トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩党委員長との2回目の首脳会談が、5日後に迫っている。日米韓のメディアの中には、トランプ氏が今回の会談で、制裁緩和に応じるなど北朝鮮に妥協する可能性があるとする分析が見られる。そうなれば金正恩氏にとっては儲けものだが、中長期的に見れば、それが北朝鮮の体制にとっての「『終わり』の始まり」になる可能性もある。 金正恩体制は、恐怖政治で国民の動向を統制し、社会主義の体裁を取り繕っている。 (参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美 ...

北朝鮮の主要メディアである労働新聞と民主朝鮮、朝鮮中央通信は19日、揃って日本を非難する論評を出した。金正恩党委員長が米韓との対話に舵を切って以来、北朝鮮メディアが非難する対象は日本と韓国の保守派ぐらいになっている。 (参考記事:【写真】北朝鮮、韓国「美人すぎる野党議員」を猛批判…「親日派を除去せよ」) それにしても、3メディアが一斉に日本を非難するのは初めてのことではないが、対日攻勢は強まっていると言える。特に朝鮮中央通信は次のように述べ、日本の今後に対する警戒感を露わにし ...

韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は18日に公開された月刊誌・新東亜(インターネット版)のインタビューで、昨年11月に消息を絶ったチョ・ソンギル駐イタリア北朝鮮代理大使の娘が本国に強制送還されたもようだと伝えた。 チョ氏は現在、妻とともにイタリア情報当局の保護を受けており、米国亡命を希望して待機中だという。太永浩氏によれば、現在高校生の娘は両親とともにイタリアで暮らしていたが、何らかの手違いがあり、いっしょに脱出できなかったもようだ。 韓国在住の他の脱北者はこ ...

北朝鮮の国会にあたる最高人民会議の代議員選挙が、来月10日に行われる。選挙と言っても、極めて形式的なものに過ぎない。選挙期間になると、町のあちこちに貼り出されるのは候補者のポスターではなく、「全員が賛成投票しよう!」という奇異なものだ。 投票は、候補者の名前がスタンプで押された投票用紙を投票箱に入れるだけだ。反対票を投じるなら用紙にバツ印を書いて投票するが、そんなことをしたらどうなるかは火を見るより明らかだ。下手をすれば公開処刑もありうる。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なく ...

今月5日に旧正月を迎えた北朝鮮で、オルム(氷=覚せい剤を表す符丁)と呼ばれる覚せい剤の値段が高騰しているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、覚せい剤を買い求める人が多すぎて売り切れ状態になったためだという。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち ) 違法薬物、とりわけ覚せい剤の蔓延は北朝鮮社会が抱える深刻な問題の一つだ。北朝鮮で麻薬や覚せい剤は国家機関の主導で製造され中国や日本に密輸された。ところが、各国当局の ...

北朝鮮の恵山(ヘサン)市で今月3日、大規模な住民暴露会が開かれ、14歳の中学生を含む17人が吊るし上げられたと、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。彼らが問われた罪は、韓流ドラマや映画をこっそり視聴し、映像ソフトを流布したというものだ。北朝鮮当局はこれまで、拷問などの手段も動員しながら韓流の拡散を取り締まってきた。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…]) 最近でこそ、そのような極端な手段を用いることは減っているとされるが、依然として韓流を目の敵にし ...

社会主義ではなく「拝金主義」に国の根幹を占められつつある北朝鮮。「ワイロさえ払えば何でもできる」という腐敗ぶりに対し、金正恩党委員長が大鉈(おおなた)を奮っている。 北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)では、大規模な検閲(査察)が行われている。それもかつてないほどの規模で長期間に渡っているとのことだ。 平安北道のデイリーNK内部情報筋によると、朝鮮労働党の検閲委員会は昨年12月20日から、税関など国の機関、工場、企業所などに対して非常に厳しい検閲を行っている。 検閲委員会とは ...

