北朝鮮との国境に面した中国吉林省延辺朝鮮族自治州の州都・延吉の市場には、主に韓流ドラマを収めたVCDを売る店が多く存在した。ある店の主は、「夜に韓国で放送されたドラマが、次の日の朝にはVCDになって売られる」と豪語していた。街の規模に似つかわしくないほど大量のVCDが、北朝鮮に向けて出荷されていたのは公然の秘密だ。 時代が変わりVCDの店は姿を消したが、北朝鮮での韓流人気はとどまることを知らない。ご禁制の韓流コンテンツを取り締まろうとする当局と、なんとかして見ようとする人々の ...

「最高指導者の言うことに文句も言わず、黙々と従うロボット」 北朝鮮の人々に対してはかつて、このようなイメージが強かった。だが実際には、表向きは金正恩党委員長を褒め称えながらも、裏では毒を吐き、官憲の横暴にも様々な形で抵抗する「面従腹背」が、北朝鮮の人々の真の姿なのだ。 (参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命) ただ、思想的に問題がないとされた「選ばれし者」だけが居住を許される首都・平壌の状況は少し違う。他の地方とは比べ物にならないほど優 ...

韓国統一省の金銀漢(キム・ウンハン)副報道官は16日の定例会見で、北朝鮮の対韓国機関である祖国平和統一委員会が報道官談話で文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の15日の演説を激しく非難したことについて、「南北首脳間で合意した板門店宣言や平壌共同宣言の精神に合致しないだけでなく、南北関係の発展にも全く役立たない」と反発した。 北朝鮮側の談話は、文在寅氏が演説で朝鮮半島の平和構築などを訴えたことを非難し、「(韓国当局者と)これ以上話すこともないし、再び対座する考えもない」と宣言。さ ...

北朝鮮の金正恩党委員長は、国際社会の厳しい制裁を受ける中、国内で2つのメガプロジェクトを進めている。 ひとつは、「元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区」の開発だ。今年4月に行った建設現場の視察で金正恩氏は、「工事期間を6カ月間延長して来年の太陽節(金日成主席の誕生日)まで完璧に完成しよう」と延べ、工期延長を認めた。 (参考記事:金正恩氏、観光リゾートの建設現場を相次ぎ視察) 一方で、もうひとつのメガプロジェクト、「革命の聖地」である両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジ ...

北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会は16日、報道官(スポークスマン)談話を発表し、韓国の文在寅大統領が「光復節」(15日)に際して行った演説で朝鮮半島の平和構築などを訴えたことを非難、「(韓国当局者と)これ以上話すこともないし、再び対座する考えもない」と宣言した。 談話は、文在寅氏を極めて辛らつに批判している。例えば、次のような具合だ。 「わが軍隊の主力を90日内に『壊滅』させ、大量殺りく兵器の除去と『住民生活の安定』などを骨子とする戦争シナリオを実戦に移すための ...

北朝鮮の「朝鮮人強制連行被害者、遺族協会」のスポークスマンは15日、朝鮮半島が日本の支配から解放されて74年となったのに際して談話を発表し、日本政府に対して過去の清算を要求した。 談話は「日本帝国主義が大陸侵略のためにおおよそ840万人余りに及ぶ朝鮮の青壮年を海外侵略戦場と死の苦役場に強制連行し、20万人の朝鮮女性を日本軍性奴隷に連れて行って悲惨な運命を強要し、100余万人を無残に虐殺した」と主張。 続けて「現実がこうであるにもかかわらず、日本政府は朝鮮人民に働いた全ての罪科 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は14日、韓国が、米国の中距離ミサイルの自国配備を許せば、「自ら(米国の)弾除けになって自滅の道を歩む」ことになるとする論評を配信した。 論評はまず、米国の高高度迎撃システム「THAAD」(サード)の韓国配備に伴って起きた混乱に言及。「『THAAD』の配置によって南朝鮮の人民が得たものは戦争に対する不安と経済的被害、肉体的苦痛だけである。生の基盤を奪われた慶尚北道星州住民の恨みの声は日増しに高まっている」と指摘した。 (参考記事:日韓「レーダー照射問題 ...

北朝鮮の物価はすべて国が決めることになっている。いわゆる国定価格というものだ。かつて、生活必需品から住宅に至るまで生活に関わるほぼすべてのものを無償、または極めて低価格で国が配給していた時代には意味のある数字だった。 しかし、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の発生と前後して、配給システムが崩壊してからは、ほとんどのものを市場で実勢価格で購入しなければならなくなった。国定価格は未だに発表され続けてはいるが、ほとんど有名無実と化している。 その中で、数少ない国定価格が適用さ ...

