◯モンゴルでエイズ被害 ◯南アフリカでエイズ蔓延 ◯イスラエルでエイズ蔓延 ◯昨年エイズによる世界的死亡者数は77万人 これらは北朝鮮国営の朝鮮中央通信が、今年に入ってから報じたエイズ関連の記事の見出しの一部だ。そのほとんどが「他国でエイズが蔓延している」というものだ。 一方で北朝鮮政府関係者と世界保健機関(WHO)の関係者は、昨年12月1日の「世界エイズデー」に、北朝鮮におけるHIV感染事例は一件もなかったと発表している。 (参考記事:北朝鮮、「我が国にエイズ患者はいない」 ...

原潜や空母を欲しがるのは、それらを持つことで周辺国に対して立場を強めたいという、民族派政治家たちの「危険な遊び」に見える。 (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は) 韓国では近年、原子力潜水艦を保有すべきとの主張が台頭している。北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に力を入れており、これを搭載した潜水艦が実戦配備された場合、常時監視と即応体制の強化のため、長期間にわたり水中活動が可能な原潜が必要である、との理屈だ。 文在寅大統領も大 ...

やや旧聞に属する話となるが、今年の7月8日の夜、北朝鮮・平安南道(ピョンアンナムド)の某所で騒ぎがあったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。そしてこの騒ぎの背景には、現代北朝鮮における、ある「悲しい話」があった。 7月8日と言えば、金正恩党委員長の祖父・金日成主席の命日である。そのため北朝鮮では、毎年6月末から7月上旬にかけて「哀悼期間」が設定され、金日成氏を偲ぶ様々な政治イベントが行われる。2011年12月17日に死亡した金正日総書記に対しても同様だ ...

北朝鮮メディアは10月16日付で、金正恩党委員長が中朝国境にまたがる朝鮮半島の最高峰・白頭山(ペクトゥサン)に登頂したことと、その麓にある三池淵(サムジヨン)郡の再開発現場を視察したことを報じた。登頂と視察の日時は明らかにされていないが、直前の数日間の出来事と見てまず間違いない。 北朝鮮メディアは通常、金正恩氏の地方視察などの動静について日時を明かすことはない。たまに例外もあるが、中朝国境や軍事境界線付近などに出向く際には、秘密保持の徹底に特に気を使っているようだ。 「妻のス ...

デビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は26日、都内の在日米国大使館でメディアの取材に応じ、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を宣言したことを巡り、文在寅政権に決定の撤回を求める考えを示した。 米「韓国に致命的な結果」 スティルウェル氏は同時に、「日韓双方に2国間の摩擦解消に向けて働きかける」と述べており、韓国だけを圧迫したわけではない。 しかし、GSOMIAは11月22日いっぱいで失効する。こうしたタイムリミットがあるだけに、韓国 ...

金正恩党委員長の様子がおかしい。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は27日、金正恩氏が妙香山(ミョヒャンサン)医療器具工場を現地指導したと伝えた。金正恩氏は、同工場について一定の評価をしつつ、「一部の欠陥もある」とし、「一部建物の外壁タイル面の平坦度がよく保障されず、継ぎ目も合っていない、ある部分は壁塗りの面も均等でない」と、不満を述べた。 金正恩氏は現地指導でたびたび不満を述べたり、時には怒りを露わにしたりする。3年前にスッポン養殖工場をした際、管理不備に激怒。支配人を銃殺させ、その ...

北朝鮮が、国連安全保障理事会が主導する経済制裁をかいくぐり、石炭を密輸している状況が継続的に捕捉されている中で、当局がこうして稼いだ外貨の一部が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に流れ込んでいるもようだとする証言が出た。 「骨と皮だけ」女性兵士の暴走 平壌の情報筋はデイリーNKの電話取材に対し、「国内産の石炭を積んだトラックが続々と南浦(ナムポ)港に向かっている。本来なら石炭の輸出はできないが、密輸が行われているのは事実だ」と述べた。 情報筋はまた、「石炭は中国に行っている」とし「人民軍 ...

今年9月、中朝国境地帯に住む家族3人が脱北を試みたがあえなく逮捕される事件が起きた。その背景を巡って騒動が起きていると両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件は、鴨緑江を挟んで中国と向かい合う両江道の恵山(ヘサン)で起きた。現地に住む3人が川を渡って中国に向かおうとしたとしたが、川岸に達する前に保衛員(秘密警察)に全員逮捕されてしまったのだ。無事だったのは、異様な空気に気づいていち早く逃走した脱北ブローカーだけだった。 「ニオイ拷問」の恐怖 3人のうち、 ...

