社会安全省(警察庁)は昨年8月、国境地帯の住民に対して、国境沿いに許可なく接近すれば、人であろうが動物であろうが無条件で銃撃するとの布告を出した。それ以降、人間、野生動物を問わず発見され次第撃ち殺される事態が続発している。 中でも、国境警備のために派遣された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の特殊部隊の暴風軍団は、素行が悪く、次から次へと人や動物を射殺しており、地元民に恐れられている。 そしてまた、食糧難の中、食べ物欲しさに国境を超えた人が命を落とした。 (参考記事:「気絶、失禁する人が ...

北朝鮮がミサイル実験、核実験、軍事パレードなど軍事力を見せつける行為を行い、人民が喜びの声を上げ大会を開き、国営メディアがそれを伝える。今まで何度も繰り返されてきた流れだ。 2016年2月の長距離弾道ミサイル「光明星4号」の発射実験の後、首都・平壌では数十万人の市民が動員され、関係者を歓迎するパレードが行われ、2017年9月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験では、全国各地で軍民慶祝大会が開かれた、と言った具合だ。 (参考記事:北朝鮮各地で「水爆実験成功」を祝う大 ...

中国国境に接する北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)の民家で今月24日、中年男性の遺体が見つかった。遺体は死後10日ほど経ち、左腕に刃物で刺した傷があることから、自ら命を絶ったものと結論付けられたようだ。 亡くなったのは、50代男性のキムさん。一体彼に何が起きたのか、現地のデイリーNK内部情報筋が詳細を語った。 彼は、北朝鮮で超のつくエリートである空軍パイロットだった。20年あまり勤め上げた後で、上佐(中佐と大佐の間)で除隊した。その後、故郷の会寧に戻って、 ...

秋の収穫が本格化した北朝鮮。国営メディアは、各地の収穫の状況を伝えると同時に、強風、大雨、雹による収穫物への被害が発生しているとして、収穫を急ぐよう呼びかけている。 自然災害同様に、収穫物に被害を与える物がある。窃盗や横流しだ。 デイリーNKは最近、朝鮮労働党両江道(リャンガンド)委員会が今年7月初め、下部機関に配布した政治事業資料「わが党の崇高な愛が宿る糧穀取り扱い事業をより責任を持って行おう」を入手した。その内容は、食糧の窃盗や横流しは戦時法で裁くと警告するもので、今後、 ...

コロナ以前には日本海の大和堆周辺で、大々的な操業を行っていた北朝鮮の漁船団。海上保安庁が2019年に警告を与えた北朝鮮漁船は1308隻にのぼった。ところが、昨年からその姿が忽然と消えた。 (参考記事:北朝鮮漁民「100年前の船」で無謀な出漁…日本の漁師から同情の声も) それもそのはず。北朝鮮当局が出漁を禁じたからだ。金正恩総書記が海水からの新型コロナウイルスの感染拡大を恐れてのことだと伝えられているが、海に頼って生きてきた多くの人々が生活苦にあえいでいる。そんな人々が遂に行動 ...

北朝鮮国内にいるデイリーNKの取材協力者によると、同国内で「新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した」との噂があるという。だが、仮に何らかの薬が開発されたのだとしても、同国がエビデンスが明確でない医薬品や健康食品を製造、輸出してきたことを考えると、今回の話も眉唾ものだろう。 結局、ワクチンは海外からの輸入に頼るしかないが、発展途上国へのワクチン普及を進める「COVAXファシリティ」を通じたワクチン供給を辞退している。 その理由は一体何なのだろうか。その一端を示す朝鮮人民軍( ...

北朝鮮の最高人民会議第14期第15回全員会議で、麻薬犯罪防止法が制定されたのは今年7月。以前から刑法に「不法アヘン栽培・麻薬製造罪」が存在したが、新たな法律を制定することで違法薬物、中でも覚せい剤に対する取り締まりを強化しようとする姿勢を改めて示した形だ。 実際に取り締まりは強化されており、平壌のデイリーNK内部情報筋は、反社会主義・非社会主義連合指揮部が違法薬物を取り締まりの対象とするや、社会安全省(警察庁)麻薬局が血眼になって次々に事件を摘発していると伝えた。その過程で「 ...

