「約束も礼儀もなく無責任」北朝鮮が文在寅政権を猛批判する理由
北朝鮮メディアが、韓国の文在寅政権への圧迫を強めている。 対韓国宣伝サイトの「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は25日付の論評で、「南朝鮮の当局者たちが『制裁の枠組み』の中での協力交流うんぬんと言うのは北南宣言に合意した当事者として約束も、義務も、礼儀も捨てた態度」であると非難。さらに、「北南合意の精神にも反する無責任な行動」と切って捨てた。 北朝鮮は、これまでにも様々な表現で韓国を非難してきたが、この論評は特に強い調子と言える。また、27日付の論評では、次のように主張し ...
「やり手の女性社長」を裸同然で放り出した金正恩政権の謎の動き
北朝鮮を1990年代後半に見舞った大飢饉「苦難の行軍」では、十万人単位の餓死者が出たと言われる。その一方、少なくない人々が、当時は違法だった市場で商売を始めた。それしか餓死を免れる方法がなく、生存本能からとった行動だった。そんなささやかな商売が、いつしか大きくなっていた。 蓄積した富を金融業、輸送業などに投資し、豊かになっていった新興富裕層を、北朝鮮では「トンジュ(金主)」と呼ぶ。そんな彼らの間に衝撃が走った。ビールの卸売で財を成したトンジュ女性が逮捕され、平壌から追放された ...
金正恩「拷問部隊」幹部が秘密裏に処刑された、ある深刻な理由
今年1月末、北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)で非公開裁判が行われ、男性2人に死刑が言い渡された。 現地の内部情報筋によると、非公開裁判が行われたのは平安南道人民委員会(道庁)の会議室だ。一般には公開されず、参加したのは公務員だけだった。被告となったのは、平安南道保衛部(秘密警察)の指導員1人と国境警備司令部の軍官(将校)1人である。 保衛部と言えば、金正恩体制の恐怖政治を支える「拷問部隊」である。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道 ...
そのうち「豊臣秀吉」の被害補償も…歴史に逃げる文在寅政権に批判
韓国の仁川(インチョン)市議会は15日、朝鮮戦争当時の仁川上陸作戦で被害を受けた月尾島(ウォルミド)の元住民と遺族に生活安定支援金を支給する条例を通過させた。 米軍を主体とする国連軍は、1950年9月15日に実施した仁川上陸作戦で、優勢だった北朝鮮軍の補給路を断ってソウルを奪還、戦況を一変させた。韓国を北朝鮮から守った、劇的な出来事だった。 それだけに戦闘も激しく、最前線となった月尾島の住民らは甚大な被害を受けた。それに対して補償を行おうというのが冒頭で触れた条例の趣旨なのだ ...
北朝鮮の名門幼稚園「汚れたお受験」に見るあの国の本当の姿
北朝鮮では、毎年3月が新学期だ。幼稚園の入園時期も同じだが、ある幼稚園では熾烈な「お受験競争」が繰り広げられている。 その幼稚園とは、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の本部洞(ポンブドン)にある本部幼稚園。外国人観光客も見学に訪れる特別な幼稚園だ。北朝鮮版お受験の実態を、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 現地の情報筋によると、幼稚園には幹部や「トンジュ(金主)」と呼ばれる新興富裕層が自分の子どもを入学させようと殺到している。 (参考記事:北朝 ...
少女たちも被害に…北朝鮮女性「性売買強要」の悪辣な実態
英国団体が実態報告書(下) 中国で、脱北した北朝鮮の女性たちが望まないセックスワークを強要され苦しんでいる。英国の人権団体、コリア未来戦略が発表した報告書「性奴隷」によると、12歳の少女までがブローカーによって性風俗業者に売られていくというのだ。 中国国内で暗躍する人身売買ブローカーたちは、主に中国人であると考えられる。ただ、北朝鮮国内から拉致されて売買されるケースもあることから、北朝鮮の人物も関わっていることは明白だ。実際、中朝国境に面した北朝鮮の村に住んでいた少女がブロー ...
金正恩氏が自分の「ヘンな写真」をバンバン公開する理由が判明した
金正日総書記が2011年12月に死亡し、息子の金正恩氏が後継者となって以降、北朝鮮で最も大きな変化が起きたのは、おそらくはメディア戦略である。 たとえば2014年5月15日、北朝鮮の首都・平壌で、約500人が犠牲になったとされるマンション崩壊事故が起きた。北朝鮮では「速度戦」の名の下に、無理な工期のごり押しによる手抜き工事が横行。この手の事故が数多く起きている。 (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図) そういった事例の中においても、このマンシ ...
北朝鮮で「韓流」にまた死刑判決…14歳も「吊し上げ」
昨年12月、北朝鮮の首都・平壌市の郊外にある楽浪(ランラン)区域の学校の運動場で、公開裁判が行われた。デイリーNKの内部情報筋によれば、動員された地域住民が見守る中、被告に死刑判決が下された。容疑は「外部映像物販売」、つまり韓流ドラマ、映画の販売だ。 北朝鮮当局はこれまでにも、拷問や銃殺刑など極端な手段を動員し、韓流の国内拡散を取り締まってきた。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) しかし今、北朝鮮の人々の間では、文化開放への期待が高まりつつあると ...
