北朝鮮で最近、日本の警察官に当たる「人民保安員」から退職者が続出している。理由はズバリ、庶民からの「報復」が怖いからだ。 戦車で轢殺も 実際、取締のやり方が過酷だったり、権力をかさにきて執拗にワイロを要求してきた保安員らが、待ち伏せされて殴打されたり、殺されたりする事件が多発している。 (参考記事:北朝鮮の警察官、退職者続出のワケは…「この恨みはらさでおくべきか」) 金正恩時代になって以降、北朝鮮当局は以前の金正日政権時代と比べても、社会への統制と取締を強めている。それに対し ...

※この記事には事故現場の凄惨な光景の描写が含まれます。 川原に広がる地獄絵図 北朝鮮の大型工事の特徴のひとつに、故金日成主席および故金正日総書記の誕生日や朝鮮労働党、朝鮮人民軍などの創建記念日までに工事を終え、その当日に完成式典を行い、体制のプロパガンダに利用するという点がある。 当局から求められた期日に間に合わせるため、「千里馬速度」「馬息嶺速度」などの号令のもと、「速度戦」が繰り広げられる。そして、竣工を一般的な工事より大幅に繰り上げるため、安全を無視した無茶な工期短縮が ...

時は金日成氏が存命中の1989年に遡る。1987年12月に始まった「平壌開城高速道路」の工事は概ね順調に進んでいた。ところが、1989年4月15日(金日成氏の誕生日)までに急ぎ工事を終えよとの指示が、当局から下される。 (関連記事:やっぱり事故が起きていた金正恩氏「恐怖写真」の現場) 突如として指示された工期短縮。それに間に合わせるため、数多くの軍人や一般労働者が動員された。その効果もあり、路盤工事は必要なペースで進んだが、黄海北道(ファンへブクト)の金川(クムチョン)を流れ ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/公安調査庁編(2) 2014年3月、ある地方都市の城郭跡にほど近い政府合同庁舎から、ひとりの男が去って行った。男はかつて、公安調査庁(以下「公安庁」)のエースと呼ばれ、北朝鮮情報で右に出る者なしとまで言われた。 男が集めた情報は首相官邸に報告されるだけでなく、米国をはじめとする西側インテリジェンス・コミュニティーで共有された。その質の高さに、各国のインテリジェンス・オフィサーは惜しみない賛辞を送ったという。 (参考記事:【対北情報戦の内幕 ...

2012年の春、北朝鮮最大の穀倉地帯である黄海南道で、大量の餓死者が発生した。正確な死者数は今に至るも明らかになっていないが、北朝鮮ウォッチャーの間では万単位であったと推測されている。 同年4月10日、デイリーNKが最初に「餓死者急増」と報じたときには、漠然とした状況しかわからなかった。だが、時間が経つにつれ、現地の凄惨な実態が明らかになる。 北朝鮮国内にいる、アジアプレスの記者と協力者たちが取材したところでは、行き倒れになる人が多すぎて火葬する薪が足りなくなり、郊外の空き地 ...

北朝鮮メディアは、金正恩第1書記の特徴的な刈り上げヘア・スタイルを「覇気ヘア」と褒め称える。 一般住民は、そんな呼び方はしないらしいが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、金正恩氏は「俺のヘア・スタイルやファッションを真似するな」という指示を下したという。 幹部らの楽しみ RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、「わが国の幹部たちは、長年、最高指導者の服装やヘアスタイルを慣行として真似てきた」という。 実際、故金正日総書記も、愛用していた綿入りの ...

北朝鮮で美女をビジネスに活用する動きが活発だ。その活用ぶりたるや、資本主義国家以上と言っても過言ではない。 北朝鮮当局による代表的な美女ビジネスは、海外で展開する北朝鮮レストラン、通称「北レス」だ。カンボジアのシェムリアップにある「平壌冷麺」で働く「美人過ぎる北朝鮮ウェイトレス」は、韓国のネットユーザーを熱狂させた。 (参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発 ) 美人過ぎる北朝鮮ウェイトレスは、しばらくして北朝鮮に帰国したようだが、その後に赴任したウェイトレスも ...

金正恩氏の恐怖政治が幹部らに対する粛清にとどまらず、国民にまで及び始めている。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮当局は8月20日、中国の携帯電話を使用していた女性3人を、「見せしめ」のために処刑したという。 3人はいずれも中朝国境を流れる鴨緑江に面した地域に住んでいた。このエリアでは中国の電波を拾うことができるため、違法に持ち込まれた携帯電話が少なくない住民によって使用されているのだ。 強制離婚させられ しかし、北朝鮮ではすでに、国内のキャリアの通信 ...