北朝鮮の金正恩総書記が、「平壌市1万世帯住宅」とともに提唱したメガプロジェクト、「普通江(ポトンガン)川岸段々式住宅区」。 経済制裁とコロナ禍、自然災害の三重苦で経済難が深刻化する中でも、金正恩氏がハコモノ建築にこだわるのは、手っ取り早く目に見える業績として示すことができるからだ。 そのしわ寄せは庶民のところに向かう。それは、金正恩氏自身が今年1月の朝鮮労働党第8回大会の結語で、犯罪行為だとした「税金外の負担」という形で現れる。自ら発した指示が、現場レベルで齟齬をきたしている ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は28日、「苦しく辛いときほど、思想教養事業を強化しなければならない」とのタイトルの記事を掲載した。「思想論の旗は革命闘争の全過程に常に掲げるべきだ」「特に今のような苦しく辛いときほど、さらに高く掲げるべきだ」などとしており、思想教育の重要性を強調し、それにより結束を図ろうという意図が読み取れる。 その一環だろうか、当局は各地で最高指導者の偶像化(神格化)のための施設のさらなる建設を指示したが、国民からは不満の声が上がっている。米政府系のラジ ...

徹底的な秘密主義を貫く北朝鮮では、他の国なら当たり前のように公開されている情報ですら秘密扱いとされ、下手に他人に漏らせば命取りになりかねない。 最近の例を挙げると、人民保安省内のすべての主要書類、機密文書、最高指導者に関する記録をアーカイブに保管している紀要連絡所の所長が、国勢調査の結果を妻に話したことで噂が広がり、公開処刑された件がある。 (参考記事:金正恩の極秘情報をたまたま知った「平凡な主婦」の悲惨な運命) そしてまた、「どうでもいい書類」のせいで、貴重な人命が奪われよ ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、国防科学院が前日午前、北部・慈江道(チャガンド)に位置する龍林(リョンリム)郡の都陽(トヤン)里で、新たに開発した極超音速ミサイル「火星8」型の試射を行ったと明らかにした。北朝鮮はこのところ、新型ミサイルや新たな発射方式による試射を繰り返している。 韓国軍合同参謀本部によれば、北朝鮮は28日午前6時40分ごろ朝鮮半島東の海上に向けて飛翔体を発射したと発表。飛翔体は発射直後に高度30キロまで上昇し、一定区間放物線を描いて下降した後、低高度の水平 ...

「髪の毛を売ってくれないか」 路上でいきなりそんなことを言われたら、多くの人はギョッとするだろう。しかし、北朝鮮では必ずしもそうではないようだ。人毛を使って製造するカツラは、つけまつげなどと並び、国際社会の経済制裁に抵触せずに堂々と輸出できる製品のひとつであり、海外にはかなりの需要があるようだ。 ところが、髪の毛を切って渡すだけのはずが、身ぐるみ剥がされる事件に発展してしまったと、デイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:北朝鮮の女囚を苦しめる「拷問人形」と性暴力) 事件 ...

9月24日は、北朝鮮の金正恩総書記を直接警護する護衛司令部の創立記念日だった。デイリーNKの内部情報筋によると、奇しくもその日、同司令部隷下にあった重要部門「55処」の指揮官が、金正恩総書記の指示により公開処刑されたという。 いったい何が起きたのか。 55処は、平壌・万寿台(マンスデ)にある金日成・金正日の巨大銅像の直下から、同市大城(テソン)区域の革命烈士陵まで伸びる地下トンネルを管理する部署だ。北朝鮮で「史蹟坑道」と呼ばれるこの地下トンネルには、戦争勃発などの非常事態とな ...

北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は24日と25日、韓国の文在寅大統領が国連総会での演説で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことを巡り、2日連続で談話を発表した。 北朝鮮の高官が、それも金氏一族のメンバーが2日続けて談話を出すのは極めて異例だ。 先に出た談話で金与正氏は、北朝鮮への「敵視政策」が先に撤回されるべきだと強調。韓国に対して厳しいトーンだった。しかし25日には、自身の(24日の)談話に対する韓国の反応を「注意深く見た」とし、「北南関係を一日も早く回復し、平和 ...

豆満江(トゥマンガン)を挟んで中国吉林省延辺の対岸に位置する北朝鮮の国境都市・会寧(フェリョン)にはかつて、「西太后」との異名を取った女帝が君臨していたという。中世ではなく、現代の北朝鮮での話だ。 本名をチョン・ピルスンというこの女性は、ある方法で地元の権力機関を掌握し、家族とともに贅沢三昧をしながら優雅に暮らしていた。しかしある時、当局の捜査によって不正が暴かれ、刑場の露と消えた。 その経緯を、韓国紙・東亜日報記者で、脱北者出身のチュ・ソンハ氏が自身のブログで伝えている。チ ...

6月末の朝鮮労働党政治局拡大会議で崔相建(チェ・サンゴン)党書記兼科学教育部長が失脚させられたことを巡り、北朝鮮の一部の幹部たちの間で、上層部に対する不満が渦巻いているという。 同会議の途中で退席させられた崔氏はその後、一度も公開の場で姿が確認されていない。 北朝鮮において、会議の途中での退席は多くの場合、逮捕・拘束を意味する。その後に待ち受けているのは残虐な公開処刑や、生きて出ることの難しい管理所(政治犯収容所)送りだ。 (参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の ...