国連人権高等弁務官事務所が、7月で任期が切れるマルズキ・ダルスマン北朝鮮人権報告者の後任候補者を発表した。後任は、6月13日~7月1日に行われる第32回国連人権理事会で決められる。 候補者はアジア、アフリカ、南米、ヨーロッパから選ばれた8人。そのうち1人が女性だ。 ダルスマン氏の後任については以前、「東アジア出身の女性が選ばれるのではないか」との観測が出ていた。北朝鮮では女性に対する人権侵害が横行しており、女性の特別報告者がその問題に鋭く切り込むことが期待された。 軍隊内でも ...

朝鮮労働党第7回大会を控え、北朝鮮の金正恩第1書記は「すべての家庭に党の配慮を実質的に感じさせよ」との指示を下した。これは「配給を行って民心を掌握せよ」との意味だが、金正恩氏の目論見通りには行かなさそうだ。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、北朝鮮では現在、2月末から行われてきた「70日戦闘」の総和(総括)が行われている。ここで「模範」と認められた個人や単位(機関、企業)には液晶テレビが授与されるとの発表があった。 この話がどういうわけか「すべての家庭に電化製 ...

金正恩体制を礼賛するポスターを守るべく、北朝鮮の秘密警察が動き出している。 「偉大なる首領金日成同志は永遠に我々と共にいらっしゃる」「わが党と人民の偉大なる領導者金正恩同志万歳!」 北朝鮮では、都市や農村を問わず、いたるところに上のようなスローガンや政治ポスター、いわゆる「プロパガンダポスター」が見られる。外国人観光客、とりわけ旧社会主義圏の観光客にとって、こうしたプロパガンダは、郷愁を呼び起こすらしく、北朝鮮名物の一つだ。 金正恩氏の「トイレ事情」 それも北朝鮮当局にとって ...

アフリカのタンザニアでは、北朝鮮の医師計100人以上が、12の病院で勤務している。友好国同士であり、医師らは外貨稼ぎのために派遣されたものと思われるが、どうやら行状に行き過ぎがあったようだ。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)などによれば、タンザニア保健省が最近、北朝鮮の医師らが「インチキ医療」を行っていた2つのクリニックを抜き打ちで検査し、即時閉鎖命令を出した。 (参考記事:タンザニア「北朝鮮インチキ病院」に閉鎖命令) 問題のインチキ医療は、中国製や北朝鮮製の「量子 ...

北朝鮮が第4次核実験と長距離弾道ミサイルの発射を強行したことに対して、国連安全保障理事会が対北朝鮮制裁決議「2270」を採択したのが3月2日。「史上最強」とも言われる内容だが、果たして実効性はあるのだろうか。 つい先日、中国の北朝鮮レストランの従業員ら13人が集団脱北し、韓国入りした。韓国政府は、独自の対北制裁の一環で、自国民に対し北朝鮮レストランの利用を自粛するよう勧告していたこともあり、「制裁の実効性が出てきている」と判断している。 (関連記事:北朝鮮レストラン「美貌ウェ ...

前々回の本欄で、中国の北朝鮮レストランで起こったウェイトレスら従業員13人の集団脱北事件が、金正恩体制の脆さの表れであることを指摘した。 (参考記事:北朝鮮レストラン「美貌のウェイトレス」が暴く金正恩体制の脆さ(1)) 北朝鮮レストランのウェイトレスが脱北するのは、今にはじまったことではない。そうしたリスクがあるにも関わらず、北朝鮮当局が海外でレストランを展開してきた最大の理由は「外貨稼ぎ」だ。合法的なビジネスとして展開できる北朝鮮レストランは、外貨稼ぎの花形でもあった。 厳 ...

北朝鮮の外貨獲得のための主要商品のひとつであるマツタケに、「放射性物質により汚染されているのではないか」との疑惑が持ち上がっている。 台湾の夕刊紙「自立晩報」が最近指摘し、その引用も交え、韓国の聯合ニュースが上海発で報じている。 一連の報道によれば、北朝鮮が2006年以来、4回の核実験を行った咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州(キルチュ)郡の豊渓里(プンゲリ)は、マツタケやコウダケの産地である明川(ミョンチョン)郡や漁郞(オラン)郡と隣接している。 それにも関わらず国連安全保障 ...

北朝鮮で今年1月に続き、またもや落書が見つかったとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。落書きが見つかった場所は、北朝鮮の両江道(リャンガンド)。北朝鮮当局は、大々的に捜査に乗り出した。 (参考記事:北朝鮮で金正恩氏を非難する落書が発見される) 落書事件が、知れ渡るきっかけは秘密警察・国家安全保衛部(保衛部)のある指示だった。 今月10日、保衛部は人民班(町内会)、工場、企業所、学校など、ありとあらゆる組織に「歌の歌詞や詩を紙に書いて提出せよ」という指示を下した。しかし、住民 ...

