サッカー2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本と北朝鮮の一戦が21日、東京の国立競技場で行われ、日本が1-0で勝利した。前半に先制された後も再三にわたり日本に決定的場面を作られながら、最少失点でしのいだ北朝鮮も善戦したと言える。 北朝鮮サッカーを巡っては、重要な試合で「負けたら炭鉱送り」ということが長年にわたり言われてきた。筆者は、少なくとも近年では、そのようなことはないと考えている。だが、火のない所に煙は立たぬ、である。 イタリア戦得点「英雄」も かつて大活躍 ...

北朝鮮国防省は4日、米韓合同軍事演習の中止を求める報道官談話を発表。「一点の火花によっても核戦争が起こりかねない」として、米韓をけん制した。 ただ、北朝鮮は偵察衛星や弾道ミサイルの開発に大金をつぎ込む一方で、末端兵士たちが劣悪な生活環境に苦しみ、軍全体での力を落としている事実もある。 ただ、北朝鮮は偵察衛星や弾道ミサイルの開発に大金をつぎ込む一方で、末端兵士たちが劣悪な生活環境に苦しみ、軍全体での力を落としている事実もある。 地面に掘った穴で 両江道(リャンガンド)の軍関連情 ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は先月27日、北朝鮮がロシアに提供した砲弾の半分以上が性能不良だと報じた。 RFAは、ウクライナ国防省情報総局(GUR)のヴァディム・スキビツィキー副局長の現地メディアとのインタビューに基づき、「ロシアが不足している兵器生産問題を解決するために北朝鮮の支援を受けたが、望んだ結果を得られずにいる」と伝えた。 同副局長はまた、ロシアはすでに北朝鮮から150万発の弾薬を輸入したが、それらは1970~80年代に作られたもので、半分以上が作動し ...

北朝鮮では「迷信」が刑法で禁じられている。迷信の最たるものとしては宗教があり、中でもキリスト教に対しては苛烈な弾圧が加えられている。 内容もわからずに、ただ聖書を持っていただけの女性が処刑にされた事例もあったほどだ。 「金正恩の運は尽きる」 同じ迷信の類にされる「占い」も違法行為であることには変わりないが、キリスト教ほどのタブーではなく、高位幹部から庶民に至るまでハマる人が少なくない。特に今のような生活の苦しい時期ほど、占いが流行る。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA ...

韓国紙・東亜日報は26日、中国に派遣された北朝鮮労働者約2000人が先月、賃金未払いに抗議して工場を占拠し、大規模なデモを行ったと伝えられる中、北朝鮮当局が暴動を主導した10人前後を北朝鮮に送還したと報じた。暴動参加者を全員帰国させたくても、国連安保理の制裁決議を気にする中国が同数の新規受け入れに否定的なことから、外貨稼ぎを優先して少数の送還にとどめたのだという。 暴動の現場となったのは縫製工場で、派遣されているのは当局側管理者を除き全員が女性だ。読売新聞によると、20歳代の ...

校則違反のボンタンやスケバンスカートを、生活指導の教師にハサミでチョキチョキと切られる。 昭和から平成初期の不良中高生の間では、学校の制服をわざと変形させたものを着るのが流行った。男子の場合はニッカポッカのようにダボダボのボンタン、女子の場合は長いスケバンスカートが定番だった。教師は、それらをハサミで切り落として短くするという、今なら器物損壊に問われかねない乱暴なやり方で対処していた。 一方、韓国では1970年代、男性の長髪や女性のミニスカートが取り締まりの対象となった。スカ ...

国連総会で人権問題を担当する第3委員会は11月15日、北朝鮮による人権侵害を非難する欧州連合(EU)提出の決議案を議場の総意(コンセンサス方式)により投票なしで採択した。2005年から19年連続で採択された北朝鮮人権決議案は今月、国連総会本会議に上程される。 北朝鮮は相変わらずこうした動きを「謀略だ」と主張しているが、同国が新型コロナウイルス対策の国境封鎖を解いた影響もあるのか、今年は人権侵害の状況を示す情報が新たにいくつも伝わってきた。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(R ...

なぜ新しい建物は平壌ばかりに建てられるのか。そんな地方の人々の不満を意識して始められたという北朝鮮の農村住宅建設が、現在、各地で盛んに行われている。 北部の両江道(リャンガンド)には、各地の朝鮮労働党員からなる「党員大隊」を投入し、急ピッチで建設が進められているが、ここに来て急ブレーキがかけられた。手抜き工事が横行しているのだという。詳細の現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 道内では、国営の朝鮮中央テレビや労働新聞の記者が取材にやって来た竣工式の開始直前に水道管が破裂し、 ...

