金正恩党委員長が進める、北朝鮮北部の三池淵(サムジヨン)の再開発。「革命の聖地」として知られるとともに、風光明媚な景勝地でもあるが、その中心地に高級リゾート都市を建設するというメガプロジェクトだ。 現場には多くの兵士や労働者が動員されているが、冬は氷点下20度以下まで下がる厳しい寒さに襲われ、労働環境が悪い、事故が多発しているなどと悪評が立っていて、動員を嫌がる人が多い。あまりに人が集まらないため、当局が美装工を騙して三池淵の現場に連れて行こうとしたが、それに気付いた人々はト ...

韓国政府は7日、北朝鮮の20代男性2人を、南北の軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に追放した。2人は韓国に亡命する意思を示していたにも関わらず、強制送還したのだ。韓国が脱北者を強制送還したのは、これが初めてのケースだ。 統一省はその理由について、2人は乗務していたイカ釣り漁船の船上で同僚16人を殺害したと見られており、「重大な犯罪であり、韓国の国民の生命や安全の脅威となる。凶悪犯罪者として、国際法上の難民としても認められないと判断した」と説明している。 し ...

この夏、韓国の大型書店で軒並みベストセラーを記録した書籍『反日種族主義』の邦訳本が、もうすぐ日本で発売される。 李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授ら6人の研究者が執筆した同書は植民地統治下の朝鮮半島で「日本による土地やコメの収奪はなかった」「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張し、韓国で大いに物議を醸した。 韓国の左派からは同書に対し、「日本の公式見解をそのまま引き写したものだ」などという批判が浴びせられたが、一読してみれば、それがまったく的外れであることがわかる。 ...

北朝鮮では徴兵制、すなわち「兵役義務」が課せられている。その期間は、世界的に長いと言われるイスラエルの3年を大幅に上回り世界最長の10年。それですら、一時期の13年よりは短くなったものだ。 兵役期間中に自宅に戻ることは難しく、連絡を取ることも容易ではない。長い兵役を終えて自宅に戻ったら、両親が亡くなっていたという悲劇的な出来事も起きる。 (参考記事:北朝鮮で注目「赤い自転車の女」殺人事件の顛末) そんな中で、北部両江道(リャンガンド)出身の20代の兵士は恵まれた環境にあったと ...

韓国政府は7日午後、北朝鮮の20代男性2人を、南北の軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に追放した。 追放後に韓国統一省が発表したところによれば、2人は今月2日に日本海上で拿捕(だほ)した北朝鮮のイカ釣り漁船の船員で、船内で16人の乗組員を殺害し、逃亡していたものとみられるという。韓国政府が5日、北朝鮮側に2人の追放の意思を伝えたところ、6日に北朝鮮側から引き取るとの返事があったという。 2人は韓国に亡命する意思を示していたとされ、追放は事実上の強制送還に当 ...

国際社会の制裁に加え、相次ぐ自然災害に苦しめられている北朝鮮。国連世界食糧計画(WFP)の報告書によると、今年の小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、コメなどの作物の収穫量は平均以下だった。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は、食糧を確保するために、各地の協同農場に部隊を展開している。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、「道内の肅川(スクチョン)郡の協同農場には農民より兵隊の数の方が多い」状況だと伝えた。兵士たちは、農場の脱穀場や倉庫で監視に当たっており、稲刈りの現場に出 ...

国際社会の制裁により、主力輸出品の石炭、海産物などが禁輸品目となり、外貨が国内に流入しないことから不況となっている北朝鮮。市場で商売して稼ぐなけなしのカネで生計を立てていた庶民は、生活苦にあえいでいる。 そんな中、売春をしていた容疑で18歳の女子学生が逮捕される事件が起きた。当局者は、犯罪抑止に利用しようと見せしめにしているが、庶民の間からは同情の声が上がっている。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、先月初旬に平城(ピョンソン)で公開裁判が行われた ...

昨今の国際社会の制裁による経済難で北朝鮮の治安が悪化し、犯罪が増加していると伝えられる中、北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)で、20代女性が殺害される事件が起きた。 現地の情報筋によると、事件が起きたのは9月下旬のこと。咸鏡北道の穏城(オンソン)の中心部から江岸里(カンアンリ)を結ぶ道路沿いの貯水池で、近隣住民が体が半分水に浸かった状態の女性の遺体を発見した。 女性は23歳で、穏城の中心地で教養員養成教育を終えて帰宅途中だった。保安署(警察署)は、現場で確保した証拠と、商店 ...