親北朝鮮的な在米韓国人が運営するニュースサイト・民族通信が12日付の記事で、先週起きた北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北は、韓国の総選挙(13日投開票)で保守派を有利にするため朴槿恵政権が仕組んだ「でっち上げ事件」であると主張している。 (参考記事: 北朝鮮レストラン「集団脱北事件」…原因は中朝関係者間のトラブル?) 民族通信は、「韓国の国家情報院(国情院)に誘拐されそうになった」という北朝鮮の若者らを平壌で取材。それを根拠に、レストラン従業員らの脱北も同様の出来事であると言 ...

平壌市内には、数多くの高級レストランやレジャー施設がある。党幹部やドンジュ(金主、新興富裕層)は、スパでひと風呂浴びて、マッサージを受けて、美味しい料理に舌鼓を打ち、1日に数百ドル以上を使う。体制により「選ばれた人々」だけが住むことのできる平壌でも、そんな贅沢三昧ができるのは、一握りの上流階級だけだ。 金正恩第1書記が使う秘密資金を稼ぎだす労働党39号室で、貿易の仕事に携わっていたキム・ミョンチョル(仮名)さん。仕事上のミスで身の危険を感じ脱北、今では韓国で暮らしている。そん ...

北朝鮮で、連続毒殺事件が発生した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、今月1日、北朝鮮北部の清津市内の市場のリンゴ売り場の近くで、ある人が突然口から泡を吐いて死亡。同市内の別の二つの市場でも、同様の事件が発生。司法解剖の結果、毒物が入ったリンゴを食べたことが死因だということが明らかになった。 (参考記事:北朝鮮版「林檎殺人事件」が発生…犯人逮捕できず当局は苦しい言い訳) 1978年の郷ひろみさんのヒット曲、「林檎殺人事件」を思い出させる出来事である。 この北朝 ...

今月8日、北朝鮮の外貨稼ぎの柱である北朝鮮レストランの従業員ら13人が集団脱北し、韓国へ入国したことが明らかになった。さらに、北朝鮮の対南工作機関に所属していた大佐が昨年、亡命していたことが韓国政府によって明らかになった。 (参考記事:北朝鮮レストラン「集団脱北事件」…原因は中朝関係者間のトラブル?) (参考記事:北朝鮮の工作機関の大物幹部、韓国に亡命) 韓国政府が、このような情報を立て続けに公表する裏には、4月13日投開票の韓国総選挙を前にして、朴大統領が北朝鮮に対する独自 ...

オバマ米大統領は1日、ワシントンで開かれた核保安サミット後に会見し、7年前にプラハ演説で提唱した「核兵器のない世界」について「多くの仕事をやり残した」と語った。しかし、そもそもオバマ氏の理想は掲げた当初から、それがいかに不可能であるかを見せつけようとする国家、北朝鮮の確信犯的な挑戦に直面していた。実は当時、北朝鮮はプラハ演説を狙い撃っていたのだ。 2009年4月、オバマ氏は、核軍縮と核の不拡散を進めることをプラハで宣言し(プラハ演説)、同年にノーベル平和賞を受賞した。本来なら ...

北朝鮮では、今年5月の朝鮮労働党第7回大会に向けた大増産運動「70日戦闘」が繰り広げられている。新聞には「目覚ましい成果」「目標を超過達成」の文字が踊っているのだが、なぜか当局は、国民的な「古着の供出キャンペーン」に血眼になっている。 一般国民はその様を見て「古着まで物乞いする有様なのに、何か成果だ、超過達成だ」と冷笑しているのだが、実はこのキャンペーンの裏にはある重大な事情があった。朝鮮人民軍が、極端な「雑巾(ぞうきん)不足」に苦しんでいるというのだ。 (参考記事:大規模軍 ...

中国駐在の北朝鮮領事が、中国国内で飲酒運転で死亡事故を起こしたが、罪に問われることなく平然と暮らしているという。金正恩第一書記と近い関係にあったからだ。 中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋は語る。 「事故を起こしたのは中国駐在のリョム・チョルチュン領事だ。リョム領事は2月10日未明、中国の丹東で開かれた長距離ミサイル発射を祝うパーティで酒を飲んだ後、泥酔状態で車を運転し、センターラインを超え、対向車線のタクシーに衝突した。この事故で、タクシーの乗客と運転手3人が死亡した」中国外 ...

北朝鮮の金正恩第1書記はスイス留学中にメディアの影響力を強く認識したのかもしれない。国営メディア、特にテレビの影響力を重視し、自らのイメージ作りに最大限、活用している。 【写真】北朝鮮「若手女子アナ」 例えば、金正恩氏が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の演習や、ミサイル発射を現地指導する様子は、逐一写真と映像で記録され、国営メディアを通じて大々的に宣伝される。 正恩氏が直接口出す女子アナ選考 児童施設を訪ねて子どもを抱きかかえたり、軍人と腕を組むシーンなどは、「指導者の人民愛」「親しみ ...