北朝鮮で20代女性を殺害し、現金と持ち物を奪った容疑で逮捕された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元兵士に判決が下された。 言い渡された刑は、一般的な量刑の相場より軽いものだった。このような場合には、市民の間から不満の声が上がるものだが、今回に関してはそうなっていないと、デイリーNKの内部情報筋が伝えた。 情報筋によると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)に在住する元兵士は、25歳の女性を殺害し、自転車と現金を奪ったが、後に逮捕された。先月中旬に公開裁判が行われ、そこで言 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、韓国こそが「情勢緊張の主犯、平和と安定の破壊者である」であるなどと猛非難する論評を配信した。 論評は、韓国が最近「『多様な安保脅威』をうんぬんして軽空母級の大型輸送艦と3隻の新型イージス艦など艦船の建造計画を推し進めている中、F35A戦闘機と空中目標打撃のための迎撃手段、高高度無人偵察機グローバルホークをはじめとする先端武装装備の搬入もエスカレートしている」と指摘。「朝鮮半島の情勢を軍事的緊張激化へと導く危険極まりない行為である」と非難。 ま ...

北朝鮮は11日、米韓両軍が同日から合同指揮所演習を開始したことを受けて外務省局長の談話を発表し、米韓合同軍事演習を即時中止するか韓国が演習について誠意ある釈明を行うまでは「南北の接触自体が難しい」と表明した。 一方、トランプ米大統領は10日、ツイッターで「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米韓合同軍事演習後に会い、(非核化)協議を始めたいと手紙で書いてきた」と明かした。金正恩氏はまた、7月下旬から続ける短距離ミサイル発射について「演習が終われば発射実験をやめる」と伝えてきたとい ...

トランプ米大統領は9日、北朝鮮の金正恩党委員長から前日に「非常に美しい書簡」を受け取ったとホワイトハウスで記者団に明かした。書簡の中身については「(トランプ氏)個人に向けたもの」であり、「非常に前向き」と説明したが、詳細については言及していない。 ただ、金正恩氏が書簡の中で5日から始まった米韓合同軍事演習への「不快感」を表明したことを明らかにしつつ、「私も(合同演習を)一度も好きだったことはない。なぜなら米国が費用を支払うのが気に入らないから」と述べ、金正恩氏に同調して見せた ...

北朝鮮の対韓国機関、祖国平和統一委員会の統一宣伝局は8日、米韓合同軍事演習を巡り韓国政府を非難する真相公開状を発表した。 公開状はまず、「南朝鮮当局は、対話の場ではわれわれと『和解と平和』の握手をし、後ろでは『軍事的備え態勢においては抜かりがあってはならない』と力説し、外部勢力と共に同族に反対する合同軍事演習を引き続き強行している」と指摘している。 そして、韓国政府が昨年から今年にかけて推進してきた米国との軍事協力や、軍備増強の事例を列挙しながら、「同族に対する信義を捨てて米 ...

訪日したエスパー米国防長官は7日、岩屋毅防衛相、安倍晋三首相と相次いで会談し、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が維持されることを「心の底から願う」と強調したという。 エスパー氏は8日から訪韓しており、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相らとの会談でも同様の意向を伝えると見られる。 日韓関係が悪化の一途を辿る中、韓国政府は日本による半導体関連材料の輸出規制措置に対抗し、GSOMIAを破棄する可能性をチラつかせている。7日には世論調査会社のリアルメーターが、GSOMIA破 ...

韓国軍合同参謀本部は6日、「北朝鮮が今日未明、黄海南道(ファンヘナムド)一帯から東海(日本海)上に2回、未詳の発射体を発射した」と明らかにした。韓国の文在寅大統領が前日の首席秘書官・補佐官会議で、「日本の経済がわれわれの経済に比べて優位にあるのは経済規模や内需市場で、南北の経済協力で平和経済を実現すれば、一気に追いつくことができる」と強調した矢先のことだ。 国際社会による対北制裁が解かれ、韓国と北朝鮮の全面的な経済協力が実現した場合、どれくらいの効果を生むかには様々な見方があ ...

北朝鮮では国家機関や朝鮮労働党の幹部らが権力を笠に着て、庶民からなけなしのカネを搾り取り、私腹を肥やす腐敗が横行している。金正恩党委員長はこうした不正腐敗を厳しく取り締まる姿勢を見せているが、それほどの効果を見せていない。こうした不正腐敗は医療現場にも及んでいる。 北朝鮮は、かつては無償医療を誇っていたが、1990年代に「苦難の行軍」といわれる深刻な食糧危機に見舞われ完全に崩壊した。 北朝鮮と国交がある英国外務省が2015年7月に発表した「北朝鮮の医療施設と医師のリスト」とい ...