中朝国境に面した北朝鮮の両江道(リャンガンド)一帯では現在、国家保衛省(秘密警察)などが国内情報を外部に流出させる行為に対する大々的な摘発を行っているという。きっかけとなったのは先月中旬、金正恩党委員長が道内の三池淵(サムジヨン)郡を視察したことだ。 このとき、金正恩氏が直接参加する「1号行事」の情報が事前に外部に漏れたとして、現地で大騒ぎになっているのだ。 普通のトイレを使えない 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が先月末、両江道(リャンガンド)の幹部消息筋の話とし ...

大飢饉「苦難の行軍」により国中が大混乱に陥っていた1990年代後半、金正日総書記は犯罪者を法的手続き抜きでその場で射殺するチームを派遣するという荒っぽい治安対策を行っていた。 (参考記事:強盗を裁判抜きで銃殺する金正日流の治安対策) そんな時代を彷彿とさせる事件が、北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)で起きた。現地のデイリーNK内部情報筋によると、今年9月1月の深夜、道内の金亨稷(キムヒョンジク)郡を流れる鴨緑江から、激しい銃声が聞こえた。その詳細が最近になって明らかになった。 ...

1980年代以前の北朝鮮は、非常に犯罪の少ない国だったと言われている。勤め先でもらえる月給が少ない代わりに、衣食住すべてを国から配給してもらえ、現金がさほど必要なかったこともあり、犯罪を起こす要因が少なかったのだ。ところが、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」で一変した。 国の配給システムが崩壊したことで、今までもらえていた配給が途絶えたことで、生き抜くすべを持たない人々が次々に餓死していった。市場で商売ができる人はそれで生き延びることができたが、それすらできない人は犯罪に ...

北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は5日、韓国が日本との対立解消に向けて動き出したことを非難する論評を掲載した。これこそは、韓国の孤立を望む北朝鮮、そして金正恩党委員長のホンネと言える。論評はまず、次のように主張している。 安倍政権は高みの見物 「少し前、南朝鮮(韓国)当局は外交・安全保障関係者を日本に派遣し、『国務総理』を倭王(天皇)即位式に送り、『未来志向的な「韓」日関係構築』だの、『「韓」日関係の膠着を打開するための疎通と交流の推進』だ ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は昨年7月17日、金正恩党委員長が咸鏡北道(ハムギョンブクト)の温堡(オンポ)休養所を現地指導したと伝えた。休養所とは、北朝鮮全土に100ヶ所ほど存在する労働者が利用する総合レジャー施設だが、その状態を見た金正恩氏は次のように指摘した。 最高指導者は、休養所の風呂場を見て回りながら、管理をよくしていないので温泉治療の浴槽が汚く、薄暗くて非衛生的だ、このような環境で治療になるのか、本当に汚いと指摘した。 金日成主席と金正日総書記の指導の業績が宿っている事 ...

今後の対米・対日関係の成り行きに、韓国が緊張している。 保守系全国紙の東亜日報、朝鮮日報、中央日報は揃って、日本経済新聞(2日付)が掲載したマーク・ナッパー米国務省副次官補(韓国・日本担当)のインタビューと、読売新聞(同)のジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使のインタビューに言及した。 両氏のインタビューはともに、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了(破棄)を宣言したことについて、撤回を求める内容だ。GSOMIAは今月22日いっぱいで期限切れとなる。 ...

北朝鮮の金剛山(クムガンサン)観光地区。韓国現代グループの故鄭周永(チョン・ジュヨン)会長が、南北交流の一環として、故郷にほど近いこの地に莫大な資金を投資、建設した観光施設に、韓国内外の観光客を多数送り込むというもので、金大中政権下の1998年11月18日に始まった。 当時、大飢饉「苦難の行軍」で青息吐息だった北朝鮮はここから得られる莫大な外貨で延命に成功した。そのことは、北朝鮮人なら誰でも知っているという。 ところが、2008年7月11日に観光で訪れた韓国人女性が、警備にあ ...

韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)は10月28日付で、北朝鮮国内では今年9月までに、「反国家犯罪」の捜査が9千件も行われていると伝えた。反国家犯罪の容疑者はほぼ間違いなく、何らかの形で粛清される。1件につき、数人が粛清の対象になることもある。 LKPは8月の時点で、平壌では秘密警察である国家保衛省と軍の保衛司令部が1200人余りの幹部クラスを拘束し、反国家行為の容疑で調査を行っていると伝えていた。また、拘束された容疑者の急増に伴い、隔離監房が不足し、西平 ...