北朝鮮は慢性的な電力難の状態にあるが、最近の一時期は改善の兆しも見えていた。しかし国際社会の制裁が長引くにつれ、各地から電力事情の悪化が伝えられている。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、首都・平壌郊外の流通の拠点、平城(ピョンソン)の電力事情を伝えた。現地では朝に1時間、夜に2時間、合わせて1日3時間だけ電気が供給されており、朝は電気が来ないこともしばしばある。 (参考記事:「金正恩印」のお菓子作りに失敗した5人の悲惨な運命) これが今後、さらに悪化す ...

北朝鮮と中国当局が最近、脱北者を摘発するためにスパイを活用しているとの情報が出てきた。 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は2日、複数の消息筋の話に基づき、中国国内に潜伏する脱北者と彼らを手引きしたブローカーを探し出すため、協力を強化していると伝えた。それによると、北朝鮮当局の指図を受けた北朝鮮人が、国境を越える人々のグループに浸透して脱北者とブローカーのネットワークを把握し、中国当局が一網打尽にする事例が増えているという。 先月末には9歳の女児を含む7人の脱北者が中 ...

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党中央委員会第1副部長について、各方面で異変説が指摘されている。 まず、米ニュースサイトのビジネスインサイダー(英字版)が2019年4月16日付で、金与正氏が北朝鮮の権力中枢から遠ざけられた可能性を指摘した。たしかに金与正氏は、4月11日の最高人民会議第14期第1回会議に代議員として参加したが、公式の場で姿が確認されたのはこれが最後だ。北朝鮮メディアが公開した政治局委員33人の団体写真にも写っておらず、故金日成主席の ...

先月22日に北朝鮮の黄海北道(ファンヘブクト)で起きた交通事故は、中国人観光客ら36人が死亡する大惨事となった。事故の原因については、当時降っていた大雨の影響が指摘されているが、その一方では間接的に経済制裁が影響したのではないかとの声も上がっている。 北朝鮮事情に精通した中国の消息筋は、中国の北朝鮮専門旅行会社の担当者の話として、事故の原因はドライバーの惰性運転と、運転ミスにあると伝えた。 自動車を運転するときに、下り坂などでギアをニュートラルに入れ、エンジンを完全に切ると、 ...

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が最近、党統一戦線部の思想検閲を実施するよう、党組織指導部に指示を下したと、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。対米・対韓国外交で所期の目的を達成できなかったことに対する批判と懲罰を通じ、統一戦線部の思想を検閲するよう命じたという。 情報筋によれば、金正恩氏は今月10日、組織指導部に対し、直接指示を出したという。金正恩氏は、統一戦線部の幹部と実務スタッフたちが米国の戦略を見誤ったためにベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が決裂したと指摘。特に、統一 ...

恐怖政治、再び(5) デイリーNKの内部情報筋や米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えるところによると、北朝鮮当局は、しばらく控えていた公開処刑を今年に入り再開したものと見られる。 これまでに処刑が伝えられているのは、薬物密売人や占い師など、いわゆる「非社会主義的行為」を行ったとみなされた人々だ。金正恩氏は、これらの行為に加え売買春、賭博、韓流コンテンツの流入・流布などを厳しく取り締まる姿勢を見せてきた。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅す ...

恐怖政治、再び(3) 北朝鮮当局が、ひところ手控えていた公開処刑を再開している。背景として気になるのは、国際社会からの制裁によって深刻化している経済難だ。 北朝鮮の社会主義経済システムが崩壊した1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時代、北朝鮮社会は経済難により秩序が悪化。当局はこれを恐怖で抑止すべく極刑で臨み、窃盗犯なども次々に銃殺した。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態) では、最近の北朝鮮はどうか。内部の情報筋からは、やはり治安の悪 ...

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、今月15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)に合わせ、北朝鮮当局は先月末までに子どもたちに「お菓子セット」をプレゼントすることにしていた。ところが、道内の粛川(スクチョン)、文徳(ムンドク)、寧遠(ニョンウォン)など一部地域では、期日までにお菓子の生産ができなかった。 これは、金王朝の始祖である金日成氏、そして現在の最高指導者である金正恩党委員長の権威を傷つける重大な過誤だ。北朝鮮では、万死に値する重罪である。 ( ...

