北朝鮮の国家非常防疫司令部は、先月14日から毎日、全国で報告された発熱患者の数を発表し、国営メディアがそれを報じている。 だが、その数字に疑問が呈されている。国家非常防疫司令部は、死者の数を正しく把握できていないというのだ。それは、北朝鮮の構造的な問題に起因する。詳細を平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。 情報筋によると、国家非常防疫司令部は各地方の非常防疫司令部に、毎日報告を挙げるように指示しているが、その内容は3回変更されている。 まず、先月12日に北朝鮮が国内での ...

北朝鮮の各主要都市にある「第1中学校」。故金正日総書記の肝いりで作られたエリート中学、高校だ。一方、「外国語学院」は、外国語の専門人材を養成する6年制の中学、高校に当たり、こちらもエリート校であることに変わりはない。 エリート校の生徒といえども、遊びたい盛りの若者だ。田植えに動員された農村でハメを外し、大目玉を食らったケースもある。詳細を咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 問題になったのは、咸興(ハムン)第1高級中学校と咸興外国語学院の生徒8名だ。 ...

北朝鮮が首都・平壌の超一等地、和盛(ファソン)地区で進めている住宅建設プロジェクト。 特権層の間では、この地区の住宅の入手を狙って、様々な動きが起きている。一方、現場で働かされている朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊の兵士や、突撃隊(半強制の建設ボランティア)の扱いは酷く、超格差社会と言える北朝鮮の断面が垣間見える。 (参考記事:北朝鮮「上級国民ニュータウン」に浮足立つニューリッチ) 事故死が多発する現場の状況を、デイリーNKの内部情報筋が伝えた。 今年4月、中央から現場に、作 ...

北朝鮮外務省は、米国政府が今月1日に発表したウクライナへの7億ドル規模の武器支援を巡り、「ロシアと米国の軍事衝突の危険性を増大させる」とする15日付の論評をウェブサイトに掲載した。 論評は「米国の今回の対ウクライナ武器支援決定が発表されるやいなや、大統領報道官をはじめとするロシアの要人は、米国の新たな対ウクライナ武器支援計画がキエフ政権の好戦的な勢いをさらに強め、意識的に火に油を注ぐ行為だと強く糾弾した」と指摘。 続けてロシアの高官が「ゼレンスキー当局が米国から提供された武器 ...

先月から始まった北朝鮮の「田植え戦闘」。都市部の住民を一斉に動員して、人海戦術で一気に田植えを終えてしまうというのがいつものやり方だが、コロナ対策で移動制限が強化されたこともあって、例年より進捗が遅れていると指摘されている。 だが、遅れの理由はそれだけではないようだ。 (参考記事:田植えの遅れに焦る北朝鮮、指示乱発に農民から反感) 平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、平安南道(ピョンアンナムド)泰川(テチョン)郡にある史跡単位農場(革命史跡地に属する ...

北朝鮮で今月8日から10日にかけて行われた朝鮮労働党中央委員会第8期第5回総会拡大会議では、いくつもの重要な人事があった。 注目されているのは、前第1外務次官の崔善姫(チェ・ソニ)氏が政治局委員候補に選ばれ、同国では女性として初めて外相に任命されたことだ。崔氏は米国通として知られていることから、北朝鮮が米国との対話に備えているとの見方も一部にある。しかし反対に、むしろいっそうの強硬路線を取るため、情勢分析に長けた彼女を要職に据えたとの見方もできる。 また、朝鮮人民軍(北朝鮮軍 ...

北朝鮮で最も冷遇されている地域の一つが、北部にある両江道(リャンガンド)だ。中朝国境に面した恵山(ヘサン)は密輸の一大拠点として知られるが、それ以外の農村部はインフラが未整備の「陸の孤島」状態で、住民らは不便な生活を強いられている。 そして先日来、この地域で餓死者が多発しているとの情報が相次いで入ってきているが、状況はかなり深刻なようだ。 現地のデイリーNK内部情報筋によると、三水(サムス)、甲山(カプサン)、豊西(プンソ)など農村地域で亡くなる人が相次ぎ、いずれも栄養状態の ...

北朝鮮は、先月12日に国内で新型コロナウイルスの感染者が発生したと公式に認めて以降、国営メディアを通じて、毎日「有熱者」つまり、発熱患者の新規発生数を発表している。 「感染者」ではなく「有熱者」であるのは、首都・平壌市内の一部地域を除いてPCR検査が行われていないため、検査によるコロナ感染を正確に診断できないためと思われるが、その中には別の感染症の患者も多く含まれていると見られていた。 コロナ対策との関連は不明だが、国営の朝鮮中央通信は16日、黄海南道(ファンヘナムド)海州( ...

