徹底的な秘密主義を貫く北朝鮮では、他の国なら当たり前のように公開されている情報ですら秘密扱いとされ、下手に他人に漏らせば命取りになりかねない。 最近の例を挙げると、人民保安省内のすべての主要書類、機密文書、最高指導者に関する記録をアーカイブに保管している紀要連絡所の所長が、国勢調査の結果を妻に話したことで噂が広がり、公開処刑された件がある。 (参考記事:金正恩の極秘情報をたまたま知った「平凡な主婦」の悲惨な運命) そしてまた、「どうでもいい書類」のせいで、貴重な人命が奪われよ ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、国防科学院が前日午前、北部・慈江道(チャガンド)に位置する龍林(リョンリム)郡の都陽(トヤン)里で、新たに開発した極超音速ミサイル「火星8」型の試射を行ったと明らかにした。北朝鮮はこのところ、新型ミサイルや新たな発射方式による試射を繰り返している。 韓国軍合同参謀本部によれば、北朝鮮は28日午前6時40分ごろ朝鮮半島東の海上に向けて飛翔体を発射したと発表。飛翔体は発射直後に高度30キロまで上昇し、一定区間放物線を描いて下降した後、低高度の水平 ...

「髪の毛を売ってくれないか」 路上でいきなりそんなことを言われたら、多くの人はギョッとするだろう。しかし、北朝鮮では必ずしもそうではないようだ。人毛を使って製造するカツラは、つけまつげなどと並び、国際社会の経済制裁に抵触せずに堂々と輸出できる製品のひとつであり、海外にはかなりの需要があるようだ。 ところが、髪の毛を切って渡すだけのはずが、身ぐるみ剥がされる事件に発展してしまったと、デイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:北朝鮮の女囚を苦しめる「拷問人形」と性暴力) 事件 ...

9月24日は、北朝鮮の金正恩総書記を直接警護する護衛司令部の創立記念日だった。デイリーNKの内部情報筋によると、奇しくもその日、同司令部隷下にあった重要部門「55処」の指揮官が、金正恩総書記の指示により公開処刑されたという。 いったい何が起きたのか。 55処は、平壌・万寿台(マンスデ)にある金日成・金正日の巨大銅像の直下から、同市大城(テソン)区域の革命烈士陵まで伸びる地下トンネルを管理する部署だ。北朝鮮で「史蹟坑道」と呼ばれるこの地下トンネルには、戦争勃発などの非常事態とな ...

北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は24日と25日、韓国の文在寅大統領が国連総会での演説で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことを巡り、2日連続で談話を発表した。 北朝鮮の高官が、それも金氏一族のメンバーが2日続けて談話を出すのは極めて異例だ。 先に出た談話で金与正氏は、北朝鮮への「敵視政策」が先に撤回されるべきだと強調。韓国に対して厳しいトーンだった。しかし25日には、自身の(24日の)談話に対する韓国の反応を「注意深く見た」とし、「北南関係を一日も早く回復し、平和 ...

豆満江(トゥマンガン)を挟んで中国吉林省延辺の対岸に位置する北朝鮮の国境都市・会寧(フェリョン)にはかつて、「西太后」との異名を取った女帝が君臨していたという。中世ではなく、現代の北朝鮮での話だ。 本名をチョン・ピルスンというこの女性は、ある方法で地元の権力機関を掌握し、家族とともに贅沢三昧をしながら優雅に暮らしていた。しかしある時、当局の捜査によって不正が暴かれ、刑場の露と消えた。 その経緯を、韓国紙・東亜日報記者で、脱北者出身のチュ・ソンハ氏が自身のブログで伝えている。チ ...

6月末の朝鮮労働党政治局拡大会議で崔相建(チェ・サンゴン)党書記兼科学教育部長が失脚させられたことを巡り、北朝鮮の一部の幹部たちの間で、上層部に対する不満が渦巻いているという。 同会議の途中で退席させられた崔氏はその後、一度も公開の場で姿が確認されていない。 北朝鮮において、会議の途中での退席は多くの場合、逮捕・拘束を意味する。その後に待ち受けているのは残虐な公開処刑や、生きて出ることの難しい管理所(政治犯収容所)送りだ。 (参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮当局が最近、違法薬物と「性不良行為」を体制の脅威となる「悪性腫瘍」とみなし、撲滅に向けた全面戦争を繰り広げているという。 RFAの取材に応じた平安北道(ピョンアンブクト)のある住民によれば、「今回の薬物乱用と性不良行為に対する取り締まりは、国家保衛省(秘密警察)の主導で今年1月から全国的な規模で実施されている」という。 またこの住民は、「これまでと異なり、布告文や指示文を通じて一般住民に警告する手順を省略し、不意に現場 ...

