立ち並ぶタワーマンション。きらびやかなネオン。店頭に並ぶ高級品の数々。「社会主義のショーウィンドー」とも呼ばれる北朝鮮の首都・平壌は、他の地方とは比べ物にならないほど豊かで、市民の生活レベルは中進国並みと言われてきた。 そんな平壌が最近、荒れに荒れている。 地方では、食べ物を求めて朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士が、農場や民家を襲撃するなどの犯罪が頻発している。そして長期化する経済制裁と新型コロナウイルス対策の国境閉鎖により、豊かだった平壌でも犯罪が多発するようになったと、米政府 ...

米国のバイデン政権が、北朝鮮の人権侵害に対する非難を強めている。ブリンケン国務長官が今月18日に韓国を訪問した際には、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相との会談に先立ち、「北朝鮮の体制は自国民に対して組織的かつ広範な虐待を続けている」と述べた。 人権問題で追及されることを、北朝鮮は最も嫌う。条件次第では放棄する可能性を検討できる核兵器と異なり、恐怖政治で国民を支配する北朝鮮の体制にとって、人権問題は体制の根幹に触れるものであり、交渉材料になり得ないからだ。 しかも、人権侵害には金 ...

幹部による不正行為の摘発キャンペーンを進めている北朝鮮の金正恩総書記。各地の様々な機関、工場、企業所に取り締まり班を派遣して検閲(監査)を行い、不正行為を摘発させている。 不正摘発は、普段から幹部の専横に苦しめられている庶民には受けのよい政策だ。当局は、次から次へと血祭りにあげられる幹部の様子が、コロナ対策による経済難に苦しむ庶民にとって、不満のはけ口になっているのを知っているのだろう。 (参考記事:北朝鮮税関80人、巨額の不正蓄財摘発で一部は収容所送り) 中国との国境に面し ...

北朝鮮は、他の旧共産圏同様に、労働意欲や体制の安定性を高めるために、国民に対して様々な称号を与える。中でも広く知られているのは「労力英雄」だろう。国の経済計画や増産キャンペーンで割り当てられたノルマを超過達成した者に与えられるもので、メダルとともに、第1級国家勲章、最高人民会議常任委員会の英雄証書が授与され、将来が約束される。 しかし、地位も未来もカネで買える今の北朝鮮では、一部の称号もカネ儲けの手段と化している。一例を挙げると、模範的な子どもに与えられる「金日成・金正日栄誉 ...

北朝鮮当局が犯罪を大目に見ることはない。特に、現在のような情勢下では治安維持のための見せしめとして、公開処刑にすることが多い。(参考記事:美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた) 長期化する経済制裁に新型コロナウイルス対策の国境封鎖が重なったことで、経済難のいっそうの深刻化が伝えられる北朝鮮。1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時と同様、治安悪化の様相も表れている。 だが庶民の困窮が増している一方で、一部の富裕層はやりたい放題を続けているようだ。脱北者で東亜日報 ...

北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は16日、米韓合同軍事演習を非難し南北交流協力の断絶を示唆する談話を発表した。これを受けて、北朝鮮国内では貿易などに携わる幹部の間で「世間知らずの間抜けな放言だ」とする非難の声が上がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 両江道(リャンガンド)の貿易機関のある幹部消息筋はRFAに対し、「3年前の春はもう戻らない、とする談話を読んでみたが、ものごとの前後も把握できないままやたらと放言 ...

北朝鮮の流通の中心地、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)にある市場を今月1日、内閣商業局の取り締り班が急襲した。ターゲットは、外国製品のニセモノの製造、販売をしていた業者だ。 平城は、ニセモノ製造技術が発達した地域の一つとして知られている。国家科学院平城分院など研究機関の技術者らが業者に雇われ、指導してきたためと言われている。 ニセモノ産業繁栄の「成果」として、平城の市場には鞄、靴、コートなど安価で良質な革製品が多く出回った。本物と区別できないほどの精巧さで需要 ...

慢性的な肥料不足に苦しめられる北朝鮮にとって救世主になるはずだった、平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)燐酸肥料工場。 金正恩総書記が昨年5月、その竣工式に出席したことを国営メディアが喧伝したが、実は式に合わせて外見だけ完成させたことが、デイリーNKの現地情報筋の報告で明らかになっている。 (参考記事:金正恩氏、未完成の工場で「テープカット」か…20日ぶり健在アピール) 竣工式と操業開始の順番が入れ替わるのはよくあることで、これだけでプロジェクトそのものが失敗した ...

