「早く開けろ」金正恩がいら立つ”新設ホテル”の悲惨な実状
しかし今回の試験ツアーがRFA報道の通りだった場合、華やかな施設を建設するだけでは解決できない北朝鮮観光の弱点が浮き彫りになった形だ。ホテルの電力や給湯、通信、交通、飲食といった基礎的なサービスは、外国人旅行者がリゾートに期待する水準を左右する。
丹東の消息筋は、元山葛麻を紹介する「立派な広告はすべて演出だった」との批判が中国人の間で広がっていると指摘。今回の試験観光は「北朝鮮観光の現実を中国人にそのまま見せた事例になった」と述べたという。
北朝鮮観光を巡っては新型コロナウイルス流行以前から、高額な旅行費用に加え、自由な移動や撮影、通信などへの厳しい制約が問題視されてきた。今回のトラブルは、元山葛麻という新たな大型観光地を整備しても、こうした構造的な問題が解消されなければ外国人観光客を継続的に呼び込むことは難しい可能性を示している。
(参考記事:中国人客が卒倒した、北朝鮮ウェイトレス「密室サービス」の過激度)
一方、RFAの報道は中国国内の匿名の消息筋に基づいており、ツアーを実施した旅行会社の名称や参加者の証言などは明らかにされていない。停電や追加費用、集団的な補償要求などについて独立した確認は取れておらず、報道内容についてはこの点に留意する必要がある。