両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、道内の三水(サムス)発電所で、ダム壁の隙間から水漏れが起き、発電できなくなってしまった。ダム壁はコンクリートではなく、砂利と小石を積み上げただけのもので、少しの亀裂がダムの崩壊に繋がりかねない。 こうした問題の原因は、質より工期を重要視し、人命被害すら気にかけない北朝鮮版やっつけ仕事「速度戦」にあると思われる。 (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図) たとえば、北朝鮮史上最大のプロジェクトとなる端川 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日、同国の朝鮮赤十字会中央委員会が「近年、遭難したわが船員たちが無事に帰国できるように数回にわたって人道的援助を提供した日本当局に当該のルートを通じて謝意を表した」と伝えた。 実の妹の「役割」 北朝鮮が、日本への謝意表明を国営メディアで明らかにするのは極めて異例だ。 北朝鮮メディアのこうした変化は金正恩政権ならではのものと言える。金正恩氏は、メディア戦略に相当に力を入れている。父親の金正日総書記は、自らの「神秘性」を守ることを重視していたのか、自国 ...

日韓の「レーダー照射問題」が混迷の度を深めている。さらには他の歴史問題も重なり、日韓関係は改善の糸口さえ見えない。 韓国紙・世界日報の軍事専門記者であるパク・スチャン氏が同紙1日付(インターネット版)で、険悪な日韓関係を巡り、「一部には、世界各国の軍事力レベルを分析するグローバルファイヤーパワー(GFP)が昨年『2018年 潜在的な戦争遂行能力』で韓国を136の評価対象国のうち7位、日本を8位としたことを根拠に、韓国の軍事力が強いと主張する向きがある」と指摘。 北朝鮮の方が「 ...

北朝鮮当局はこれまで、外貨獲得のために様々な「危ないモノ」を密かに輸出してきた。代表的なのが、兵器だ。 北朝鮮は第4次中東戦争に空軍を派兵したり、アフリカに軍事顧問団を送ったりしながら、紛争当事国との関係を強化。そうしたつながりから、多種多様な兵器を輸出してきたのだ。 (参考記事:第4次中東戦争が勃発、北朝鮮空軍とイスラエルF4戦闘機の死闘) 覚せい剤もまた、主な密輸品のひとつだった。北朝鮮の特殊機関が日本の暴力団と手を結び、覚せい剤を日本国内に送り込んでいたことはつとに知ら ...

韓国紙・朝鮮日報は先月末、北朝鮮の代表的な米国通と知られていた韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官の失脚が確認されたと伝えた。韓国統一省が最近発行した「2019北朝鮮人名録」から、韓成烈氏の名前が消えており、これについて韓国政府の消息筋が「昨年下半期に、韓成烈氏の身辺に異常があったという情報を関係機関から伝えられ、これを反映した」と説明したという。 おぞましい実態 同紙はこれを巡り、「韓成烈の失脚を連座という観点から分析する見方もある」と伝えた。 韓国に亡命した太永浩(テ・ヨン ...

「北朝鮮には数多くのコンビニが存在する」と言えば、驚く向きが少なくないのではないだろうか。 市場経済化が進む北朝鮮では、国営企業がファングムポル(黄金原)商店というチェーン店形式のコンビニを展開する一方で、個人が国営企業の名義と路上のプレハブを借りて営業するものもあれば、自宅の一部を改造して開業する「家売台」(チンメデ)に至るまで、様々な形の「コンビニ」が存在する。 (参考記事:北朝鮮で新手の商店「家売台」が大人気 「コンビニ」のように24時間営業) そんなコンビニが教化所( ...

北朝鮮「アブナイ男女の文化」(4) 日本国内で、たとえば芸能人などが薬物乱用で摘発される際には、かなりの割合で「男女関係」が絡んでいる。そして、こうした分野に強いジャーナリストによれば、「男女間の快楽目的で薬物を使用する人ほど、使うのを止めるのは難しい」という。 これは、覚せい剤汚染が深刻な北朝鮮においても同様だ。 (参考記事:家庭も平気で破壊する「アレに狂った主婦たち」の暴走) 米紙ワシントン・ポストは2017年11月17日、様々な年齢と職業の男女25人から聞き取りを行った ...

北朝鮮「アブナイ男女の文化」(3) 北朝鮮の金正恩党委員長が、売買春の横行など国内の「乱れる性」に神経をとがらせている様子は、彼が自らサインした内部文書からも読み取ることができる。 脱北者で平壌中枢の人事情報に精通する李潤傑(イ・ユンゴル)北朝鮮戦略情報センター代表は、2016年9月9日に出された金正恩氏の「チンピル」指示書を入手した。「チンピル」とは、漢字で書くと「親筆」となり、金正恩氏が直接決裁のサインを書いたという意味だ。 権力者の「やりたい放題」 指示書のタイトルは、 ...

