先月21日、北朝鮮の清津(チョンジン)造船所で発生した駆逐艦の進水失敗事故。新造した艦が横倒しになる様を目撃した金正恩総書記は激怒し、今月下旬に開催される朝鮮労働党中央委員会の総会までの復旧を命じた。 そして米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は3日、衛星写真の分析結果から、駆逐艦が直立の状態に戻されたと明らかにした。 しかし、作業は理不尽な指示を繰り返す正恩氏の介入によって混乱を極めていたと、デイリーNKの現地情報筋が伝えている。 党軍需工業部の幹部2人は、事故発生直後に、 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、北朝鮮北東部・清津(チョンジン)の港で21日、5000トン級の駆逐艦の進水式が行われたが、その過程で事故が発生。船底の一部に穴が開く重大な事態に至った。 その一部始終を目撃した金正恩総書記は、「単に不注意と無責任、非科学的な経験主義によって生じたあり得ないこと」と主張し、「到底容認できない深刻な重大事故で、犯罪的行為」と断罪。そしてこの件を、「来月に招集される党中央委員会総会で取り扱わざるを得ない」と宣言した。 北朝鮮において、最高指導者から ...

毎年のように深刻な自然災害に襲われる北朝鮮では、昨年7月、中国との国境を流れる鴨緑江が大雨で氾濫した。この氾濫により、北朝鮮の公式発表でも死者は1500人、家を失った者は1万5000人に達した。実際の死者や被災者の数はこれをはるかに上回ると見られている。 鴨緑江から遠く離れた平安南道(ピョンアンナムド)安州(アンジュ)では被害の有無は不明であるが、市内の小学校では、災害復興に尽力した金正恩総書記の「偉大さ」を讃える教育が行われている。しかし、子どもたちの反応は意外なものであっ ...

北朝鮮の非公式経済(市場経済)の要衝と言えば、北東部の清津(チョンジン)と首都・平壌郊外の平城(ピョンソン)である。前者は全国最大と言われる巨大市場を擁し、後者は国内外から集まった物資を大消費地の平壌や全国各地に送り出す機能を果たしている。 平城市場に次ぐ規模を誇る玉田(オクチョン)市場は、独特の流通ネットワークを形成していることで知られるが、韓国のサンドタイムズによると、この機能が今年3月初旬から麻痺状態に陥っているという。 国境経済が機能停止 北朝鮮全域の価格基準を定めて ...

朝鮮中央通信など北朝鮮の国営メディアは4月26日、新たに建造された多目的駆逐艦の進水式が、25日に金正恩総書記の出席のもとで行われたと報じた。式典には、「ジュエ」の名で知られる金正恩氏の娘も同行した。 その様子はテレビを通じて報じられたが、国内では金正恩氏の過度な儀式重視に対する批判の声が上がっている。どうやら、まだ幼い娘を前面に押し出すなど、先代と先々代では見られなかった演出に違和感が強いようだ。(参考記事:「金正恩の娘は国産の服を着ろ」反発強める北朝鮮の若者たち) 娘とだ ...

北朝鮮の拘禁施設は大別して「教化所」と「管理所」に分類される。教化所には、刑法に違反したあらゆる犯罪者が収容される。一方、管理所は政治犯専用の収容所だ。これ以外にも、比較的軽い罪(懲役2年未満)を犯した者が収容される「鍛錬隊」という施設もある。 最近、4カ所の教化所が増築され、教化所と思われる新たな拘禁施設1カ所の建設が進んでいる様子が、衛星写真を通じて確認された。これは、北朝鮮当局による住民への統制強化と、それに伴う収容者の増加を示すものと思われる。韓国のサンドタイムズが報 ...

北朝鮮では毎年4月に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の招募(徴兵、入隊)が行われる。人気のある配属先といえば、かつては国境警備隊だった。密輸や脱北の手助けをして収入が得られ、それなりに豊かな生活ができたからだ。 今年、人気を集めているのは情報(IT)部隊だ。息子をそこに配属させるべく、親たちの黒いカネが飛び交う事態となっている。軍のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 朝鮮人民軍は、兵力としてのIT分野を強化するため、一部の機械化師団に「情報兵独立分隊」を設置した。所属する兵士は個室を与え ...

北朝鮮には、平安北道(ピョンアンブクト)の雲山(ウンサン)、平安南道(ピョンアンナムド)の檜倉(フェチャン)、黄海北道(ファンヘブクト)の延山(ヨンサン)などに金鉱が存在する。 採掘された金は製錬所で金塊にされて、朝鮮労働党の秘密資金になる。民間人の金の採掘、所有、売買は厳しく禁じられており、違反すれば処刑されるほど重罪扱いだ。しかし、儲け話の少ない国で、金に手を出す人が後を絶たない。 最近では、精錬法を習得して金塊を作る人も現れた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA) ...