軍事衝突の緊張が高まるなかで行われていた北朝鮮と韓国の南北高官会談が25日未明、双方の合意に達し、軍事衝突の危機は回避された。 北朝鮮は、今回の緊張の発端となった韓国兵士を負傷させた地雷爆発について「遺憾の意」を表明し、韓国は対北宣伝放送の中止に同意。今後の関係改善のための会談開催や、朝鮮戦争時の離散家族の再会事業などを含む共同声明文を発表した。 この結果を、どう見るべきか。 私はハッキリと、北朝鮮の金正恩氏の「敗北」であると言い切っておきたい。 北朝鮮は過去にも、軍事的緊張 ...

北朝鮮では、出産をめぐる認識や社会情勢の変化、そして生活苦から中絶を望む女性が増加。しかし、人口を増やしたい当局は中絶を規制しようとする。こうしたなか、医大生がバイトで「違法な中絶手術」にいそしんでいるとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、90後半から続く慢性的な経済難を背景に、社会的に「出産は苦労の始まりだ」と言われ、結婚、妊娠、出産を避けようとする風潮が強まっている。 特に、商売をしている女性たちは、出産や育児に時間を ...

金正恩第一書記の実妹である与正(ヨジョン)氏は、正恩氏の公式活動に頻繁に同行するなど、日増しに存在感を高めている。ところが、彼女の学生時代の同級生十数人が謎の失踪を遂げたと咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が伝えてきた。失踪の裏に一体なにがあったのか。 今年5月ごろ、金与正氏の金日成総合大学時代の同級生十数人が、勤務先の平壌の中央機関から一斉に姿を消した。その後、全員が地方に追放されたことが明らかになるが、追放の理由は、ほんの些細な言動だった。 (参考記事:【写真】金与 ...

旧ソ連では、体制に反抗する人々を「精神病患者」と決め付け、精神病院に強制入院させて薬物投与を行っていた。また、中国では同様の状況が未だに続いていると言われており、その実態を描いたドキュメンタリー映画「精神病棟」は世界に波紋を投げかけた。 一方で、北朝鮮の精神病院の実態についてはほとんど情報がないのが実情だ。 山の中の施設 そんな中で、米国の北朝鮮専門ニュースサイト「NKニュース」は、北朝鮮における精神医療について報道している。 NKニュースは、「北朝鮮の人々は精神疾患をどう治 ...

8月4日、韓国京畿道の非武装地帯(DMZ)で、北朝鮮が仕掛けた「木箱地雷」が爆発する決定的瞬間を韓国軍の監視カメラが捉えていた。爆発によって韓国軍兵士2人が足を切断するなど負傷している。 DMZでは近年、北朝鮮の兵士が徒歩で南側に入り、亡命するなどの出来事が相次いでいた。そのため韓国側では当初、北朝鮮が兵士の脱北防止のために地雷を埋設しているものと見ていたフシがある。しかし、自軍兵士が負傷したことにより、事態は一転して南北の対決モードに突入してしまった。 韓国軍の監視カメラの ...

北朝鮮の20~30代の秀才たちが、ITエンジニアとして中国や東南アジアに派遣され、現地の民間企業から高額の報酬を得て働きながら、本国からの指令を受けるやハッカーに変身し、韓国など諸外国へのサイバー攻撃を遂行しているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が27日、複数の事情通の話として報じた。 RFAによれば、北朝鮮のエンジニアたちは主にゲームなどのコンテンツ制作会社に就職し、多くは5000ドル前後の月収を得ており、そのうち2000ドルほどを国に上納。彼らの人数はお ...

安保法制で高まる北朝鮮からの「核報復」リスク 安全保障関連法案が16日に衆院を通過し、参院での審議が始まる段になっても、核武装した北朝鮮と軍事的に対峙することにより生じるリスクについてはは、まったくと言っていいほど検討されていない。 日本は絶対に、北朝鮮の核問題を素通りしたまま安保法制を成立させるべきではない。その理由を以下に述べる。 日本海が「戦場」に 国会で安保法制関連法案の審議が進んでいることを受け、北朝鮮内閣などの機関紙「民主朝鮮」は6月2日付の論評で、次のように警告 ...

北朝鮮が、米国の専門家からの「生物兵器の開発疑惑」に対する指摘に、激しく反応している。 米ジョンズホプキンス大の北朝鮮分析サイト「38NORTH」は9日、北朝鮮が農薬の開発施設であると主張する平壌生物技術研究所について、「生物兵器の生産が可能」であるとと指摘するメリッサ・へナム不拡散センター研究員の論文を掲載した。 同研究所は、金正恩第1書記が最近、現地指導に訪れている。 北朝鮮の国防委員会政策局の代弁人は、こうした指摘について「言い掛かりである」「謀略とねつ造が彼らの体質に ...