北朝鮮で横行している女性の人身売買。女性を騙して中国に脱北させ風俗業に従事させたり、結婚相手がいない中国人に売り払ったりするのが一般的な手法だ。当局は厳しく対応しているものの、一向に後を絶たない。 (参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち) 両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、今月18日に恵山(ヘサン)市内にある両江道裁判所の前で、公開裁判が行われた。被告6人のうちの1人、40代のパク被告は有名な脱北ブローカーだった。 パク被告は、脱北幇助 ...

北朝鮮「アブナイ男女の文化」(2) 北朝鮮の金正恩党委員長は、2017年12月23日の朝鮮労働党第5回細胞委員長大会で演説した。 「非社会主義的現象の根絶」を訴えた。非社会主義現象とは、文字通り北朝鮮が標榜する社会主義の気風を乱すあらゆる行為を指す。 たとえば賭博、売買春、違法薬物の密売や乱用、韓国など外国のドラマ・映画・音楽の視聴、ヤミ金融、宗教を含む迷信などなどだ。もちろん、その他の刑事事犯も含まれる。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮 ...

北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)に大量のコメを送った韓国在住の脱北者に、実刑判決が下った。脱北者の置かれた立場や朝鮮半島情勢の現実を無視し、杓子定規に法を適用した誤った判決と言える。 (参考記事:「自由」の夢やぶれ韓国でも性的搾取…脱北女性の厳しい現実) 韓国の通信社ニュース1によると、ソウル近郊に住む脱北者の女性A被告(51)は2016年12月、金正恩党委員長の誕生日(1月8日)に合わせてコメ65トンを、ブローカーを通じて両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)税関に送った。 ...

北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の企業所に務めるAさんは、念願叶って朝鮮労働党への入党が認められた。ところが、その見返りとしてとんでもない要求を突きつけられたAさんは喜びも吹き飛び、当惑しきっている。 これは、平安北道新義州(シニジュ)の内部情報筋が、知人であるAさん本人から打ち明けられた話だ。 昨年12月中旬、朝鮮労働党の党員証授与式が行われた。党の規約によると、入党するには入党請願書と党員2人の入党保証書を提出。審査で認められれば見習いにあたる候補党員となり、問題がな ...

新年から北朝鮮全域で行われている「堆肥戦闘」。化学肥料の不足を補うため、国民総出で堆肥作りに励むというものだが、ここに動員された人々の弁当の中身から、同国における食生活レベルの部分的な改善を読み取ることができると、デイリーNKの現地情報筋が27日に伝えてきた。 1990年代の大飢饉「苦難の行軍」で数十万単位の餓死者を出したころと比べ、北朝鮮の食糧事情は大きく改善しているもようだ。 (参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶) この日 ...

北朝鮮の鉄道は、時間はかかるものの概ね時刻表通りに運行されていたのだが、1990年代半ばの食糧危機「苦難の行軍」の頃からまともに運行されなくなってしまった。それがようやく回復しつつあると、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 乗客の悲劇 RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「最近の鉄道の運行状況は『苦難の行軍』以前にほぼ戻りつつある」として、北朝鮮の最新鉄道事情について解説している。 例えば、咸鏡北道の清津(チョンジン)から首都・平壌までは、東海 ...

北朝鮮の金正恩党委員長は昨年、路面電車とトロリーバスの車両を製造する工場を視察した。新型車両に試乗し乗り心地を評価すると同時に、このような真情を吐露している。 「わが人民が古びた大衆交通手段に不便を感じる一方で、通りにタクシーがますます増えるのを見るたびに心が重かったが、今や展望が明るくなった、本当に満足だ」 しかし実際のところ、平壌市内を走るタクシーの裏には金正恩氏の「美人妻利権」が隠れていると言われる。 (参考記事:金正恩氏「美貌の妻」の「元カレ写真」で殺された北朝鮮の芸 ...

米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は21日、北朝鮮北西部の新五里(シノリ)に、中距離弾道ミサイル「ノドン1号」が配備されている「未公表のミサイル基地」があるとする報告書を発表した。報告書で示された推定によれば、基地には戦略ロケット軍ノドン旅団の司令部が置かれ、朝鮮半島全域と日本の大半に位置する標的に対して核弾頭または通常弾頭による先制攻撃を行う任務を与えられているという。 CSISは昨年11月の報告書で、北朝鮮国内に未申告のミサイル基地が約20カ所あり、うち13 ...