北朝鮮の憲法(朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法)は、宗教の自由を保障しているが、実際は一切認めておらず、激しい弾圧を加えている。とりわけ、布教活動に熱心なキリスト教は「禁教」として弾圧の対象となってきた。 地下教会の信者が処刑 一例を挙げると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市に住んでいたパク・ミョンイル(仮名)さんは、中国を訪れた際に入手した聖書を所持していた容疑で、2000年の秋に保衛部(秘密警察)に逮捕された。裁判を経ずに過酷な人権侵害が常態化している収 ...

韓国政府系シンクタンクの統一研究院は18日、ソウル市内でセミナー「北朝鮮の人権実態および政策会議」を開催。北朝鮮の教化所(刑務所)などで行われている拷問の実態について明らかにした。 公開処刑が日常茶飯事 同研究院北朝鮮人権研究センターのハン・ドンホ副研究委員の報告によれば、中朝国境地域の咸鏡北道にある全巨里(チョンゴリ)教化所は、3000~4000人の収監者のうち、中国から強制送還されてくる脱北者の割合が高い。ここでは、収監者に対する暴行が日常化しており、栄養失調や疾病などで ...

北朝鮮が世界各地で運営するレストランが苦境に追い込まれている。 韓国の聯合ニュースによると、国連安保理で対北制裁が採択されて以後、海外の北朝鮮レストランの約3割が店を閉じたという。閉店に追い込まれる店舗は今後も増えそうだ。国際社会の経済制裁に加え、韓国政府が自国民に対して「利用自粛」を訴え、「お得意様」だった韓国人観光客の客足が急速に落ちたためだ。 美貌ウェイトレスの人気爆発 それに加えて、レストランの目玉でもあった「美貌のウェイトレス」がいなくなる、いわば店にとっての「スタ ...

北朝鮮の金正恩党委員長が、学校視察現場でタバコを吸っていたことが明らかになった。 北朝鮮の国営メディアは3日、金正恩氏が新しく建設された平壌中等学院を現地指導した記事を配信。朝鮮中央通信や労働新聞などの写真を見る限り、正恩氏が喫煙しているような様子は見られない。 体育館や廊下でも しかし、同日に朝鮮中央テレビが放映した現地指導の写真では、正恩氏が手にタバコを持ったまま学校内を見まわる写真が複数含まれていた。 北朝鮮当局は最近、大々的な禁煙運動に乗り出し、テレビでも禁煙に成功し ...

韓国の国家情報院(国情院)は1日、北朝鮮の金正恩党委員長の体重が130キロと見られるとの分析を示した。 国情院はこの日、韓国国会で開かれた情報委員会の懸案報告で金正恩氏の体重について、「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」と明らかにした。 恐怖政治のストレスか 昨年、高麗大学の研究チームが調査したところでは、30代の脱北者の男性は平均身長が166.5センチ、平均体重は62.8キロだった。 ...

北朝鮮で、大々的な禁煙キャンペーンが展開されている。しかし内部情報筋によると、国民の反応は芳しくないという。 正恩氏に「消防法違反」の疑い 北朝鮮では、これまでも禁煙がメディアで訴えられたことはあった。しかし、まともに行われたことは一度もなかった。政治講演会で多少触れられても、しばらくすれば反故になる。喫煙習慣は中学生の間でも広がるなど、増えることはあっても、減ることはなかった。 こうしたタバコ文化にもかかわらず、金正恩党委員長は最近「平壌市民は文明的な生活様式に合わせて生き ...

北朝鮮の金正恩党委員長の側近中の側近が「親日派」の子孫だという説が出てきた。 韓国の北朝鮮情報サイト「ニュー・フォーカス」は、北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」のトップである金元弘(キム・ウォノン)氏の母方の祖父ホン・ジョンウ氏が、日本の植民地時代に憲兵分遣所の補助員として勤務していたと報じた。金元弘氏が親日派だったという記録は、内部の幹部文書に詳細に記録されているという。 日本軍OBが作った空軍 金元弘氏が部長を務める国家安全保衛部は、ナチス・ドイツのゲシュタポのような治安 ...

北朝鮮で「家電ブーム」が起きているという。きっかけは5月に開催された朝鮮労働党第7回大会だった。先月の党第大会直前、デイリーNKは参加者に記念品として配る予定の「お菓子セット」を独占入手し、本欄でも詳細を報じた。 (参考記事:金正恩氏の「プレミアムお菓子セット」を独占入手!…党大会のお土産用 ) しかし、なぜ労働党大会をきっかけに「家電ブーム」が起きているのか。 ZARAやナイキも大人気 かつて、金日成時代に開催された党大会(最後の大会は1980年)では、参加者にカラーテレビ ...