タバコを指に挟んで現地指導 2014年4月。2年前の同時期の写真と比べると顔の太り具合だけでなく、髪型にも変化が見られる。また眉毛も短くしている。 2014年7月。タバコを指に挟みながら朝鮮人民軍訓練を現地指導する金正恩氏。1年前の写真と比べるとその差は歴然としている。 ヘア・スタイルにも変化が… 2014年11月。この頃になるとこの体型で落ち着きつつある。 2015年2月。ヘアスタイルにまたもや変化があった。米CNNは「角刈り風のシビアなスタイルへと一新」したと報道した。 ...

体重増加は明らか 2013年12月14日。張成沢氏の処刑を報じた翌日の労働新聞に掲載された現地指導の様子。外叔父を処刑した直後にも関わらず、笑みを浮かべている。 2014年2月。児童施設を訪れ、子どもたちと戯れる金正恩氏。泣いている子どもを抱きかかえてあやしているようだ。 (関連記事:【写真】金正恩氏のヘア・スタイルの変化)

叔父の処刑直後に笑み 2013年10月、「美林乗馬クラブ」を視察した金正恩氏。いつもと違って前髪を垂らしている。 2013年12月8日。朝鮮労働党政治局拡大会議に出席した金正恩氏。この会議で張成沢氏の解任が決定されたせいか、表情がこわばっている。 (関連記事:【写真】体重増加の金正恩氏)

徐々に太り始める金正恩氏 2012年9月、李雪主夫人と平壌大同江タイル工場を現地視察。体型、とりわけあご周りや首回り、そして髪型もスッキリしている。 2013年7月。同年27日に開かれた「祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利60周年記念閲兵式」に出席した金正恩氏。前年に比べると、少し太り始めたようだ。 (関連記事:【写真】叔父の処刑直後、笑う金正恩氏)

2011年10月、金正日氏が死去する2カ月前、親子で訪問した「大同江スッポン養殖工場」での一枚だ。同工場は、今年5月に金正恩氏が視察した際に激怒した工場として知られている。 2012年の太陽節(金日成氏の生誕記念日)を前にして公開された写真。髪型やストライプのネクタイなど、明らかに故金日成氏のスタイルを踏襲しているのがわかる。 (参考記事:【写真】徐々に太り始める金正恩氏)

北朝鮮の朝鮮労働党は10日、党中央委員会第7期第4回総会を開催し、国際社会の経済制裁に自力更生で対抗する方針を打ち出した。朝鮮中央通信が伝えた。 総会では、金正恩党委員長が報告を行い「最近行われた朝米首脳会談の基本趣旨と党の立場について明らかにし、わが国の条件と実情に合い、われわれの力と技術、資源に依拠した自立的民族経済に基づいて自力更生の旗印高く社会主義建設をいっそう力強く前進させていくことで、制裁によってわれわれを屈服させられるとして血眼になって誤った判断をする敵対勢力に ...

先月27日、北朝鮮の平壌で「朝鮮人民軍第5回中隊長、中隊政治指導員大会」が開催された。金正恩党委員長も大会に参加し、「現在の革命情勢は、これまでのいずれの時期よりも人民の軍隊の軍事力強化を求めている」などと述べるなど、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対する期待を示した。 しかし、今の北朝鮮軍はこうした期待に応えられるような「立派な軍隊」ではない。軍紀はすでに乱れきっており、上官が一種のワイロとして女性兵士に「性上納」を強要することも横行している。 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マ ...

北朝鮮と韓国の南北共同連絡事務所に1日、北朝鮮側の所長代理を務めるキム・グァンソン祖国平和統一委員会部長が復帰した。北朝鮮は先月22日、連絡事務所から一方的に撤収して韓国を慌てさせた。その後、北朝鮮は徐々に人員を復帰させ、業務を正常に行うまでになっているもようだ。 しかし、これで韓国が安心できるわけではない。韓国軍は1日、朝鮮戦争の激戦地だった南北非武装地帯(DMZ)の「矢じり高地」(江原道・鉄原)で、戦死者の遺骨の発掘に着手した。本来、この発掘事業は、北朝鮮と韓国が共同で行 ...