昨年、金正恩党委員長が米韓との対話路線に舵を切って以来、北朝鮮メディアは日本に対して集中的に非難を浴びせてきた。 (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由) それがこのところは、韓国の軍備増強や、保守派の動きにナーバスな反応を示していた。 (参考記事:【写真】北朝鮮、韓国「美人すぎる野党議員」を猛批判…「親日派を除去せよ」) しかしここへ来て、またもや日本への非難を強めている。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は11日、「独島(竹島)を強奪しよう ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は13日、このところ険悪化している日韓関係の改善を訴える韓国の保守系議員らを「醜悪な親日逆賊」と非難する論評を配信した。 北朝鮮は、対話の相手である韓国の文在寅政権に対しては、時にブチ切れて見せるものの、基本的には蜜月と言える関係にある。しかし、北の独裁体制を容認しない自由韓国党など保守勢力は目の敵にしており、北朝鮮メディアが最も口汚く攻撃するのも彼らだ。 (参考記事:【写真】元人気女子アナが韓国政府を猛批判「北が敵じゃないって…」) 今回の論評が真っ ...

北朝鮮で先月、建てたばかりの住宅が同時多発的に崩壊する事故が起きた。幸いにして死者は出なかったものの、地域住民は戦々恐々としている。 手抜き工事が原因と見られるが、北朝鮮ではこうした事故が繰り返し起きている。2014年5月、平壌では完成したばかりの23階建ての高層マンションが崩壊し、住民や工事関係者など最大で500人が犠牲になる大惨事が起きている。こうした事実を知る住民らの恐怖はハンパではないだろう。 (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンショ ...

問われるのは「独自の力」 昨年6月に続き2回目となる米朝首脳会談が、27~28日にベトナムで開催される。ここで米朝が何らかの合意に達し、米国が北朝鮮の非核化を待たずに制裁緩和を認めた場合、「制裁の旗を振ってきた日本は、孤立してしまうのではないか」との懸念が一部で出ている。 少し前には、対北融和になる韓国に対する「パッシング(素通り)」が指摘されていた。 (参考記事:日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開) 「最弱」の北朝鮮軍 それが気付いてみたら、素通りされていたのは日本 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、韓国が南北対話を進める一方で軍備を増強していることについて「二重的振る舞いは許されない」とする論評を配信した。この問題を巡っては、すでに他の主要メディアも「(韓国が)下心をさらけ出した」(労働新聞6日付)、「破局的結果について熟考すべき」(民主朝鮮7日付)などとする論評を掲載している。北朝鮮はどうやら、「非核化後」の北東アジアにおける軍事バランスを痛く気にしているようだ。 (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は ...

戦中の日本では、様々な日用品を「慰問袋」と呼ばれる袋に詰めて、戦地に出征した兵士あてに送っていた。新聞社がキャンペーンを行い、食品会社が販促活動の一環として利用するものだったが、戦争が激化するにつれ強制性が高まっていった。慰問袋とは別に、コメ、金属、家で飼っていたペットの供出も行われた。 当時、日本の植民地支配下にあった朝鮮でも同様のことが行われていたのだが、その名残だろうか。北朝鮮当局は、国家的建設事業に従事する労働者に送る支援物資と称して、国民から半強制的に様々な物品を徴 ...

来月10日の最高人民会議(国会に相当)代議員選挙を控え、北朝鮮では軍の各部隊に保衛司令部の検閲部隊が派遣され、選挙期間中の不法行為の取り締まりに乗り出していると、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。 保衛司令部は、いわば軍内の秘密警察だ。一般社会の監視を担当する国家保衛省と並ぶ、泣く子も黙る存在である。かつて、保衛司令部はその残忍な公開処刑の手法により、国家保衛省にも増して国民から恐れられていた時代があった。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々 ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は6日、韓国政府が軍事費を大幅に増額していることについて「同族と力で対決しようとする下心をさらけ出した」と非難する論評を掲載した。蜜月にも見える南北関係だが、互いの友好姿勢はあくまで「条件付き」であり、ここで改めて北朝鮮のホンネが出た形と言える。 (参考記事:「韓国は正気なのか!?」文在寅政権に北朝鮮から非難 ) 韓国軍の悩み 韓国国防省が11日に発表した「2019―2023国防中期計画」によれば、向こう5年間の軍事は総額270兆7000億ウ ...

米国のトランプ大統領は5日夜(現地時間)に行った一般教書演説で、2回目の米朝首脳会談を今月27日と28日にベトナムで開催することを明らかにした。開催地がベトナムのどこになるかは明らかにされていないが、同国中部のリゾートであるダナンが有力だという。この情報が正しいとしたら、会場はどこになるのだろうか。 ベトナム戦争で激突した米朝 ベトナム在住の情報筋によると、首脳会談の場所は「アリヤナ・コンベンションセンター(Ariyana Danang Exhibition & Co ...