北朝鮮当局はやはり、4月の「北朝鮮レストラン従業員集団脱北事件」に、相当な衝撃を受けたようだ。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、国家安全保衛部(秘密警察)は、従業員らに対する監督責任を問われることをおそれ、金正恩氏に「中国のブローカーと結託した南朝鮮情報機関の誘引拉致劇だ」との報告を上げた。 人気爆発の美女も それに腹を立てた金正恩氏は保衛部に対し「君たちの本分は一体何かね」と叱責した上で「南朝鮮(韓国)当局に13人の即時送還を要求し、応じない場合には100 ...

北朝鮮が、自国の犯罪者を労働力として西アフリカの赤道ギニアに輸出、いわば「島流し」をしているとの疑惑が浮上している。 疑惑を報じたのは、スペインのバレンシアに本部を置く赤道ギニア系のインターネットニュースサイト「ロンべ・ディアリオ」。 同サイトは、赤道ギニアの首都マラボ近郊の犯罪都市、サンティアゴ・デ・バネイとレボラの間にある農場に北朝鮮から労働者が派遣されていると伝える。疑惑のある施設の衛星写真を見る限り、何の変哲もないように見えるが、中にいる関係者に話しかけようとすると、 ...

北朝鮮当局は、朝鮮労働党第7回大会(5月6日)を前に、住民に対する統制を強化。その一環として、韓流ドラマをはじめとする外国の映像作品など「違法録画物」に対する取り締まりを行っている。しかし、デイリーNKの内部情報筋によると、庶民たちは「ある秘密兵器」によって取り締まりに対抗しているという。 中学生男女が「野外」で… 北朝鮮で、「違法録画物」を専門的に捜査する機関「109常務(サンム)」は、普及が著しい携帯電話やスマートフォンのメモリに「違法ファイル」が記録されていると見て集中 ...

1980年以来、36年ぶりとなる朝鮮労働党大会の第7回大会が6日午前、平壌で開会した。そのうち詳細が伝わってくるだろうが、とりあえずの焦点は核開発、経済政策、朝鮮半島の統一政策について、金正恩氏がどのような方針を示すかだとされている。 そして、それらに劣らず重要なのが、金日成・正日政権の失政をどのように総括するか(あるいはしないのか)であると筆者は考えている。 とくに、1990年代後半の「苦難の行軍」と呼ばれる時代に対する総括は重要だ。 北朝鮮は、金日成氏による農業指導の欠陥 ...

北朝鮮が朝鮮労働党第7回大会の参加者に記念品として配る予定の「お菓子セット」を、独占入手した。 【画像】金正恩氏の「プレミアムお菓子セット」 セットの中身は、「ジャム・ロール」「ストロベリー・ウエハース」「かりんとう」「カステラ」「かぼちゃの種クッキー」「チョコパイ」など30種類。すべて平壌市内の「金カップ総合食品工場」で製造された。 金正恩第1書記は、これらのお菓子を製造する金カップ工場に対して、昨年と今年1月に現地指導して細かく指示するなど、並々ならぬ愛情を注いでいる。 ...

国連人権高等弁務官事務所が、7月で任期が切れるマルズキ・ダルスマン北朝鮮人権報告者の後任候補者を発表した。後任は、6月13日~7月1日に行われる第32回国連人権理事会で決められる。 候補者はアジア、アフリカ、南米、ヨーロッパから選ばれた8人。そのうち1人が女性だ。 ダルスマン氏の後任については以前、「東アジア出身の女性が選ばれるのではないか」との観測が出ていた。北朝鮮では女性に対する人権侵害が横行しており、女性の特別報告者がその問題に鋭く切り込むことが期待された。 軍隊内でも ...

朝鮮労働党第7回大会を控え、北朝鮮の金正恩第1書記は「すべての家庭に党の配慮を実質的に感じさせよ」との指示を下した。これは「配給を行って民心を掌握せよ」との意味だが、金正恩氏の目論見通りには行かなさそうだ。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、北朝鮮では現在、2月末から行われてきた「70日戦闘」の総和(総括)が行われている。ここで「模範」と認められた個人や単位(機関、企業)には液晶テレビが授与されるとの発表があった。 この話がどういうわけか「すべての家庭に電化製 ...

金正恩体制を礼賛するポスターを守るべく、北朝鮮の秘密警察が動き出している。 「偉大なる首領金日成同志は永遠に我々と共にいらっしゃる」「わが党と人民の偉大なる領導者金正恩同志万歳!」 北朝鮮では、都市や農村を問わず、いたるところに上のようなスローガンや政治ポスター、いわゆる「プロパガンダポスター」が見られる。外国人観光客、とりわけ旧社会主義圏の観光客にとって、こうしたプロパガンダは、郷愁を呼び起こすらしく、北朝鮮名物の一つだ。 金正恩氏の「トイレ事情」 それも北朝鮮当局にとって ...