北朝鮮制裁委員会の年次報告書に掲載された「違反ベンツ」の記念写真
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは12日、年次報告書を発表した。パネルは同報告書の中で「言外」の問題提起を行った。 韓国の文在寅大統領が昨年9月、平壌で金正恩氏と共に問題のベンツに乗った写真が掲載されたのだ。 (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路) 朝鮮日報(日本語版)の14日付の報道によれば、「韓国政府は今年1月にこの報告書の草案が作成された際、『報告書に文大統領の写真が掲載される』との情報を入手し、これを阻止するための外 ...
金正恩氏「違反ベンツ」での記念写真を公開された文在寅氏の泣き所
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは12日、年次報告書を発表した。報告書は、北朝鮮がサイバー攻撃で仮想通貨5億7100万ドル(約630億円)を盗み取ったと指摘。また、弾道ミサイルの開発・実験を民間の工場や空港などで続けている実態も明らかにしたほか、制裁逃れの実態を広範に明らかにした。 報告書が問題視しているものの中に、「ぜいたく品禁輸」に違反して北朝鮮に持ち込まれたと見られる、金正恩党委員長の専用ベンツがある。クルマ好きで「走り屋」との説もある金正恩氏が、あら ...
「北の人権問題」で文在寅政権が米国から批判されてしまう理由
米国務省は13日(現地時間)に公開した人権報告書で、北朝鮮における人権侵害について、政治的殺害や強制失踪、当局による拷問、任意拘束などが横行する実態を告発した。ただし、前年にあった「ひどい人権侵害」という表現が削除され、当面の対話相手に若干の「配慮」がなされたとの見方がある。 (参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」) その一方、韓国については、「政府が北朝鮮との対話に出たことで、脱北者団体は北朝鮮に対する非難を控えるよう直接的・間接的な圧 ...
「韓国は米朝の仲裁者ではない」北朝鮮にハシゴを外された文在寅の窮地
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官は15日、平壌で記者会見を開き、「われわれは米国の要求に対し、いかなる形であれ譲歩するつもりはない」とした上で、非核化交渉の中止を検討していると明かした。 これを受け、韓国大統領府の尹道漢(ユン・ドハン)国民疎通首席秘書官は「いかなる状況にあっても韓国政府は朝米交渉の再開に向け努力したい」とコメントした。韓国政府はこれまでにも、米朝間の「仲裁者」を自任していた。しかしもはや、韓国政府がどれだけの役割を果たせるかは怪しくなっている。 このとこ ...
「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声
米紙ニューヨークタイムズは10日(現地時間)、米情報当局の分析として、北朝鮮が昨年6月に初の米朝首脳会談が開かれてから先月の2回目の米朝首脳会談までの8カ月間、プルトニウムと濃縮ウランの生産を継続。その分量は核弾頭6発分に達すると伝えた。事実ならば、由々しき事態と言える。 これを受けて、韓国の保守系メディアが文在寅政権に噛みついている。朝鮮日報(日本語版)は11日付で「『北朝鮮の非核化の意志』を保証してきた韓国政府が難しい立場に追い込まれている。米国の一部では『韓国の責任論』 ...
「金正恩が手ぶらで帰って来た」…北朝鮮国民の毒舌に「うわさ話禁止令」
北朝鮮では今月10日、国会議員にあたる最高人民会議の代議員を選出する選挙が行われた。選挙とは言っても、国が決めた顔も名前も知らない候補者に賛成票を投じるだけの儀式のようなものだ。 北朝鮮には民主主義の仕組みに基づき、国民の意思を政治に反映する装置は存在しないが、だからといって同国に世論が存在しないということではない。その世論を誰よりも気にし、そして誰よりも恐れているのは、北朝鮮政府であり金正恩党委員長だろう。 先月末にベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談が物別れに終わったと ...
金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない「もうひとつ」の理由
先月末、ベトナムのハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談は物別れに終わった。しかし、北朝鮮の金正恩党委員長は首脳会談にある程度の自信をもって臨んでいたようだ。会談前日の26日午前に特別列車でベトナム入りした金正恩氏は、出迎えた儀仗兵や市民に笑顔で手を振るなど、余裕を見せていた。 その後、専用ベンツに乗ってハノイ市内を移動した金正恩氏はさぞかし悦に入っていただろう。注目されるなかでの移動もさることながら、金正恩氏が乗る専用ベンツは、多忙な彼が気分転換できる空間のひとつだからだ。 ...
「日本の反動にビンタをくらわせたい」北朝鮮、米国と決裂でヒステリー
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は8日、ハノイでの米朝首脳会談が合意なしで終わったことに言及した論評を掲載。論評は、会談が物別れとなった結果を受けて「唯一、日本の反動層だけはまるで待ち焦がれていた朗報に接したかのように拍手をしながら小憎らしく振る舞っている」と主張した。論評はさらに、日本について次のように表現している。 「実に憎たらしく、ビンタをくらわせたい輩だと言わざるを得ない」 北朝鮮メディアが日本に言いがかりを付けるのは今に始まったことではない。しかし最近は、どうもそ ...