一時期、日本のメディアで騒がれた「コロナ離婚」。ところが、厚生労働省の人口動態統計速報によると、2020年の離婚件数は19万6641組で前年比7.7%減少している。その一方で、結婚も12.7%減少した53万7583組だった。 コロナをきっかけにした離婚は全世界的な現象ではあるが、日本には必ずしも当てはまっていないということを統計は示している。韓国でも離婚、結婚とも3.9%、10.7%減少していることが、統計庁の資料が示している。 一方、「最近、離婚する人が多い」と述べた平安北 ...

北朝鮮にとって2020年は、台風の「当たり年」だった。4号(ハグピット)、8号(バービー)、9号(メイサーク)、10月(ハイシェン)の4つの台風が上陸または影響し、各地で甚大な被害が発生した。 金正恩総書記は被災地を訪れ、援助物資を送り、平壌の党員1万2000人を派遣して災害復旧、復興住宅の建設に当たらせるなど、様々な対応に出た。 黄海北道(ファンヘブクト)の銀波(ウンパ)郡は、金正恩氏が直接視察に訪れた被災地で、最も復興が進んでいても良いはずだが、そうはなっていないようだ。 ...

韓国が開発中の次期戦闘機KF-Xが、間もなくその姿を現す。 開発に取り組む韓国航空宇宙産業(KAI)は現在、6機の試作機を制作中だ。そのうちの1号機は間もなく塗装を終え、4月末までに一般公開される予定となっている。 韓国が自主開発する初の本格戦闘機であるKF-Xは、限定的ながらステルス性能を備える。韓国空軍は73年前、連絡機わずか20機をもって誕生した。他の先進国と比べ、歴史はずっと浅いのだ。そう考えれば、現状に至る発展スピードは速かったと言える。 しかしそれでも、空軍を見守 ...

北朝鮮の北部、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)と三池淵(サムジヨン)に対して今月3日、4度目となる封鎖令(ロックダウン)が下されたが、恵山の封鎖はわずか24時間で解除された。 一度は都市封鎖を命じた中央が、「餓死者が続出する」と反対を示した地元当局の意を汲んで解除に応じたのだろうか。意思決定の過程は不明だが、両者とも地元世論の悪化にかなり敏感になっていることは確かだろう。 (参考記事:ロックダウンわずか1日で解除…北朝鮮「コロナ対策」の朝令暮改) 貿易都市で各地から多く ...

昨年12月4日の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想・文化排撃法」。主なターゲットは韓流などの外国の映画、ドラマなどのエンタメコンテンツの視聴、流通と、海外のラジオの聴取だが、初の適用事例の対象は「性録画物」――つまりアダルトビデオだったようだ。 平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、摘発されたのは、新義州(シニジュ)在住の10代の男子生徒だった。「この生徒は親が留守にしている間に、密かに某有名女優が出演したAVを見ていた ...

昨年12月4日の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想・文化排撃法」。 北朝鮮当局が体制を揺るがしかねないと考える、韓流ドラマ、映画などの韓流コンテンツ、海外の映像やラジオ放送、アダルトビデオ(AV)に対する取り締まりを強化するためのもので、最高刑は死刑だ。 朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第3軍団の大佐が、自宅に韓国のドラマやバラエティ番組のファイルが保存されたUSBメモリを隠し持っていたことが発覚し、銃殺されたが、今度は民間人4人が一度に公開処刑にされた ...

米国務省が毎年発表している、世界各国の人身売買に関する報告書。国ごとの状況を4段階で評価している。アジアで最も評価の高いティア1に分類されたのは韓国、台湾、フィリピンだ。日本はタイ、インドネシアなどと並んでティア2。北朝鮮は最悪のティア3となっている。 北朝鮮に関して挙げられた項目は、8万人から12万人に達する管理所(強制収容所)の収容者に対する強制労働を含めた虐待、本人の意に反する職場配置や勤労動員、海外派遣労働者への虐待、搾取など多岐にわたるが、その一つに女性の人身売買に ...

北朝鮮の最高人民会議常任委員会が昨年12月に採択した「反動的思想・文化排撃法」は主に、韓流はじめ海外情報の流入を厳しく取り締まるのが目的と見られている。 しかし、韓国デイリーNKが入手した同法の説明資料によると、国内で制作された一部の映像作品や図書についても、視聴や所持が禁止されている。 北朝鮮の全体主義体制にとって海外の映像作品は、国民に「個人の自由」を認識させ、「こことは別の世界」への憧れを抱かせる危険なものだ。しかし人間は、自らが自由な存在であることを知るのに、必ずしも ...