北朝鮮で「ジャンマダン(市場)世代」と呼ばれる若者達が急増している。彼らの共通点として、幼いころに大飢饉「苦難の行軍」を体験し、古い世代とは異なる価値観を持っていることが挙げられる。 ジャンマダン世代を生み出したきっかけは、90年中頃から北朝鮮全土を襲った大飢饉「苦難の行軍」だ。配給システムは完全に崩壊し、住民たちは、市場で商売をして、自分の力で生き抜くことを強いられた。 そんな状況を、幼い目で見ていたジャンマダン世代にとって、国も指導者(当時は金正日総書記)も頼るべき存在で ...

北朝鮮のガールズグループ「モランボン(牡丹峰)楽団」の中国公演ドタキャン騒動の真相がおぼろげながら見えてきた。 本欄では、金正恩第1書記の「水爆保有」発言に中国側が不快感を示し、公演を観覧する幹部を大幅に格下げ。これに激怒した金正恩氏が「報復」に出たとする見方を紹介した。 そんななか、韓国の情報機関は、モランボン楽団が予定していた公演内容に問題があったと指摘する。では、何が問題だったのか。 モランボン楽団に限らず、北朝鮮の文化芸術の柱は、故金日成主席、金正日総書記、そして金正 ...

今年8月に朝鮮半島を直撃した台風15号(コニ)の影響で大水害に襲われ、400人の住民が死亡するなど甚大な被害を受けた北朝鮮東海岸の羅先(ラソン)市。金正恩氏は現地入りして、早急な復旧を指示した。 労働党創建70周年記念日を前にした10月8日、完成した災害復興住宅を金正恩氏が視察したことを北朝鮮の国営メディアは大々的に喧伝した。新しい住宅に入居した人々が喜び、踊り、むせび泣く様子も伝えている。一方、デイリーNKでは「欠陥だらけで住めたもんじゃない」という住民の声を伝えている。 ...

ロシアの治安当局が、やりたい放題の北朝鮮漁船に頭を抱えていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 ロシア軍人を返り討ち 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は語る。 「10月15日、羅先(ラソン)市所属の先鋒水産協同組合の漁船が、ロシアの領海内で違法操業を行った。それだけではなく、海底に敷設されたケーブルを切断した。ケーブルは、銅やアルミでできているので、売り払うとかなりの儲けになるからだ」 北朝鮮漁船のこうした行為に対して、ロシア側が黙っているわけがない ...

金正恩氏が、部下の「ズボン」にブチ切れた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、以前ある現地指導に同行した崔龍海(チェ・リョンヘ)氏が、正恩氏と同じズボンを履いていたが、これが逆鱗に触れてしまった。崔氏は公衆の面前で激しく叱責され、それだけでなくズボンを履き替えさせられたという。 (参考記事:金正恩氏「俺のマネ禁止令」を下す…「同じズボンを履くな!」) 金正恩氏の激怒といえば、今年6月のスッポン工場での激怒が記憶に新しい。正恩氏はスッポン養殖工場の視察で激怒し、 ...

北朝鮮で女性たちの「復讐」が、静かにはじまろうとしている。といっても、体制や政治に対してではなく、北朝鮮特有の男性上位社会に対する復讐だ。 南北共に、朝鮮半島には儒教文化が根強く残っている。北朝鮮は、社会主義ゆえに男女平等をうたっているが、韓国以上に儒教思想の影響力は強く、女性蔑視は根強い。女性の地位は低く、その影響は「ブラジャー着用の可否」にまで影響していたぐらいだ。 (参考記事:北朝鮮ではブラジャーすらタブーだった?) 「喜び組」も それに加えて、人権侵害が広範囲に行われ ...

日本は、韓国と北朝鮮の諜報(スパイ)戦の舞台である。最近はあまり話題に上らなくなったが、1980年代まではニュースになることも少なくなかった。他ならぬ日本人拉致も、その過程で起きたことだ。 そして現在も、日本を舞台にした南北のスパイ戦は続いている。 たとえば2005年10月と2009年7月、2010年11月、ある韓国人男性が日本を訪れた。男性は1993年に極秘訪朝して金日成主席と接見。その極秘司令に従って韓国の政界・軍・社会団体等の関係者を抱き込み、北朝鮮の指示の下に動く地下 ...

約1年間、姿を消していた金正恩第1書記の側近が、かつての面影がうかがえないほどの激ヤセぶりで復帰した。【画像】金正恩氏の側近「激ヤセ写真」 国防委員会設計局長の馬園春(マ・ウォンチュン)氏だ。 金正恩氏は就任以来、「北朝鮮式ハコモノ行政」に力を注いできた。馬園春氏は設計局長という立場で、金正恩時代を代表する遊園地やスキー場などレジャー施設の設計、資材の調達、建設のすべてを統括。さらに、2013年の張成沢処刑にも深く関わった側近中の側近と言える人物だ。 しかし、馬氏は昨年11月 ...

