北朝鮮メディアがまたもや、日本の軍備増強に批判の矛先を向けている。しかしこの間、いろいろと難癖を付けすぎて「ネタ枯れ」したのか、今回はかなり強引な論法になっている。 同国の内閣などの機関紙・民主朝鮮は26日、日本が中国の脅威を口実に軍事大国化に向かっていると非難する論評を掲載した。その中で、次のようなことを言っている。 「事実上、日本の軍事力は世界的に先進国の隊列に堂々と入ったと言っても過言ではない」 一見、日本の「強さ」を認めているかのような表現だが、これは一種の「ホメ殺し ...

英国団体が実態報告書(上) 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、英国の対北朝鮮人権団体「コリア未来戦略」が新たな「性奴隷」報告書を発表したと伝えた。今月8日の国際女性デーに合わせて出されたこの報告書には、中国で過酷な状況に置かれた脱北女性の実態が生々しく記されている。 中国で売春は違法だが、多くの北朝鮮女性たちが売春に従事させられていることは今回の報告書だけでなく、数多くの調査や取材によって明らかになっている。彼女たちの多くは、人身売買ブローカーによって売られた人々 ...

厳しい情報統制が敷かれている北朝鮮においても、ハノイでの米朝首脳会談が「惨めな失敗に終わった」との情報は、すでにかなりの範囲で国民に共有されている。北朝鮮当局としては、それを放置しておくわけにはいかない。 同国においては、最高指導者の名誉や権威をき損する行為は重罪とされているからだ。 (参考記事: 金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命) 北朝鮮当局は今回、国民の「毒舌」をけん制して金正恩党委員長の権威を守るために、「生活総和」を武器にしているよう ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の「国家科学院」が、覚せい剤など違法薬物の原材料や製造機器を、密造業者に販売しているとの疑惑が持ち上がっているという。 国家科学院は、平壌市の恩情(ウンジョン)区域に位置する北朝鮮内閣所属のれっきとした中央行政機関だ。昨年1月には金正恩党委員長も現地指導した、格式の高い機関である。そのような重要機関が製造に関与している可能性はあるのだろうか。 北朝鮮はかつて、麻薬や覚せい剤を国家機関の主導で製造し、日本などに密輸してい ...

北朝鮮の平壌で6、7の両日、朝鮮労働党の第2回党初級宣伝活動家大会が行われた。初級宣伝活動家とは、行政機関や工場など末端の職場単位で置かれた党組織で、思想教育やプロパガンダを担当する人々だ。 金正恩党委員長はこの大会に「斬新な宣伝・鼓舞によって革命の前進原動力を倍加していこう」というタイトルの書簡を送っているのだが、その中に、実に衝撃的な内容が含まれている。何と、父である故金正日総書記を、婉曲な表現ながらも否定しているのだ。 強烈な皮肉 金正恩氏は、父の「異常な女性遍歴」を忌 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は11日、海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化は「軍事大国化と海外膨張野望の明確な発露」であると非難する論評を配信した。 北朝鮮メディアはこれまで、再三にわたり「いずも」の空母化に言及している。 (参考記事:「世界は日本を警戒すべき」…北朝鮮が「いずも」空母化に猛反発する理由) 今回、同通信が配信した論評はまず、「先日、首相の安倍が衆議院の公開席上に現れて海上『自衛隊』の護衛艦いずもの空母化に関連して『いずもは空母に該当するものではない』と図々しく言い ...

【平壌3月12日発朝鮮中央通信】中央選挙委員会は、チュチェ108(2019)年3月10日に実施した朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期代議員選挙の結果に関する報道を12日に発表した。 報道によると、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期代議員選挙は各級人民会議代議員選挙法に徹底的に準じて実施された。 全ての選挙人は、われわれの人民主権を磐石のごとく打ち固めるための選挙にこぞって参加した。 他国に居たり、遠海で作業中の選挙人は選挙に参加できなかった。 選挙の結果を集計 ...

北朝鮮の朝鮮中央放送は12日、国会に相当する最高人民会議第14期代議員選挙(10日投票)で当選した687人の名前を発表した。その中には、金正恩党委員長の名前は入っていないもようだ。金正恩氏は、2014年3月に実施された前回選挙で当選しており、背景が気になる。 もっとも、北朝鮮の選挙は国家が立てた候補に事実上、賛成票を投じるだけの仕組みだ。北朝鮮の最高指導者が代議員にならなかったのは史上初だが、だからといって、本質的な意味での「異変」とは言えない。 一方、今回の選挙では金正恩氏 ...