北朝鮮の最高人民会議常任委員会第14期第27次全員会議は今年8月、改正選挙法を採択した。 その内容を見ると、今まで投票箱は1つしかなかったのが、「賛成」「反対」と書かれた2つの箱を設置する、秘密投票の保障などの内容が含まれているが、最も注目されるのは、一部選挙区で複数候補が認められるという点だ。 その仕組みは、地域、部門、職業、ジェンダーバランスなどを考慮して2人の選挙者(候補者)を推薦し、「選挙者会議」で候補者が資格を満たしているかを「資格審議」で審査し、最終的な立候補が認 ...

北朝鮮を訪れる外国人観光客が決して連れて行ってもらえないところ、それは市場だ。社会主義計画経済で国が成り立っていることが建前であるため、資本主義的要素のある市場は、外国人に見せてはならないと考えられているようだ。 市場で売られているストリートフードも、外国人が味わうことのできないリアル北朝鮮B級グルメだ。その代表例として挙げられるのが「人造肉」。おどろおどろしい名前だが、おからを固めて作ったソイミートのことで、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころに、肉の代用品として作 ...

最近になって、北朝鮮から公開処刑の情報が相次いで伝えられている。 両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)では、大量の牛を盗んで売り払ったとして、9人が、多くの市民が見守る中で処刑された。厳しい経済状況から各地で強盗・窃盗などの犯罪が相次いでおり、見せしめにすることによって犯罪を抑制しようという「さらし首」にも通じる、前近代的な法感情に基づいたやり方で対処している。(参考記事:「あまりに残忍だ」男女9人公開処刑で北朝鮮に怒りの世論) カメラが捉えた現場 咸鏡北道(ハムギョンブクト ...

朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった1920年代、中高等教育を受けた女性たちは、「新女性」と呼ばれ、社会への進出を果たしていった。その背景にあったのは、思想家・平塚らいてう(ひらつか・らいちょう)の新婦人協会の活動だ。その立ち上げに関わった奥むめおの夫である中西伊之助は、平壌日報や平壌日日新聞で記者として活動し、投獄も経験している。 奥と中西の両人は1925年8月、ソウルで講演会を開くなど、女性運動、労働運動に限らず、被差別階級の白丁(ペクチョン)の解放を目指した衡平社や、朴 ...

北朝鮮の通り沿いに立ち並ぶ様々な店舗。八百屋、食堂、薬局などなど。しかし、一部を除いていずれもひとけがない。開店休業状態だからだ。 いずれの店も国営商店で、国家計画委員会が決めた量の商品を販売し、決められた額の利益を国に納めることになっているが、そもそも商品が供給されないのだ。というのも、工場も多くがやはり開店休業状態だからだ。 そこで編み出されたのが、民間への運営権の貸し出しという手法だ。市の商業部に毎月上納金を納めて営業許可と国営商店の名義を借りた商人は、店舗を借りて家賃 ...

日本や韓国と同様、北朝鮮も少子化による人口減少が深刻化している。脱北者で韓国紙・東亜日報の記者であるチュ・ソンハ氏は、独自に入手した北朝鮮の中央統計局の内部資料に基づき、2005年の2100万人を頂点に人口が減少し始め、2015年には2060万人まで減った報じている。世界保健機関(WHO)の資料では2566万人(2021年7月時点)となっているが、これは大幅に水増しされたものだ。 人口減少に伴い、小学校の学級数が減少していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じ ...

韓国統一省は3月31日、脱北者500人余りの証言に基づき作成した北朝鮮人権報告書を公開した。 韓国政府は2016年に施行された北朝鮮人権法に基づき、聞き取り調査を開始され、翌年から報告書を毎年まとめていた。これまでは脱北者の個人情報漏えいの恐れや北朝鮮の反発を考慮して非公開とされていたが、北朝鮮の人権問題に積極的な尹錫悦政権が公開に踏み切った。 妊婦が躍る動画 報告書には、殺人などの凶悪犯罪だけでなく、薬物取引や韓流コンテンツの視聴・流布、宗教や占いなどの迷信行為など、様々な ...

北朝鮮で、今年1月の最高人民会議(国会に相当)第14期第8回会議で採択された「平壌文化語保護法」。北朝鮮の標準語である「文化語」を守るとの名目で、韓国式の言葉遣いを厳しく取り締まるものだ。 デイリーNKは最近、この「平壌文化語保護法」の全文を入手した。2020年に成立した「反動思想文化排撃法」と合わせて、ドラマ、映画などの韓流コンテンツの流入に危機感を覚えた北朝鮮が、その排除にやっきになっていることがうかがい知れるものだ。(参考記事:北朝鮮「韓流コンテンツを流通させたら死刑」 ...