朝鮮民主主義人民共和国が建国する前日の1948年9月8日に施行された初代憲法は、11条で次のように定めている。 朝鮮民主主義人民共和国の一切の公民は、性別、民族別、信仰、技術、財産、知識の程度の如何を問わず、国家、政治、経済、経済、社会、文化生活のあらゆる部分において同等の権利を持つ。 草案には「一切の公民は法の前に平等」というくだりがあったが削除された。その理由は定かではないが、この11条もその後の憲法からは姿を消した。現行憲法では65条で「公民は国家社会生活のすべての分野 ...

韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は20日、非公開で行われた国会情報委員会で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長ら側近に一部の権限を委任し、統治を行っているもようだと報告した。 会合に参加した野党・未来統合党の河泰慶(ハ・テギョン)議員によると、国情院は「金与正氏が国政全般において委任統治を行っており、対南(対韓国)や対米問題に関しても、まず与正氏が報告を受け、彼女が金正恩に報告している」と説明したという。 ただ、金与正氏は金正恩氏の後 ...

今年4月に開催された最高人民会議第14期第3回会議では、リサイクル法、遠隔教育法と並び、除隊軍官生活条件保障法という法律が採択された。軍に長年にわたり勤務した軍官(将校)の定年退職後の生活保障について定めた法律だ。従来、朝鮮労働党の行政措置によって行われていた除隊軍官の生活保障を体系化したもので、条文は公開されていないものの、軍を重視する姿勢の現れと分析されている。 この法律以前から、首都・平壌にある軍関係の施設で30年以上勤務した軍官とその家族は、平壌に住み続けられる「特典 ...

北朝鮮は、「動員」で国が成り立っている世界でも数少ない国だが、韓国・高麗大学韓国史学科のキム・ジェウン講師の論文「北朝鮮の民間資源動員政策と日常的動員体制の形成」によると、それは日本の植民地支配から解放された直後から始まった。 各地の里(村)の人民委員会(村役場)は、村民から税金として様々な金品の供出を強いたが、それによりトラブルが続発した。その解決策として提示されたのが労力動員だった。 それに法的根拠を与えたのが、1948年5月27日の北朝鮮人民委員会決定第144号「建国労 ...

13日に行われた北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第16回政治局会議では、党の最高指導部と言える党中央委員会政治局常務委員会の委員に金徳訓(キム・ドックン)、李炳哲(リ・ビョンチョル)の両氏を選出。内閣総理から金才龍(キム・ジェリョン)氏を解任し、金徳訓氏を新たに任命するなどの重要人事が行われた。 中でも、数百人の幹部が逮捕・処刑されたとされる不正摘発と絡み解任された幹部が復権を果たした点が注目される。 政治局常務委員会はこれまで、金正恩党委員長と崔龍海(チェ・リョンヘ)最高 ...

北朝鮮が、未曽有の豪雨により大ダメージを受けている。 13日に開かれた朝鮮労働党中央委員会第7期第16回政治局会議では、「全国的に農作物の被害面積は3万9296ヘクタールであり、家屋1万6680余世帯と公共施設630余棟が破壊されたり、浸水し、多くの道路と橋梁、鉄道が断ち切られ、発電所のダムが崩壊するなど、人民経済の複数の部門で深刻な被害を受けた」との報告が行われている。 だが、韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)が報じたところによると、より深刻な被害を受 ...

北朝鮮で初めて女性として超音速戦闘機のパイロットになったリム・ソルさん。同僚の2014年11月、同僚のチョ・グムヒャンさんとともに、金正恩氏の前で飛行訓練を行うなど、英雄として北朝鮮の国営メディアでも大きく取り上げられた。 しかし、昨年11月、戦闘飛行訓練中の墜落事故で亡くなったと伝えられている。 (参考記事:「最愛の女性パイロット」金正恩の眼前で墜落死) 北朝鮮の国営メディアはこのような事故について報道を行わないため、実際にどれくらい起きているのかは不明だが、かなりの頻度で ...

今月5日の夜、北朝鮮の首都平壌から、北部の恵山(ヘサン)に向かっていた列車が、咸鏡南道(ハムギョンナムド)にある平羅線の俗厚(ソック)駅で立ち往生した。急な停電によるものだ。暇を持て余した人々が娯楽会を開いたが、参加者から逮捕者が出る事態となった。一体どういうことなのだろうか。 デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の情報筋によると、列車に乗っていたのは空軍・反航空軍(防空軍)司令部直属の兵士たちだ。娯楽会で即興を披露し、兵士3人がダンスを始めたのだが、その様子を見ていた軍 ...

