北朝鮮の人権問題を担当する国連特別報告者が、金正恩第1書記に対して「人道に対する罪」を問う可能性を強調している。しかし金正日氏は、まだ30代の半ばでしかない。 実際のところ、その罪のほとんどは彼の祖父(金日成)と父親(金正日)によって重ねられたものだ。彼らは政敵や反対派を「血の粛清」でことごとく葬り去ってきた。 (参考記事:同窓会を襲った「血の粛清」…北朝鮮の「フルンゼ軍事大学留学組」事件) 犠牲者の中にはもちろん、一般の国民も含まれている。 拷問し公開銃殺 たとえば、黄海製 ...

北朝鮮は7日、事実上のミサイル「光明星4号」を発射した。光明星とは故金正日氏の呼称の一つであり、この時期に発射したのも16日の正日氏の誕生日(光明星節)を祝う祝砲の意味合いを持つ。ちなみに金日成氏は「太陽」にたとえられ、誕生日の4月15日は「太陽節」と言われる。 ミサイル発射が成功したことも相まって、北朝鮮当局は16日に向けて祝賀ムードを高め、「無敵必勝の金正日将軍」の偉大性を宣伝している。ただし、父・金日成氏と違い、正日氏が実際の戦争で「将軍」として陣頭指揮をしたわけではな ...

韓国政府は10日、北朝鮮南部・開城(ケソン)で展開してきた南北協力事業、開城工業団地の稼働を「全面中断する」と発表した。同政府は、北朝鮮による4回目の核実験と長距離弾道ミサイル発射への対抗措置であると説明しているが、本当の理由は別にあるとの情報がある。 韓国情報筋によれば、「核・ミサイルよりもむしろ、朝鮮人民軍・李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長の処刑情報が直接のきっかけ」であるというのだ。 同窓会を「血の粛清」 彼の説明によれば、「朝鮮人民軍の内部に、金正恩氏に対する不満が溜ま ...

北朝鮮は7日午前9時31分、「人工衛星打ち上げ」と称する事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。 これに先立ち、北朝鮮は国際機関に8日から25日の間に「人工衛星を打ち上げる計画がある」と通告していたが、6日に7日から14日に変更すると再通告。その翌日の発射であり、天候などの条件を考慮して前倒ししたとみられている。 先月の核実験と今回のミサイル発射によって、北朝鮮が国際社会にとって脅威であることを改めて知らしめたことは間違いない。 北朝鮮自身も「先軍政治」と称して、軍事最優先の政 ...

米軍は今月に入り、陸軍第75レンジャー連隊などの特殊部隊を韓国にローテーション配備したと発表した。同部隊は、イラク戦争やアフガニスタンでの戦闘に投入され、敵の要人を暗殺する「斬首作戦」などを担ってきた。 (参考記事:在韓米軍、「金正恩斬首」の特殊部隊を配備) 隠密行動が求められるこうした部隊の配備が発表されるのは異例であり、これが核・ミサイル問題を巡る対北圧力の一環であることは間違いない。 韓国では昨年から、金正恩氏らに対する「斬首作戦」の導入が議論されている。 【注目記事】 ...

警視庁公安部が昨年12月、朝鮮大学校(東京・小平市)の元男性教員を詐欺容疑で逮捕。「北朝鮮の工作員だった」と発表した。近年において同種のケースは、2003年にも警視庁が、2012年には大阪府警が摘発している。 これらのうち、2012年の事件では、ジャーナリストの李策氏が「北朝鮮の工作員」とされた男性を直接インタビューし、ルポにまとめている。「工作員」本人の肉声が込められた記事は、極めて珍しい。加えて、この「工作員」がコテコテの関西弁で語っているところが、実にシュールである。 ...

警視庁公安部が昨年12月、朝鮮大学校(東京・小平市)の元男性教員を詐欺容疑で逮捕。「北朝鮮の工作員だった」と発表した。近年において同種のケースは、2003年にも警視庁が、2012年には大阪府警が摘発している。これらのうち、2012年の事件では、ジャーナリストの李策氏が「北朝鮮の工作員」とされた男性を直接インタビューしている。以下は、「工作員」の肉声を込めたレポートである。 「久しぶりやな。いきなりでビックリしたで」 2013年2月のある日曜日の朝、突然の訪問だったにもかかわら ...

先月6日に北朝鮮が行った核実験に対して、韓国は拡声器による宣伝放送を行うなどの対応措置を取っている。それに対して北朝鮮は、韓国に向けて大量の宣伝用ビラを飛ばし始めたが、この「ビラ爆弾」がまたもや事故を引き起こした。 韓国の地方紙・京畿日報によると、2日の午前2時43分ごろ、ソウル郊外の水原(スウォン)市内の集合住宅の屋上に、北朝鮮の宣伝用ビラ3万枚が落下し、貯水タンクと窓ガラスが破壊された。この事故により正午現在、10部屋で断水となっている。 また、水原市内の別の空き地でも午 ...

