朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に関する人事で気になる動きがあった。9月7日、朝鮮労働党中央委員会政治局は、朴正天(パク・チョンチョン)前朝鮮人民軍総参謀長が、党中央委員会政治局の常務委員(党書記兼任)に任命されたとの公報を発表した。また、劉進(ユ・ジン)、リム・グァンイル、張正男(チャン・ジョンナム)の各氏が党中央委員会政治局委員候補に昇格した。リム氏は軍総参謀長、劉氏は党軍需工業部長に任命された。 常務委員は党の権力中枢を占める要職だ。今後、朴正天氏の主導で、北朝鮮が核・ミサイルな ...

最近、北朝鮮の住民の中での性感染症が蔓延しており、当局が対策に乗り出したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。コロナ渦のさなかで性感染症まで流行し、防疫当局の苦闘が続いているという。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の住民はRFAに対し、「最近、住民の中で、梅毒や淋病などの性感染症が急速に広がっていることと関連し、中央の緊急指令が5月29日に各地方防疫当局に通達された」としながら、「梅毒と淋病などの性感染症の感染実態を把握し、性感染症が広がらないように早急に ...

荷物を持って一斉に立ち上がり、不安げに何かを見守る女性たち。中には急いで逃げ出す人もいる。これは、中国国境に面した北朝鮮の両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)で撮られた動画だ。 撮影はおそらく、川向うの中国側から望遠レンズを使って行われたものと思われ、画質は良好ではないものの、人々の不安な表情はよく見て取れる。 女性たちは、公式に認められた市場の外の路上で露店を開き商売する「イナゴ商人」たちだ。 (参考記事:【最新 北朝鮮内部映像】取り締まりに逃げ出す「イナゴ商人」たち) ...

北朝鮮北部、中国との国境に接する咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)。郡の中学校の校庭にある主席壇(最高指導者が立つ舞台)に、椅子と机が並べられた。7人の裁判官が座ったところに、8人の若者が引き立てられてきた。 反動的思想・文化排撃法に続き、青年教育保障法まで制定して、若者と彼らが楽しむ文化、ライフスタイルの取り締まり、締め付けを図っている北朝鮮。その最もわかりやすいターゲットは、韓国発のエンタメ、いわゆる韓流だ。 (参考記事:北朝鮮、若者の思想を統制「青年教育保障法」 ...

北朝鮮国民は乳幼児を除けば、何らかの組織に属することになっている。エリートなら朝鮮労働党、若者なら青年同盟(社会主義愛国青年同盟)、街頭女性(専業主婦)なら女盟(朝鮮社会主義女性同盟)と言った具合だ。そのいずれの参加資格にも相当しない人でも、人民班(町内会)に所属することになっている。 所属先では思想教育、勤労動員、生活総和(総括)などの「組織生活」を行うことになっているが、かつてはその見返りに、食糧配給などの様々なメリットが得られることになっていた。しかし、そのメリットが失 ...

新型コロナウイルス対策として国境を封鎖した北朝鮮が、中国との国境地帯の警備を強化する中、増強兵力として女性兵士が投入されていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の軍関係の情報筋はRFAに対し、「最近、国境地域の警備強化のため兵力が継続的に増強されているが、警備隊に新たに編入されているのは主として女性兵士の部隊だ。中隊単位で各地域に配置されており、臨時に設営された兵舎で寝起きしながら、見張り所での任務についている」と話した ...

北朝鮮では7月、日本の国会にあたる最高人民会議第14期第15回全員会議で、新たに麻薬犯罪防止法が制定された。これを受け、全国の安全部(警察)が主管し、違法薬物の乱用に警告を与えるための住民講演会が開かれていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋がRFAに伝えたところでは、講演会を通じて当局は「薬物の乱用は国家・社会制度の安定と人民の生命と健康を害する危険な行為」であると強調。さらに、薬物の乱用に伴う処罰の強度を明ら ...

質よりもスピードを重要視する「速度戦」の弊害がまた現れた。 北朝鮮の首都・平壌では現在、金正恩総書記が打ち出したメガプロジェクト「平壌市1万世帯住宅」と「普通江川岸段々式住宅区」が進められている。安全装備もまともな食事も与えられず、長時間労働に追いやられた労働者が、事故で死亡する事例が相次いでいるが、問題はそれだけではない。 工事は今年3月に始まったばかりなのに、今年10月10日の朝鮮労働党創建日までに住民を入居させるという無茶苦茶な計画――いわゆる「速度戦」で工事が進められ ...