厳しい食糧事情の続く北朝鮮。先月からの全国的なロックダウンにより、さらに拍車がかかり、一部ではロックダウンの緩和に踏み切らざるを得ない状況になっている。 そんな地域の一つが、中国との国境に接する両江道(リャンガンド)だ。 (参考記事:餓死者発生か…北朝鮮、コロナ対策の都市封鎖を解除) 現地のデイリーNK内部情報筋は、ロックダウンが緩和された直後の先月末、朝鮮労働党両江道委員会が緊急会議を開き、苦しい生活を強いられている世帯の食糧問題について討議が行われたと伝えた。 情報筋によ ...

著しく遅れていると伝えられている北朝鮮の「田植え戦闘」。今月に入ってからは、コロナ対策の移動統制を一部緩和して、都市部の住民を農村に動員している。 現場ではコロナ対策が行われているのだが、あまりにも厳しすぎて、不満の声が上がっている。 (参考記事:金正恩体制、水面下で進む危機…「田植え戦闘」コロナで打撃) 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、一般市民や生徒、学生は毎日のように近隣の農場に動員されているが、カンカン照りに加え、監視や統制が厳しく、息が詰まりそ ...

病床使用率が限界に達している。救急車がたらい回しにされている。入院を希望しても受け入れてくれるところがない… 新型コロナウイルスの感染者が急増していたころ、日本のメディアが毎日のようにこうした状況を報じていたことは記憶に新しい。それと同じことが、時間差で北朝鮮を襲った。 今月12日18時からの24時間で報告された北朝鮮の発熱患者は3万6710人で、最盛期に比べれば大幅に減ってはいる。ただこうした統計に対しては、中央からの批判を恐れた地方政府が過少報告しているのではないかとの見 ...

「内部の綱紀を整え、住民たちとの関係改善のために努力せよ」 これは、北朝鮮の社会安全省(警察庁)が今月初めに、全国の道・市・郡・区域の安全部(警察署)や分駐所(交番)に下した内部指示文だ。いったいなぜ、このような指示が下されたのか。その背景について、平安北道(ピョンアンブクト)の司法関係者が、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に答えた。 まず、理由として挙げられたのはコロナだ。北朝鮮は、先月12日に新型コロナウイルスの感染者の発生を公式に認めて以降、「非常防疫大戦 ...

2020年1月に始まった北朝鮮のコロナ鎖国。同時に行われている非社会主義、反社会主義現象(風紀の乱れ)に対する取り締まり。それまで合法、非合法の輸出入で儲けていた中国との国境地帯の住民は、主要産業が消滅してしまい、深刻な生活苦に追い込まれている。 そこに加えて先月12日のコロナ患者発生認定と、その後に始まったロックダウンで、食糧難も深刻化している。当然、世論は悪化しているが、国が取った対応は「追放」だ。その詳細を、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 ...

新型コロナウイルスの全世界的流行が始まってから2年以上経った今年5月12日、北朝鮮は国内での感染者の発生を公式に発表した。その後、ロックダウンをはじめとした強力な感染拡大抑制策が取られていたのだが、2週間あまりで若干緩和されたことが伝えられている。 人の移動をいかに抑え込むかは、世界共通の悩みのタネとなっていたが、北朝鮮も同じだ。そのやり方を巡り、地元の朝鮮労働党委員長と保衛部(秘密警察)のトップが対立する事態となった。詳しく経緯を、黄海北道(ファンヘブクト)のデイリーNK内 ...

前年に収穫した食糧が底をつく春窮期を迎え、深刻な食糧難に襲われている北朝鮮。 人々の期待が大きかった麦は、肥料不足と少雨のせいで期待ほどの収穫が望めなくなり、現在行われている「田植え戦闘」も、昨年と比べて大幅に遅れているとの分析が示されている。 (参考記事:米国の衛星が捉えた金正恩「危機的な状況」の証拠写真) そんな中で、人々が期待しているのは、まもなく収穫が始まるジャガイモだ。気候的に稲作ができない地域でも古くから栽培され、人々の主食となってきたジャガイモだが、最近になって ...

北朝鮮は5日午前9時8分ごろから9時43分ごろにかけて、平壌の順安(スナン)と平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)、平安北道(ピョンアンブクト)の東倉(トンチャン)、咸鏡南道(ハムギョンブクト)の咸興(ハムン)から短距離弾道ミサイル計8発を発射した。 しかし国営の朝鮮中央通信など北朝鮮メディアは7日になっても、前々日のミサイル発射を報じていない。同国は5月4日以降、5回続けて発射を公開しておらず、情報戦略に変化が生じた可能性がある。 北朝鮮は近年、基本的に、ミサイル ...