北朝鮮の地方で視聴可能なテレビは、国営の朝鮮中央テレビ1チャンネルだけだ。だが、チャンネルを回すと様々な電波がキャッチできる。 中国との国境に接する地域、特に北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)では、中国の延辺テレビや、琿春、図們などのテレビ局の朝鮮語チャンネルが映る。両江道(リャンガンド)では、朝鮮語で放送する長白テレビが受信できる。それ以外の国境地域では、中国語で放送する数十チャンネルの受信が可能だ。 一方、韓国との軍事境界線に接する黄海南道(ファンヘナムド)、江原道(カ ...

ウクライナ軍が一部占領したロシア西部クルスク州の大部分をロシア軍が奪還したと伝えられる中、英国のメディア「インディペンデント」は14日、ロシアに加勢する北朝鮮軍が「自殺攻撃」の波状攻勢をウクライナ軍に加えたと報じた。 記事によれば、現地で戦うウクライナ軍の偵察部隊将校は、北朝鮮の戦術を、大量のアクセスによってウェブサイトをダウンさせるサイバー攻撃に例え、インディペンデントの取材にこう答えている。 「我々は、DDOS攻撃のような『人間の波』に直面した…我々は10人中8人の北朝鮮 ...

北朝鮮北東部の経済特区、羅先(ラソン)で40代の母親とその娘が遺体となって発見される事件が起きた。直接の死因は一酸化炭素中毒だったが、たとえ中毒事故がなかったとしても、死は免れないほど追い詰められていた。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは今月1日のことだ。40代女性のキムさんが、朝鮮社会主義女性同盟(女盟)が毎週土曜日に行っている生活総和(総括)に姿を見せなかった。 玄関ドアを蹴破り 障がいがあり、極貧生活を送っていた彼女は女盟の ...

想定外にも程がある。金正恩総書記が鳴り物入りで立ち上げた「地方発展20×10」政策。首都・平壌とは比べ物にならないほど立ち遅れた、地方の経済に投資し、バランスの取れた発展を目指すというもので、これに基づいた工場が次々に完成している。 国営メディアは盛んに喧伝しているが、現場の幹部から政策の存在意義に疑問を呈す声が上がるほど、うまく行っていない。建設された工場がいずれも正常に稼働できていないと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 国営の朝鮮中央テレビは、両 ...

徹底した監視社会の北朝鮮では、すべての企業、組織、そして町内にも保衛部(秘密警察)の情報員(スパイ)がいる。人びとの動向を監視し、なにかあれば保衛部に報告する。そのためにはもちろん、スパイとしての正体を隠さなければならない。 一向に解消しない食糧難と経済的苦境により、北朝鮮国内には不満が渦巻いている。当局は、国民に対する監視を強化したが、その不満が、正体がバレてしまった情報員にぶつけられる事態となっている。平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 玄関扉 ...

北朝鮮の人権問題のうちでも深刻なもののひとつが、適正な手続きを経ない超法規的な処刑だ。死刑そのものの是非は別としても、北朝鮮ではたとえ正式な裁判にかけられたとしても、被告が十分な自己防衛をできるわけではない。それに加え、法を超越した存在である独裁者は、どのような命令を下すこともできる。 脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏は自身のブログで、金正恩氏がいかに処刑命令を下すかを、北朝鮮内部から得た目撃情報として伝えている。 巨漢の兵士たちが… 金正恩氏は2015年8月にスッポン養 ...

北朝鮮の社会安全省(警察庁)は昨年12月、全国の安全部(警察署)に対して、横暴な振る舞いをやめるように指示を下した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、指示の内容は次のようなものだ。 「すべての安全員は高邁な道徳的品性をもとにして社会秩序を確立し、人民の生命と財産を保護する役割を担うべきだ」 こうした指示の背景にあるのは、配給を減らされて食い詰めた安全員(警察官)や保衛員(秘密警察)らの悪質化だ。昔から庶民を苦しめてきた彼らが、いっそうたちの悪い行い ...

北朝鮮の携帯電話の回線は、2022年の時点で700万に達したと見られている。スマートフォンを使っている人も少なくなく、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によれば「青松(チョンソン)222」「青松234」「三台星(サムテソン)8」の3機種が若者の間で人気だという。 それぞれ価格は3800元(約8万1700円)、5000元(約10万7500円)、6800元(約14万6200円)と目が飛び出るほど高価だ。一般的な労働者の月給が5万北朝鮮ウォン(約350円)に過ぎない庶民 ...