今月初め、処刑されたと見られる朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長が逮捕・連行された時の生々しい状況を、平安南道の内部情報筋が伝えてきた。逮捕現場に居合わせた道の幹部から聞いたという。 会議の趣旨を知らないまま、「李永吉を逮捕しなさい」 逮捕劇の舞台となったのは、2月2日、3日にかけて平壌の4.25文化会館で開かれていた朝鮮労働党中央委員会、朝鮮労働党人民軍委員会の連合会議拡大会議だ。 拡大会議には、金正恩第1書記を筆頭に、党中央の部長、人民軍党委員会委員、 ...

中国の北朝鮮レストランで「女性ウェイトレスが強制売春させられている」と、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 通勤時間に集団売淫行為 北朝鮮当局が外貨稼ぎのために展開するレストラン、通称「北レス」は、中国のみならず東南アジアを中心に展開されている。日本には存在しないせいか、各国の北レスを渡り歩いたり、通い詰める熱狂的な日本人ファンもいる。(【写真】美貌の北朝鮮ウェイトレス⓵【写真】美貌の北朝鮮ウェイトレス⓶) 最も北レスが多い中国では、中朝国境のみならず上 ...

北朝鮮が核開発を継続する中、核実験の過程で、深刻な人権侵害が行われていることが明るみに出つつある。実は、核実験施設があるとされている豊渓里(プンゲリ)近くには、悪名高き政治犯収容所「16号管理所」(化城強制収容所)が存在する。ここに収容された政治犯が、核実験施設で防護服なし、すなわち放射能に被ばくしながら強制労働させられているというのだ。 北朝鮮当局は、国民の反発を抑えるため「見せしめ」の公開処刑をおこなっているが、核施設での極めて危険な強制労働も、隠れた人権侵害の一つと言え ...

海外で働く北朝鮮労働者の数は正確には不明だが、6万人に達すると言われている。その多くが劣悪な環境で働かされ、給料のほとんどを当局にピンはねされている。 国連のマルズキ・ダルスマン北朝鮮人権特別報告官は、海外派遣労働者への人権侵害で北朝鮮当局を非難するなど、北朝鮮の海外派遣労働者は国際的な人権問題となっている。 そんな中、北朝鮮政府系の機関が経営するレストランで働く女性に、給料が全く支払われていないと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 ウェイトレスの多くが女 ...

マスコミは連日、北朝鮮の核開発問題を大きく扱っているが、人権問題と関連付けた報道はほとんど見かけない。大手紙では日本経済新聞の山口真典氏が、「唐突にみえる強硬策に金正恩第1書記を駆り立てた背景」として、「米国が積極化した『人権問題の追及』という圧力が、真綿で首を絞めるように正恩氏を脅かしている」と指摘しているぐらいだ。 対北包囲網には抜け穴がある 北朝鮮が国連制裁をものともせずに核開発に突き進む背景には、明らかに人権問題がある。これは、筆者や山口氏が勝手に言っているのではない ...

「母とその子は収容所内の懲罰棟に連行され、赤子は犬のエサの器に投げ込まれた」拷問や性的暴行が日常この、にわかには信じがたい衝撃的な話は、「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書(以下、国連報告書)に収められた証言の一部だ。国連総会はこの報告書に基づき、北朝鮮における人権侵害の責任追及を求める決議を今年も採択した。【人気記事】コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち 上記の証言の主は、政治犯収容所で看守として働いた経歴のある脱 ...

白頭の血統に立ちはだかる「鶴橋オモニム」 金正恩の偶像化、そして金日成を始祖とする金氏王朝の確立にむけて、「オモニム(お母様)伝説」の創出を通じた高ヨンヒの偶像化は避けられない。 しかし、在日朝鮮人という彼女の出自が最大のネックになるようだ。こうした苦しい事情からか、金正恩が最高指導者になって以後、北朝鮮の公式メディアが、高ヨンヒについて言及したのは、2012年1月8日(金正恩の誕生日)と同年2月13日の二回のみ。 それも、実名や経歴については一切言及せず「母親」「平壌オモニ ...

白頭の血統に立ちはだかる「鶴橋オモニム」 金正恩の偶像化、そして金日成を始祖とする金氏王朝の確立にむけて、「オモニム(お母様)伝説」の創出を通じた高ヨンヒの偶像化は避けられない。 記録映画の回収騒動 しかし、在日朝鮮人という彼女の出自が最大のネックになるようだ。こうした苦しい事情からか、金正恩が最高指導者になって以後、北朝鮮の公式メディアが、高ヨンヒについて言及したのは、2012年1月8日(金正恩の誕生日)と同年2月13日の二回のみ。 それも、実名や経歴については一切言及せず ...