北朝鮮で、「米国映画を見た」という罪状で、高校生の男女15人が公開裁判かけられたと、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。北朝鮮当局は、韓流映画・ドラマなど外国作品に対する規制を強めているが、効果上がっていないようだ。一方、高校生に対して公開裁判をすることから住民からも怒りの声が上がっている。 喜び組を描いた韓流ドラマ 詳細について、両江道(リャンガンド)の情報筋は次のように語った。 (参考記事:北朝鮮「秘密パーティーのコンパニオン」に動員される女学生たちの涙) 「今月16日 ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/自衛隊編(3) 2016年1月6日午後12時30分(平壌時間、正午)、北朝鮮は「初の水爆実験に成功」したと発表した。発表が事実であれば、北朝鮮は4度目の核実験を行い、米露中英仏の5カ国に続き6番目の水爆保有国になったことになる。 「北朝鮮が本当に水爆実験に成功したのか?」という疑問は、ここではいったん脇に置き、発表を受けて日本の情報機関が取った対応を追ってみよう。 当日の夕方、内閣情報官と内閣情報衛星センター所長が首相報告を行い、翌7日に ...

韓国のソウル首都圏一帯で、北朝鮮が飛ばしたものと思われるビラが大量に発見された。発見されたビラは、14日朝までに数万枚に達する。韓国軍が再開した対北朝鮮拡声器放送への対抗措置と見られる。 「朴槿恵は汚物大統領」 韓国軍の合同参謀本部は、12日午後と13日早朝に北朝鮮がビラを飛ばす様子を察知したと明らかにした。これらのビラは現在把握されているだけで13種類に及び、カラー印刷されており、ビニール袋に入っていた。 軍事境界線に面している坡州(パジュ)市やその南側の高陽(コヤン)市で ...

マスコミは連日、北朝鮮の核開発問題を大きく扱っているが、人権問題と関連付けた報道はほとんど見かけない。大手紙では日本経済新聞の山口真典氏が、「唐突にみえる強硬策に金正恩第1書記を駆り立てた背景」として、「米国が積極化した『人権問題の追及』という圧力が、真綿で首を絞めるように正恩氏を脅かしている」と指摘しているぐらいだ。 対北包囲網には抜け穴がある 北朝鮮が国連制裁をものともせずに核開発に突き進む背景には、明らかに人権問題がある。これは、筆者や山口氏が勝手に言っているのではない ...

北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」によると、朝鮮労働党の金養建(キム・ ヤンゴン)書記(享年73才)が12月29日未明、交通事故で死去した。金養建氏は、韓国との交渉経験も豊富で、北朝鮮外交のキーパーソンの一人だ。 一部では「交通事故死」の発表を、額面通りにとらえて良いものか、との指摘も出ている。かつて北朝鮮国内の権力闘争とのからみで、自動車事故を装った「謀殺説」が出回っていたためだ。 (参考記事:北朝鮮、9ヶ月間で労働党幹部3人死亡のミステリー) 悲しそうな正恩氏 しかし筆 ...

北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」によると、朝鮮労働党の金養建(キム・ ヤンゴン)書記(享年73才)が12月29日未明、交通事故で死去した。金養建氏は、韓国との交渉経験も豊富で、北朝鮮外交のキーパーソンのひとりだった。 一部では「交通事故死」の発表を、額面通りにとらえて良いものか、との指摘も出ている。かつて北朝鮮国内の権力闘争とのからみで、自動車事故を装った「謀殺説」が出回っていたためだ。(参考記事:北朝鮮、9ヶ月間で労働党幹部3人死亡のミステリー) 悲しそうな正恩氏 しか ...

北朝鮮の朝鮮中央通信は31日、金正恩第1書記が30日に金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記(統一戦線部長)の遺体と対面し、「深い哀悼の意を表した」と報じた。(参考記事:【写真】側近の死に「泣き顔」の金正恩氏) 同通信によれば、金正恩氏は「このような忠実な革命戦士を失ったのはわが党と革命において大きな損失だ、金養建同志は誰も代行できない自身の忠実な援助者、親しい戦友であった」「最後に手でも一度温かく取ってみて逝かせたならこんなに心が痛くないだろう」などと述べたという。 同通信 ...

金正恩第1書記は、脱北行為を幇助した住民に対して厳罰に処す方針を示している。 こうしたなか、9月中旬に両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市で、脱北者を幇助した住民5人が銃殺刑に処されたことが最近になって明らかになった。 国境警備隊川岸への出入りを制限したり、落とし穴を掘ったり、ありとあらゆる手段を講じて、脱北を防ごうとしている。 「ひとり当たり80人」 しかし、家族単位の脱北が相次いでいる上に、脱北した兵士による中国の村での強盗殺人事件が相次ぎ、当局のメンツは丸つぶれだ。業 ...