念して配られたものだ。北 ...

【平壌5月25日発朝鮮中央通信】25日付けの「労働新聞」は署名入りの論説で、総聯(朝鮮総聯)が歩んできたこれまでの65年は白頭山の不世出の偉人たちのチュチェの海外同胞運動思想と卓越した指導の偉大な勝利の歴史、限りなく崇高な同胞愛、民族愛でつづられた愛の歴史であると明らかにし、次のように指摘した。 金日成主席は、史上初めて海外同胞運動に関する独創的な思想と理論を創始し、それを在日朝鮮人運動に立派に具現して在日同胞の運命の開拓に根本的な転換をもたらした。 革命指導の初期から総聯の ...

【平壌5月25日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、在日本朝鮮人総聯合会(総聯)結成65周年に際して25日、在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会に祝電を送った。 最高人民会議常任委員会は祝電で、許宗萬議長をはじめとする全ての総聯の活動家と在日同胞に熱烈な祝賀と温かい同胞愛的あいさつを送ると指摘した。 また、朝鮮の尊厳ある海外公民団体である総聯の結成は金日成主席の独創的な海外同胞運動思想と指導の貴い結実であり、在日朝鮮人運動の強化発展と在日同胞の運命の ...

北朝鮮当局は、新型コロナウイルスの流入を防ぐために今年1月末、国境を封鎖し、貿易を停止する措置を取った。市場で売られる工業製品の9割を中国に依存していると言われている北朝鮮だけあって、貿易の停止はモノ不足、物価高騰など、経済や人々の暮らしに深刻な打撃を与えている。 そんな国民の苦境を知っているはずなのに、朝鮮労働党中央委員会政治局会議は今年4月、「国家経済と国防建設に必要な物資を優先的に輸入し、一般物品の輸入は縮小すべき」という内容の党中央委員会及び内閣の共同決定書を採択した ...

ロイターは22日、専門家の分析として「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月に続き、5月も3週間にわたり公の場に姿を見せておらず、『異例の事態』となっている」と報じた。 金正恩氏の動静を巡っては先月、「死亡説」や「重体説」が各国メディアで乱れ飛んだ。しかし5月2日、北朝鮮メディアが前日の肥料工場竣工式に金正恩氏が参加したことを伝え、騒ぎは沈静化した。だがその後、金正恩氏はまたもや雲隠れしているのだ。 ロイターは「金委員長が4月から現時点までに公の場に姿を見せたのは4回。昨年の同 ...

北朝鮮の金正恩党委員長が、すでに4週間も公開の場に現れていない。1カ月前に出回った「重体説」や「死亡説」がガセネタだったことから、今回は彼の「不在」を疑問視する向きは少ないようだ。 それにしても、北朝鮮の体制は独裁者あってのものだ。それにもかかわらず、金正恩氏が長期間にわたり動静を伏せることができるのは、それしきのことで体制は揺らがないという自信の表れだろうか。 そんな金正恩氏も執権初期には、非常に大きなコンプレックスを抱えていた時があった。脱北者で、韓国紙・東亜日報の記者で ...

韓国の政府系研究機関、統一研究院は11日、「北朝鮮人権白書2020」を公開し、北朝鮮においては依然として、恣意的かつ頻繁な死刑執行が続いており、こうした実態は国際人権規約(自由権規約)に抵触すると指摘した。その一方で、公開処刑の頻度が低下し、犯罪に対する調査過程での拷問も減少傾向がうかがえるとしている。 金正恩の「動画」 白書は、韓国入りしてから日の浅い脱北者118人を対象にした面接調査と、北朝鮮の公式文書、北朝鮮が国連人権機関に提出した報告書などを基にまとめられた。ただ、調 ...

北朝鮮の金正恩党委員長が、再び「雲隠れ」している。金正恩氏は4月11日以降、20日間にわたり公開の場に現れず、各国メディアで「死亡説」や「重体説」が取り沙汰された。今月1日に肥料工場の竣工式に参加し、健在であることが確認されたが、それ以降、またもや公開の場に出て来なくなった。 前回の「死亡説」や「重体説」が虚構であったことが判明したばかりでもあり、今回は金正恩氏の「潜航」に注意を払う向きは少ないように思える。 一方、北朝鮮国内には、金正恩氏の動静に敏感になっている人々がいる。 ...

北朝鮮の北東部、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)市で今月5日、強盗団の頭目とメンバーら6人に対する公開裁判が行われた。強盗団を率いていたのはなんと現職の検事であり、見守る人々を驚愕させたという。 デイリーNKの現地情報筋によると、検事は50代前半の男性で、ほかの5人の男性と「義兄弟」の関係を結び、過去2年間、様々な犯罪に手を染めていたという。 彼らは闇夜に紛れ、刃物を突き付けて通行人から金品を強奪する一方、違法薬物の密造・密売なども行っていた。検事は、仲間の行為が ...

北朝鮮を蝕む病弊は枚挙に暇がないが、代表的なものをふたつ挙げるとするならば、ワイロなしでは何一つ動かせない拝金主義と、横流しだ。そしてこのふたつは、根の深いところでつながっている。 かつての北朝鮮では、食料品、生活必需品から住宅に至るまで、生活に必要なほとんどのものを国からの配給で無料、または非常に安価に手に入れることができた。そのおかげで、国民は豊かではなくとも、安定した暮らしを営めた。支給される給料は小遣い銭程度のもの。それを支えていたのは、旧共産圏諸国からの援助だ。 と ...

北朝鮮レストランといえば、かつては北朝鮮の外貨稼ぎ事業の花形だった。美貌の女性従業員の歌や踊りの歓待が人気で、中国では100店舗を数え、東南アジアやロシア、オランダなどにも進出するほどだった。 ところが、国連安全保障理事会で北朝鮮労働者の新規雇用禁止、本国への送還、合弁企業新規設立、増資の禁止などを含む制裁決議が相次いで採択されたことで、店をたたむ北朝鮮レストランが続出した。その上さらに、新型コロナウイルスによる営業停止や不況が重なった。 一部の店で営業を再開したものの、経営 ...

国際社会の経済制裁に新型コロナウイルスの追い打ちがかかり、いよいよ財政のひっ迫した北朝鮮は先月、17年ぶりの公債発行に踏み切った。 デイリーNKの内部情報筋によると、金正恩党委員長は先月11日、党中央委員会政治局会議で公債の発行を承認した。発行を担当する内閣委員会は、急ぎ印刷を済ませ、15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)に朝鮮中央銀行に輸送した。 そして国の資金供給を受けている工場、企業所などに対し、20日から現金の代わりに公債を受け取るよう指示が下された。資材調達のため ...