アフリカのタンザニアでは、北朝鮮の医師計100人以上が、12の病院で勤務している。友好国同士であり、医師らは外貨稼ぎのために派遣されたものと思われるが、どうやら行状に行き過ぎがあったようだ。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)などによれば、タンザニア保健省が最近、北朝鮮の医師らが「インチキ医療」を行っていた2つのクリニックを抜き打ちで検査し、即時閉鎖命令を出した。 (参考記事:タンザニア「北朝鮮インチキ病院」に閉鎖命令) 問題のインチキ医療は、中国製や北朝鮮製の「量子 ...

北朝鮮が第4次核実験と長距離弾道ミサイルの発射を強行したことに対して、国連安全保障理事会が対北朝鮮制裁決議「2270」を採択したのが3月2日。「史上最強」とも言われる内容だが、果たして実効性はあるのだろうか。 つい先日、中国の北朝鮮レストランの従業員ら13人が集団脱北し、韓国入りした。韓国政府は、独自の対北制裁の一環で、自国民に対し北朝鮮レストランの利用を自粛するよう勧告していたこともあり、「制裁の実効性が出てきている」と判断している。 (関連記事:北朝鮮レストラン「美貌ウェ ...

前々回の本欄で、中国の北朝鮮レストランで起こったウェイトレスら従業員13人の集団脱北事件が、金正恩体制の脆さの表れであることを指摘した。 (参考記事:北朝鮮レストラン「美貌のウェイトレス」が暴く金正恩体制の脆さ(1)) 北朝鮮レストランのウェイトレスが脱北するのは、今にはじまったことではない。そうしたリスクがあるにも関わらず、北朝鮮当局が海外でレストランを展開してきた最大の理由は「外貨稼ぎ」だ。合法的なビジネスとして展開できる北朝鮮レストランは、外貨稼ぎの花形でもあった。 厳 ...

北朝鮮の外貨獲得のための主要商品のひとつであるマツタケに、「放射性物質により汚染されているのではないか」との疑惑が持ち上がっている。 台湾の夕刊紙「自立晩報」が最近指摘し、その引用も交え、韓国の聯合ニュースが上海発で報じている。 一連の報道によれば、北朝鮮が2006年以来、4回の核実験を行った咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州(キルチュ)郡の豊渓里(プンゲリ)は、マツタケやコウダケの産地である明川(ミョンチョン)郡や漁郞(オラン)郡と隣接している。 それにも関わらず国連安全保障 ...

北朝鮮で今年1月に続き、またもや落書が見つかったとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。落書きが見つかった場所は、北朝鮮の両江道(リャンガンド)。北朝鮮当局は、大々的に捜査に乗り出した。 (参考記事:北朝鮮で金正恩氏を非難する落書が発見される) 落書事件が、知れ渡るきっかけは秘密警察・国家安全保衛部(保衛部)のある指示だった。 今月10日、保衛部は人民班(町内会)、工場、企業所、学校など、ありとあらゆる組織に「歌の歌詞や詩を紙に書いて提出せよ」という指示を下した。しかし、住民 ...

親北朝鮮的な在米韓国人が運営するニュースサイト・民族通信が12日付の記事で、先週起きた北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北は、韓国の総選挙(13日投開票)で保守派を有利にするため朴槿恵政権が仕組んだ「でっち上げ事件」であると主張している。 (参考記事: 北朝鮮レストラン「集団脱北事件」…原因は中朝関係者間のトラブル?) 民族通信は、「韓国の国家情報院(国情院)に誘拐されそうになった」という北朝鮮の若者らを平壌で取材。それを根拠に、レストラン従業員らの脱北も同様の出来事であると言 ...

平壌市内には、数多くの高級レストランやレジャー施設がある。党幹部やドンジュ(金主、新興富裕層)は、スパでひと風呂浴びて、マッサージを受けて、美味しい料理に舌鼓を打ち、1日に数百ドル以上を使う。体制により「選ばれた人々」だけが住むことのできる平壌でも、そんな贅沢三昧ができるのは、一握りの上流階級だけだ。 金正恩第1書記が使う秘密資金を稼ぎだす労働党39号室で、貿易の仕事に携わっていたキム・ミョンチョル(仮名)さん。仕事上のミスで身の危険を感じ脱北、今では韓国で暮らしている。 外 ...

北朝鮮で、連続毒殺事件が発生した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、今月1日、北朝鮮北部の清津市内の市場のリンゴ売り場の近くで、ある人が突然口から泡を吐いて死亡。同市内の別の二つの市場でも、同様の事件が発生。司法解剖の結果、毒物が入ったリンゴを食べたことが死因だということが明らかになった。 (参考記事:北朝鮮版「林檎殺人事件」が発生…犯人逮捕できず当局は苦しい言い訳) 1978年の郷ひろみさんのヒット曲、「林檎殺人事件」を思い出させる出来事である。 この北朝 ...