北朝鮮と日本のメディアに惑わされた在日朝鮮人 今から56年前の1959年12月14日、夢と希望に満ちた在日朝鮮人と日本人妻を含む975人が、旧ソ連の軍艦を改造した貨客船、クリリオン号とトポリスク号の二隻に乗って北朝鮮へ出発した。在日朝鮮人帰国事業の第1陣である。 産経新聞が賞賛した北朝鮮 マンセー(万歳)という歓喜の声と赤旗で見送られた彼らは、「地上の楽園」と喧伝されていた北朝鮮で新たな未来を切り拓くはずだった。しかし、それは大ウソだった。総勢約9万人の帰国者は、日本で貧困と ...

日本の舞台で華麗に舞った「金正日の女」 日本から北朝鮮へ帰国し、万寿台芸術団のメンバーとなった高ヨンヒは、当時スター舞踊手だったパク・エラを押しのけて、1973年の日本公演の主役に大抜擢された。この裏には、後継者の地位を得たばかりの金正日の配慮があった。 こうして高ヨンヒは、今でも在日朝鮮人の間で語り草となっている「万寿台芸術団来日公演」のメンバー、それもいくつかの演目の主役として生まれ故郷への「凱旋」を果たす。 当時、7才だった筆者は、朝鮮総連に所属していた亡父と共に公演を ...

現在、北朝鮮の首都・平壌を中心に衝撃的な事件の噂が出回っている。平壌にある朝鮮労働党の本部前で、ある市民が切腹して自殺を図ったというものだ。平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、噂の内容は次のとおりだ。 この人物は、保安署(警察署)の署長に全財産を没収された。どのような事情でそうなったのかは不明だが、その不当性を訴えに、平壌にある労働党中央委員会組織指導部の信訴処理課を訪れた。しかし、担当者との面談を拒否された上に「ガタガタ騒ぐな」と脅された。 対応のひどさに絶望 ...

2015年10月、馬園春(マ・ウォンチュン)氏は水害復旧現場工事を現地指導した金正恩氏に随行人員として同行。国営メディアにも名前が紹介され復帰が確認された。2015年12月1日、金正恩氏の現地指導に同行した際、撮影されたのが下の右の写真だ。 左は2014年4月の馬氏。見比べる明らかに激ヤセしていることがわかる。また馬氏は、以前の現地指導では始終笑顔を絶やさなかったが、今回の写真の表情からは精気も感じられない。 処刑こそ免れたものの、やはり何らかの処分を受けていたと見られる。 ...

約1年間、動静が途絶え、政治処分を受けたと見られていた金正恩氏の側近である馬園春(マ・ウォンチュン)氏が、激ヤセして復帰した。この間、彼に何があったのか。 国防委員会設計局長だった馬氏は、昨年11月1日の空港視察以後、姿を見せなくなり、当時建設中だった空港の出来具合をめぐって責任を取らされ、粛清されたと見られていた。 金正恩氏側近の激ヤセ写真 その後、処刑説も出たが、北朝鮮内部情報筋から山奥の農場へ追放、すなわち革命化教育の処分を受けたという説も出てくる。この場合、中央への復 ...

北朝鮮には「権力層に仕える女性」を選抜、管理する謎のセクションがある。 その名も「5課」。正式名称は、朝鮮労働党組織指導部「護衛総局」といい、最高指導者、つまり金正恩第1書記の警護を担当する部署だ。その役割は、金正恩氏のトイレの管理にまで及ぶ。 【参考記事】金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳 5課は、全国から北朝鮮指導層、いわば最高権力層の身辺の世話をする女性たちや、警護をする男性を選抜し、管理する。 そのことから選抜された人員は「5課対象」や「5課処女(注)」と言われ ...

北朝鮮には「5課対象」と呼ばれる人々がいる。中央5課(朝鮮労働党組織指導部5課)が選抜した人々のことで、代表的なのが「喜び組」だ。彼女ら以外にも、指導層の世話をする女性たちや、最高指導者の身辺での職務に当たる男性もここに含まれる。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、最近では離婚歴があって子どもを持つ若い女性が「5課対象」に選ばれていると報じた。彼女たちは、高級幹部たちの「召し使い」や身の回りの世話をする仕事をするとのことだ。 未亡人をマッサージ係に 咸鏡北道 ...