北朝鮮から海外に派遣された駐在員らが姿を消す事件が続き、各国の北朝鮮大使館に緊張が走っているという。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、今年9月にドイツと中国に駐在していた北朝鮮人の家族が相次いで姿を消した。彼らが外交官なのか貿易関係者なのかは詳らかではないが、誘拐などの情報がないところを見ると、韓国や第三国への亡命を準備している可能性が高い。 北朝鮮ではこのところ、官僚などエリートの脱北が相次いでいる。韓国の国家情報院によると、北朝鮮から脱出して韓国入りし ...

粛清、処刑を繰り返す金正恩第1書記の恐怖政治の内情が、日増しに明るみに出つつある。 韓国の国家情報院傘下の機関は26日、金正恩体制になってから100人余りの幹部が処刑されたと明らかにした。今年7月の時点では70人と言われていたが、それをさらに上回る。 70人というのは今年5月、側近である玄永哲前人民武力相が大口径の高射砲で文字通り「ミンチ」にして処刑されてから、それほど経ってない時点の数字であり、今回の「100人処刑説」は充分に説得力がある。 【参考記事】玄永哲氏の銃殺で使用 ...

金正恩第1書記が、北朝鮮の最高指導者になって以後、100人余りの幹部が処刑されたという説が提起された。 韓国の情報機関「国家情報院」傘下の国家安全保障戦略研究院は26日、韓国ソウルのプレスセンターで「金正恩政権4年の評価と南北関係の展望」というテーマで開催される会議を前にして、準備されたイ・スソク首席研究委員の発表文を公開した。 イ首席研究委員は、発表文「金正恩政権4年の評価:北朝鮮政治の変化」を通じて、金正恩氏は絶対権力に陶酔しており「傍若無人な性格」、「無慈悲な処刑」、「 ...

故金正日氏が、クロマグロなど高価な食材や高級ブランデーを好んだことはよく知られている。その後継者である金正恩第1書記も、北朝鮮の一般住民には想像もできないほど優雅な生活を送っている。 例えば、正恩氏と李雪主夫人はスイス製のペア・ウォッチを愛用している。李雪主夫人も某有名ブランドのクラッチバッグを愛用するなど、夫婦揃って海外ブランドに相当なコダワリを持っているようだ。そのくせ、正恩氏は国民に対しては輸入品に頼る「輸入病」をなくせ、と口酸っぱく言い聞かせている。 金正恩氏のトイレ ...

金正恩第1書記に異議を唱えたとして大口径の高射銃で人体を文字通り「ミンチ」にするやり方で処刑したり、「韓国人スパイ」と関係をもった容疑により芸術関係者を400~500人の前に引き出し、機関銃で体を粉々にするなど、残忍な処刑方法が伝えられる北朝鮮で、またもや理不尽な処刑が行われた。 【参考記事】北朝鮮の公開処刑、衛星写真で確認 【参考記事】スパイ容疑の芸術関係者を「機関銃で粉々に」 舞台となったのは中朝国境に面した北朝鮮の両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市。米政府系のラジ ...

北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信が9日、日本社会で児童に対する性的虐待が増えているとして、日本の子供の保護のための制度的取り組みに背を向けた「人権蹂躙国家」だ、とこき下ろす論評を配信した。 この論評はどうやら、「日本の女子生徒の13%が援助交際に関わっている」と発言して物議をかもしたマオド・ド・ブーアブキッキオ国連特別報告者の会見を受けて書かれたもののようだ(同報告者は発言を事実上撤回)。 論評の内容は、2012年に大阪府警の巡査長(当時)が海水浴場で知り合った少女に酒を飲 ...

北朝鮮が第7回党大会を来年5月に開催することを発表した。 11月30日、北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は、「第7回朝鮮労働党大会」の招集を報道。北朝鮮ウォッチャーたちは「遂に党大会が開かれる!」と色めきだった。 それもそのはず。朝鮮労働党は原則的に5年ごとに党大会を招集し、それまでの成果の総括や今後の方向性を明確に打ち出さなければならないのだが、第6回大会を最後に開かれておらず、来年に開催されれば実に36年ぶりとなるからだ。 北朝鮮は朝鮮労働党が指導する国家だ。それに ...

11日、東京新聞が衝撃的なスクープを放った。 同紙は、北朝鮮が工作員を養成する平壌の「金正日政治軍事大学」にて、スパイ教育に使用される内部資料を入手。「拉致」の方法などが具体的に記されているという。デイリーNKでも、何度か北朝鮮の内部資料に関する何度かスクープ記事を掲載しているが、これほどの資料は滅多にお目にかかれない。素直に脱帽と言わざるを得ない。 内部資料の詳細に関しては、本日(11日)付の東京新聞に詳しく掲載されているが、今回の資料によって北朝鮮が国家主導で「拉致」を行 ...