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3日、FOXニュースの報道番組に出演し、先月行われたハノイでの2度目の米朝首脳会談で、弾道ミサイルと生物化学兵器の全廃を北朝鮮に要求したことを明かした。 会談は物別れに終わったが、それも当然と言えば当然だ。米国の要求はほとんど「武装解除」に等しく、北朝鮮としては受け入れられないだろう。 米国の軍事専門メディアであるミリタリー・ドット・コムは2017年7月、「世界の軍隊ワースト10」と題した記事を掲載し、その中で北朝鮮の軍隊を第3 ...

物別れに終わった2回目の米朝首脳会談。北朝鮮の国営メディアは会談の成果の有無には具体的に触れていないが、少しの時間差を置いて、北朝鮮国民の間にもその「中身」が伝わりつつある。 「トランプだました」 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋は、「今回の元帥様(金正恩党委員長)のベトナム訪問は、米国との会談が目的だったため経済制裁の解除という結果が出ると住民は期待していた」が、「会談終了から何日経っても、経済封鎖が解かれるという話がなく、人々は『交渉がうまく行かなかったのだな』と ...

ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談を前に、北朝鮮が韓国での軍事動向に対する警戒感を露わにした。 北朝鮮は、これまでにもこの問題で韓国非難を繰り返しており、同国にとっては相当に重要な懸案となっていることがうかがえる。 (参考記事:「破局的な結果を考えてみろ」北朝鮮、また韓国にブチ切れ) 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は25日、米韓が来月4日から韓国での合同軍事演習「19-1演習」の実施を予定していることに対し、「朝米関係と北南関係改善の流れに背ちする危険な動き」であるとする論 ...

2015年3月、北朝鮮の芸術関係者を震撼させる事件が起こった。金正恩党委員長の夫人である李雪主(リ・ソルチュ)氏も所属していた銀河水管弦楽団の複数のメンバーが処刑されたのだ。銀河水管弦楽団は、金正日総書記によって2009年に創設され2012年まで精力的に公演活動を行っていたが、2013年に解散させられていた。処刑は解散から2年後の2015年に行われた。同楽団のメンバー4人は、裸で立たされた上で、遺体が原形をとどめなくなるまで機関銃で乱射されるという実に残忍な方法で処刑された。 ...

今月17日、韓国の国会である記者会見が開かれた。壇上に姿を見せたのは野党・正しい未来党の議員で北朝鮮人権運動を行ってきた河泰慶(ハ・テギョン)氏と、脱北者団体の代表ら。そこに光州民主化運動関連の団体関係者も加わった。一見、つながりのないようなこの顔ぶれだが、場を共にしたのにはそれなりのワケがある。 日本では「光州事件」の呼び名で知られている1980年5月の光州民主化運動。民主化を求める韓国国民の声を押さえつけ、政権を掌握しようとした後の大統領、全斗煥氏ら「新軍部」がデモを武力 ...

天国と地獄を見た北朝鮮の女性芸術家たち(上) 北朝鮮の金正恩党委員長は、先月7日から10日にかけて中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。訪中真っ只中の8日は金正恩氏の誕生日だった。習氏が呼びつけたのか、それとも金正恩氏が誕生日を祝うことを返上して訪中を望んだのかについてはわからないが、中朝関係は以前に比べると着実に改善している。 訪中後、金正恩氏は友好芸術団を中国に派遣した。友好芸術団は同月26~27日に北京の国家大劇院で公演を行い、習氏が彭麗媛夫人と鑑賞した。友好芸術団の ...

北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)では、大規模な検閲(査察)が行われている。それもかつてないほどの規模で長期間に渡っているとのことだ。 現地の内部情報筋によると、朝鮮労働党の検閲委員会は昨年12月20日から、税関など国の機関、工場、企業所などに対して非常に厳しい検閲を行っている。検閲委員会とは、反党、反革命的宗派(分派)行為や党規約違反を摘発し、責任を追求する組織だ。 北朝鮮ではこうして、特定地域に対する検閲が抜き打ちで行われる。過去に行われた同様の検閲で、最も厳しかったと ...

北朝鮮が、韓国政府が熱望していた共同行事の開催を「スルー」した。韓国の文在寅大統領は昨年9月の首脳会談で、日本による植民地時代に起きた独立運動「3.1運動」の100周年を記念する行事を、共同で開催することを北朝鮮側に提案。金正恩党委員長がこれを受け入れ、南北共催は「9月平壌共同宣言」にも盛り込まれた。 ところが3月1日の当日を目前に控え、北朝鮮は韓国側に「今回の開催は難しい」と公式に知らせてきたのだ。理由については「時期的に難しい」としているようだが、北朝鮮は「3.1運動」に ...