北朝鮮において、チャイナ・テレコムなど中国キャリアの携帯電話は、密輸、脱北、韓国と北朝鮮を結ぶ送金業など、国際電話ができない北朝鮮キャリアの携帯電話の代わりに、中国と国境を接する地域で広く使われてきた。 今も昔も違法であることには変わりないが、かつてはワイロで揉み消せた。しかし、それすら今では困難となっている。当局がこれら携帯電話を「国内情報の海外流出、海外情報の国内流入の元凶」と見て、厳しい取り締まりに乗り出しているからで、処刑される人すら出ている。 (参考記事:北朝鮮、中 ...

北朝鮮の朝鮮人民軍は、今年から兵役の期間を1〜2年短縮。繰り上げ除隊させた兵士たちを出身地に戻さず、「集団配置」と称して農村や炭鉱に送り込む計画を実行に移している。 金正恩総書記が打ち出した「国家経済発展5カ年計画」の達成には労働力が欠かせないが、それが大幅に不足しているのだ。具体的にどれほど不足しているのかは不明だが、農村、炭鉱地域の人口減少はかなり深刻なようだ。 (参考記事:金正恩の極秘情報をたまたま知った「平凡な主婦」の悲惨な運命) スキあらば配属先から逃げ出そうとする ...

深夜の鴨緑江に銃声が響き渡った。北朝鮮の社会安全省(警察庁)は昨年8月、中国との国境線や、その1〜2キロ以内の緩衝地帯に許可なく接近すれば、人であれ動物であれ無条件で銃撃するとの布告を出した。人と物の行き来を完全に遮断することで、新型コロナウイルスの国内侵入を完全に防ごうというものだが、布告のせいで銃弾に斃れる人が相次いでいる。 (参考記事:「餓死を免れるため」命がけで外出する北朝鮮の障害者たち) 今月11日にも、20代の若者が撃たれて死亡する事件が両江道(リャンガンド)の恵 ...

地元住民とのしがらみでまともな国境警備ができないとの理由からか、国境警備隊に成り代わって派遣された朝鮮人民軍の特殊戦部隊、通称「暴風軍団」。 粗暴な振る舞いや頻繁なトラブルで、地元住民からすっかり嫌われてしまったようだ。撤収命令が出されていたが、建設予定のコンクリート壁と高圧電流の流れる電線が未だに完成に至っていないため、現在も国境地域に留まっている。 (参考記事:金正恩の特殊部隊 「ポンコツ」過ぎて中朝国境から撤収) 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によ ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は21日、「全国の大家庭の慈悲深いオボイ(親)であらせられる敬愛する金正恩元帥様に謹んで申し上げます」というタイトルのつけられた長文の手紙を掲載した。 「8月1日と2日の間に降った大雨で家を失い行き場を失ったものの、母なる党の限りなき愛を胸熱く受け取ったわれわれは敬愛する元帥様に一気に走り寄り、感謝のご挨拶、クンジョル(ひざまずいてお辞儀)を捧げたい気持ちを押さえられず、謹んでこの手紙を送ります」の一文で始まるこの手紙、差出人名は、「水害被害 ...

北朝鮮の労働現場の映像を見ていると、ワゴン車に積まれたスピーカーから威勢のいい声で何かを叫びつつけている一団をよく見かける。現地で「扇動隊」と呼ばれているものだ。正式には「機動芸術宣伝隊」と呼ばれ、1961年に故金日成主席の指示に基づいて発足した。 工場、企業所、協同農場、建設現場を周り、朝鮮労働党の政策を宣伝し、歌って踊って労働意欲を高めるのが目的で、優秀な隊には賞が与えられる。 (参考記事:北朝鮮で18年ぶり宣伝活動家大会…金正恩氏が書簡) どんな効果があるのか甚だ疑問だ ...

北朝鮮の高位幹部たちの間で、金正恩総書記が新型コロナウイルスのワクチン接種を受け、強い副反応が出たとする噂がささやかれているという。 デイリーNKの内部情報筋が伝えたところによると、「(金正恩氏は)5月、地方の特閣(別荘)でワクチン接種を受け、高熱や嘔吐など強い副反応が出たため、しばらく静養を余儀なくされた」というのがその内容だ。また、金正恩氏と直接会う高位幹部100人余りもワクチンを接種したとされているという。 (参考記事:【動画】金正恩「死亡映像」が北朝鮮で拡散…当局厳戒 ...

昨年1月のコロナ鎖国以降、北朝鮮当局は国境警備を今までになく強化し、脱北と密輸を完全にブロックしようと躍起になっている。国境地帯の兵力まで増員したものの、うまくいかなかなかったため、1400キロに及ぶ中国との国境にコンクリート壁と高圧電流の流れる電線を設置するという、とてつもない計画をぶち上げた。 ところが、コロナ鎖国による物資不足で、予定した10月10日の朝鮮労働党創建日までの完成など夢のまた夢。空き缶と空き瓶を紐でぶら下げ、人が接近すると音がするという原始的な仕掛けを設置 ...