北朝鮮の国営メディアは今まで、各地の幼稚園で行われている英才教育について報じてきた。ここで、平壌の蒼光(チャングァン)幼稚園について報じた朝鮮中央通信の記事を紹介しよう。 【平壌9月3日発朝鮮中央通信】朝鮮で、就学前教育が先進的に発展している。 蒼光幼稚園は、国の幼稚園教育部門で先んじている単位の一つである。 人民教員であるチョン・チャンスク園長によると、幼稚園では子どもの生まれつきの才能を把握し、素質によって教育することを原則としている。 幼稚園の教養員は、有能な大学卒業生 ...

北朝鮮の国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長は20日、韓国が試射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)について、「自慢用」にしかならない「出来損ないの兵器」であるとの分析を発表した。 韓国は15日、文在寅大統領立会いのもと、SLBMの発射実験に成功したと発表した。韓国は「世界で7番目のSLBM保有国」としているが、同国に先立ち、北朝鮮も発射実験に成功している。 北朝鮮の主張のポイントは、韓国が発射したのは比較的小型の短距離戦術ミサイルと同等のものであり、より大型の弾道ミ ...

かつては犯罪とは無縁とさえ言われたこともあった、北朝鮮社会。しかし、市場経済化の伸展に伴い貧富の差が拡大、金持ちを狙った犯罪が増えていると伝えられている。2018年には平壌の外貨商店支配人の孫娘を誘拐し、2万ドル(当時のレートで約227万3000円)の身代金を要求する事件が起きている。 もっとも、このような事件は例外中の例外で、犯罪と言っても窃盗がほとんどだったようだ。ところが昨今の経済難の影響で、凶悪事件が増加している。先月には平安南道(ピョンアンナムド)だけで、児童を狙っ ...

少なくない脱北者の証言によれば、北朝鮮ではそもそも性暴力の概念が希薄で、セクハラやストーカー行為に対応する法律も存在しない。また、性暴力防止のための教育も行われておらず、被害に遭う女性が後を絶たない。 中でも、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部では、男性の上官が優越的地位を利用して、女性の部下に対して性暴力を加える事件が多発していると言われているが、「やられたのは女性の落ち度」だとする風潮が未だに根強く、表沙汰になるのは氷山の一角だ。。 (参考記事:北朝鮮「突撃隊」で性暴力の餌食にな ...

今月9日の建国記念日に、北朝鮮の首都・平壌の金日成広場で開かれた軍事パレード(閲兵式)と舞踏会の参加者が、自家隔離を強いられている件はデイリーNKジャパンでも既報の通りだ。 参加者はいずれもマスクをしておらず、新型コロナウイルスのクラスターが発生するのではないかとの指摘がなされていたが、その懸念が的中した。 (参考記事:「ノーマスクの軍事パレード」の北朝鮮でクラスター発生か) 平壌のデイリーNK内部情報筋は、軍事パレードに参加した民防衛大学の3〜40代の男女学生16人が高熱、 ...

北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会(中央党)と、全国13の道、特別市、直轄市の党委員会(道党、市党)の組織指導部には「6課」と呼ばれる部署がある。かつては「5課」と呼ばれ、いわゆる「喜び組」など金正恩総書記の身辺の世話をする要員の選抜・管理を行ってきたが、任務はそれだけではない。 成分(身分)や思想が良好とされる特権階層に、結婚相手を紹介する役割も担っているのだ。 その対象となるのは、新旧の最高幹部や、かつて金日成主席と共に抗日パルチザン活動を行ったとされる「赤い貴族」の子息、朝鮮 ...

北朝鮮の各地で、韓流取り締まりの嵐が吹き荒れている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)では、韓国映画「工作 黒金星と呼ばれた男」や、日本でも人気を集めた「愛の不時着」のモノマネをした若者が公開裁判にかけられたと伝えたが、同じ道内の鏡城(キョンソン)郡では、K-POPのCDの貸し借りを巡って、前途有望な若者が自ら命を絶つという悲劇が起きた。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:「愛の不時着」モノマネした罪で8人を逮捕) 鏡城郡の社会主義愛国青年同盟の若者 ...

加藤勝信官房長官は16日の会見で、北朝鮮が前日に発射した弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことについて「わが国の安全に対する深刻な脅威だ」と述べた。 確かにその通りだ。だが、今回の発射が示した脅威はそれだけではない。北朝鮮のミサイル発射直後、当初はEEZ外に落下したと発表されていた。北朝鮮版イスカンデルと呼ばれるミサイル特有の変則軌道により、落下が困難だっただめだ。落下地点の予測が困難なら、それだけ迎撃も難しくなる。 さらに、ミサイルが列車から発射された ...