北朝鮮が、中国との国境地帯の一部に、「爆風軍団」として知られる軍の特殊部隊を投入したもようだ。爆風軍団は朝鮮人民軍第11軍団としても知られ、朝鮮半島での戦争勃発時には韓国の後方に侵入し、破壊・攪乱工作を行うとされる。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は13日、デイリーNKの電話取材に対し、 「最近、道内や隣の両江道(リャンガンド)の国境地帯に『暴風軍団』の兵員3000人余りが派遣された。茂山(ムサン)郡と普天(ポチョン)では兵士らの姿を直接確認した」と述べた。 爆風軍団の ...

北朝鮮の首都・平壌は18の区域(日本の区に相当)と2つの郡からなる。その中でも中区域は、金日成広場、朝鮮労働党庁舎、万寿台議事堂など重要施設が集中する北朝鮮の心臓部だ。 そのトップの人民委員長(区長)が、不正行為で逮捕されたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。平壌市の幹部が明かしたその容疑とは、不動産の違法貸し出しだ。 人民委員長は昨年2月、稼働していない区域内の工場、企業所の建物と敷地をトンジュ(金主、新興富裕層)に違法に貸し出し、賃料として毎月1500ド ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は9日、新型コロナウイルスが流入した疑いがあるとして封鎖された開城(ケソン)市に対して金正恩党委員長が「特別支援物資」を送り、白米などを積んだ列車が7日午後、開城駅に到着したと伝えた。 この際、現地では「最高指導者金正恩党委員長が開城市民に施した配慮を伝達する集い」が行われたのだが、ここで演説を行ったのは党中央委員会の李萬建(リ・マンゴン)第1副部長(党政治局委員)だった。 李萬建氏は今年2月29日の党政治局拡大会議で党副委員長のポストから解任されてい ...

北朝鮮が軍内での物資横流しを根絶するため監督部署の再編を行ったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の軍関連情報筋は5日、RFAに対し「最近、軍総政治局の指示に基づいて、兵士たちの補給物資供給の監督を専門とする『軍人生活検閲課』の名称が『党政策課』に変わり、人員も大幅に増えるなど、軍幹部による補給物資の横領行為に対する監視が強化された」と語ったという。 北朝鮮軍では、以前から食糧などの物資横流しが横行しており、栄養失調にかか ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は7日、金正恩党委員長が、水害に見舞われた黄海北道(ファンヘプクト)銀波(ウンパ)郡の大青(テチョン)里を視察したと伝えた。 同通信によると、現地は約730棟の家屋と約600ヘクタールの田が浸水し、179棟の家屋がつぶれるなど、多くの被害が発生したという。 金正恩氏は「被害を受けた住民に寝具類と生活用品、医薬品など必須物資を早急に供給して早く安着させるのが何よりも重要だ」などと述べ、さらに復旧作業に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)を動員するとし、「見積もった所要 ...

北朝鮮の両江道(リャンガンド)で、大量の金塊を国外に持ち出そうとした一味が摘発された件は、デイリーNKジャパンでも既報のとおりだ。 容疑者をめぐっては当初から重罰が下されることが予想されていたが、予想を超える厳しい処罰が行われた模様だ。現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:金正恩政権の高官関与か「金塊58キロ密輸で処刑確実」) この事件は、40代男性の密輸業者が先月2日、国境を流れる鴨緑江で中国側に金塊58キロを密輸しようとしたが、加担していた国境警備隊中隊の保 ...

日本の鉄道史における最悪の事故は、1944年12月に起きた沖縄県営鉄道輸送弾薬爆発事故だ。列車に積まれた武器、弾薬、ガソリンが蒸気機関車の火花に引火し、乗っていた兵士、学生など220人以上が死亡する大惨事となった。可燃性物質を無蓋貨車に載せてはならないという規則違反が招いた事故だった。 このような大事故は、戦時中から戦後の混乱期に集中して起きているが、北朝鮮では平時にも頻発している。例えば、1979年には咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)で貨物列車が爆発、通勤列車が ...

1980年代以前の北朝鮮は、非常に犯罪の少ない国だったと言われている。配給システムが機能し、住宅から食料品に至るまでほとんどのものを国が無料、または安価に配給し、「貧しくとも生きていける皆が平等」な国だったからだ。もちろん、特権層は存在したのだが。 ところが、1990年代後半の未曾有の食糧危機「苦難の行軍」を前後して配給システムが崩壊し、餓死者が続出した。生きるために市場で商売する者もいれば、犯罪に走る者もいた。極度に悪化した治安対策として金正日総書記は「犯罪者はその場で処刑 ...