脱北し、韓国で小説家となった男性がいる。名前はチャン・ヨンジンさん。現状では、脱北者で唯一のオープンリーゲイ(カミングアウトした性的少数者)だとされる。彼は昨年4月、自叙伝小説「赤いネクタイ」を韓国で出したが、このたびその英語版が出版されることになった。 近年になって、LGBT(性的マイノリティ)の権利擁護のための施策が各国で強化されつつあるが、権力者が人権の概念すらちゃんとわかっているか怪しい北朝鮮ではどうか。 軍隊では男性同士で 北朝鮮にも、もちろん性的マイノリティはいる ...

北朝鮮が、韓国に「対話攻勢」を仕掛けている。 まず16日、「南朝鮮当局が民族自主、民族大団結の立場からいかなる提案を打ち出すなら、それについても虚心坦懐に論議することができる」と韓国に呼びかける、政府・政党・団体の共同声明を発表。続いて20日、国防委員会が公開書簡を通じ、朝鮮労働党第7回大会で提案した南北軍事会談について、韓国政府が迅速に回答しなければならないと主張した。そして21日には人民武力部が、韓国軍に対して軍事会談開催のための実務接触を提案している。 凄惨な人権侵害 ...

今月、朝鮮労働党第7回大会の取材で平壌を訪れた米ワシントン・ポスト紙の東京特派員アンナ・フィフィールド記者が、変貌する北朝鮮の一面をレポートしている。 フィフィールド記者は、外国人居住者から「ピョンハッタン(平壌とマンハッタンを合わせた造語)」と呼ばれる平壌市内の一角で、贅沢な消費生活を送るドンジュ(金主)と呼ばれる新興富裕層にフォーカスしている。 覚せい剤ダイエットに牛乳風呂 ピョンハッタンには、寿司レストランや24時間営業のコーヒーショップまである。そこで、整形手術したパ ...

北朝鮮当局はやはり、4月の「北朝鮮レストラン従業員集団脱北事件」に、相当な衝撃を受けたようだ。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、国家安全保衛部(秘密警察)は、従業員らに対する監督責任を問われることをおそれ、金正恩氏に「中国のブローカーと結託した南朝鮮情報機関の誘引拉致劇だ」との報告を上げた。 人気爆発の美女も それに腹を立てた金正恩氏は保衛部に対し「君たちの本分は一体何かね」と叱責した上で「南朝鮮(韓国)当局に13人の即時送還を要求し、応じない場合には100 ...

北朝鮮が、自国の犯罪者を労働力として西アフリカの赤道ギニアに輸出、いわば「島流し」をしているとの疑惑が浮上している。 疑惑を報じたのは、スペインのバレンシアに本部を置く赤道ギニア系のインターネットニュースサイト「ロンべ・ディアリオ」。 同サイトは、赤道ギニアの首都マラボ近郊の犯罪都市、サンティアゴ・デ・バネイとレボラの間にある農場に北朝鮮から労働者が派遣されていると伝える。疑惑のある施設の衛星写真を見る限り、何の変哲もないように見えるが、中にいる関係者に話しかけようとすると、 ...

北朝鮮当局は、朝鮮労働党第7回大会(5月6日)を前に、住民に対する統制を強化。その一環として、韓流ドラマをはじめとする外国の映像作品など「違法録画物」に対する取り締まりを行っている。しかし、デイリーNKの内部情報筋によると、庶民たちは「ある秘密兵器」によって取り締まりに対抗しているという。 中学生男女が「野外」で… 北朝鮮で、「違法録画物」を専門的に捜査する機関「109常務(サンム)」は、普及が著しい携帯電話やスマートフォンのメモリに「違法ファイル」が記録されていると見て集中 ...

1980年以来、36年ぶりとなる朝鮮労働党大会の第7回大会が6日午前、平壌で開会した。そのうち詳細が伝わってくるだろうが、とりあえずの焦点は核開発、経済政策、朝鮮半島の統一政策について、金正恩氏がどのような方針を示すかだとされている。 そして、それらに劣らず重要なのが、金日成・正日政権の失政をどのように総括するか(あるいはしないのか)であると筆者は考えている。 とくに、1990年代後半の「苦難の行軍」と呼ばれる時代に対する総括は重要だ。 北朝鮮は、金日成氏による農業指導の欠陥 ...

北朝鮮が朝鮮労働党第7回大会の参加者に記念品として配る予定の「お菓子セット」を、独占入手した。 【画像】金正恩氏の「プレミアムお菓子セット」 セットの中身は、「ジャム・ロール」「ストロベリー・ウエハース」「かりんとう」「カステラ」「かぼちゃの種クッキー」「チョコパイ」など30種類。すべて平壌市内の「金カップ総合食品工場」で製造された。 金正恩第1書記は、これらのお菓子を製造する金カップ工場に対して、昨年と今年1月に現地指導して細かく指示するなど、並々ならぬ愛情を注いでいる。 ...