金正日氏はかつて、愛人だった女優が別の男性との間でスキャンダルを起こすや、父である故金日成主席に自分との関係が恐れ、文字通りズタズタにして公開処刑されたと言われる。 (参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇) 北朝鮮国営の朝鮮中央通信によれば、金正恩党委員長は最近、金剛山(クムガンサン)観光地区を現地指導した。先日の本欄でも言及した通り、金正恩氏はここで韓国との経済協力として進められた過去の金剛山観光事業を批判しつつ、次のように述べている。 ...

韓国と米国が2020年以降の在韓米軍の駐留経費負担の規模を決める2回目の協議が23日午前(日本時間24日早朝)から、米ハワイ州ホノルルで2日間にわたり行われた。 米国はこれに先立ち、韓国の防衛にかかる費用が年間48億ドル(約5215億円)にのぼると文在寅政権に伝え、韓国側の大幅な負担増額を求めている。2019年の韓国側の負担額は1兆389億ウォン(962億円)だから、48億ドルはその5倍以上だ。 「敵性国」向けの表現 トランプ政権の内部やその周辺にも、同盟国に対するこうした態 ...

トランプ米大統領は今月18日、北朝鮮を資金援助の禁止対象に再指定した。理由は、北朝鮮政府が人身売買の被害を防止するための最低限の措置を講じていないためだ。 これは米国務省が毎年定期的に行っている人身売買国指定に沿ったものだが、韓国紙・朝鮮日報は次のような見方を示している。 「今回は今月初めにスウェーデンで行われた米朝実務協議の決裂が影響したとの見方も出ている。米国は北朝鮮に対して交渉再開を促す一方、北朝鮮のアキレス腱(けん)とも言える人権問題で圧力を加える『ツートラック』戦略 ...

朝鮮人民軍(北朝鮮軍)には警務隊と呼ばれる組織がある。兵士や軍関係者の犯罪を取り締まる権限を持つ、憲兵隊とよく似たものだ。独自の哨所(検問所)を各地に設置、人や物資の出入りを監視しているが、その権限を利用して通行料、つまりワイロを要求したり、横暴に振る舞うなど、とかく評判が悪い。それだけに、時には報復に遭うこともある。 (参考記事:【北朝鮮軍での思い出】特殊部隊偵察兵、憲兵をボコボコにする(上)) そして最近、そんな警務隊の鼻っ柱がへし折られる事件が起きたと、平壌のデイリーN ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は今年8月28日、「頼もしい青年大軍を持っているわが祖国の行く先は果てしなく洋々としている」という題名の社説を掲載した。 当日の青年節を祝うこの社説の主張を一言で要約すると、「金正恩党委員長と体制を守り、国を発展させるのは若者の役目だ」ということだが、当の若者は冷めきっている。 配給制度が完全に崩壊した後の北朝鮮で生まれ育ち、国家や金正恩党委員長のことを「ありがたい」と思わず、社会のことより個人の生活を大切にする若者らは「チャンマダン(市場) ...

北朝鮮の金正恩党委員長が、韓国の文在寅大統領が提唱する南北経済協力に対してダメ出しをした。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は23日、金正恩氏が金剛山観光地区を現地指導したと報じた。金剛山観光事業は、開成工業団地とともに南北経済協力の象徴とされていたが、2008年に韓国人観光客が北朝鮮兵士に射殺される事件が起きて以来、10年以上中断されている。 昨年9月に行われた南北首脳会談では、金剛山観光事業の再開が合意されている。文在寅氏は南北融和の象徴として早期の事業再開の意思を度々示している。 ...

北朝鮮の金正恩党委員長の亡父・金正日氏は朝鮮労働党書紀だった1970年代前半、「3大革命赤旗獲得運動」なるものを提唱した。思想、技術、文化の「3大革命運動」を浸透させるために、大学卒業を控えた学生と金日成高級党学校の学生、大学を卒業したばかりの技術者や事務員などの若者が、「3大革命小組」として全土の機関、企業所、協同農場などに数人から数十人単位で送り込まれた。彼らは北朝鮮版の紅衛兵とも呼ばれた。 彼らは党の決めた政策に反する活動を摘発し、国のすべての組織を朝鮮労働党の指導の下 ...

北朝鮮当局が頻繁に行っている政治講演会。金正恩党委員長や朝鮮労働党が示した政策、それを達成するに当たってすべきこと、その他の様々な問題を庶民に伝える思想教育の場だ。 だが、居眠りしたり、ワイロを払って代返を頼んだりする人が人が続出する。代わり映えのない中身で、時間の無駄だと考えられているからだ。 (参考記事:北朝鮮の思想教育、出席率悪すぎで関係者やきもき) その場で配られるのは、講演内容をまとめたレジュメの講演提綱だ。今までは紙に印刷したものを配布していたが、最近では様子が変 ...