金正恩氏が軍隊に「武力統一」を強調する、致命的な裏事情
北朝鮮の金正恩党委員長は16日、朝鮮人民軍航空・対空軍第1017軍部隊戦闘飛行士の飛行訓練を指導した。これに続き17日には、国防科学院が実施した新型戦術誘導兵器の試射を視察した。 金正恩氏が軍事活動の視察を行うのは、実に久しぶりのことだ。2017年には弾道ミサイルの発射実験をしょっちゅう視察していた。あの頃に比べれば、北朝鮮はずいぶん静かになったものである。 このように感じているのは、北朝鮮の兵士たちも同様だろう。米軍の軍事圧力下で弾道ミサイルの発射実験を強行する際には、相当 ...
杭に縛り付けた2人を火炎放射器で灰に…金正恩時代の処刑方法
恐怖政治、再び(4) 北朝鮮の歴史は粛清と処刑の歴史だ。それは金王朝の始祖・金日成主席の時代に始まり、金正日総書記の時代にも、金正恩党委員長の時代にも続いている。 ただ、それぞれの時代ごとに少しずつ違った特徴がある。金日成氏の時代、その主な目的はソ連や中国を後ろ盾とした政敵の除去だった。 しかし金正日氏の時代、彼の政敵となり得る存在はもはや根絶やしにされていた。それでも、金正日氏はもっぱら自らの失政から国民の目を背けるため、軍に命じて公開処刑に拍車をかけた。また時には、自らの ...
美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた
恐怖政治、再び(1) 北朝鮮当局は、国際社会からの人権侵害批判を意識してか、しばらくは公開処刑を控える傾向にあった。ところが、今年2月以降に複数回の公開銃殺が執行されたと、デイリーNKの内部情報筋と米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 北朝鮮は、どうしてここへ来て公開処刑を再開したのだろうか。気になるのは、経済制裁の影響である。 1990年代半ばからの大飢饉「苦難の行軍」の期間中に、公開処刑は激増したとの説もある。国民生活の困窮が秩序の乱れにつながり、それ ...
北朝鮮の「報道の自由度」驚きの1ランクアップ
北朝鮮がついに最下位を脱した。 国際NGO「国境なき記者団」(RSF)が2002年から発表している「報道の自由度ランキング」で、北朝鮮は2017年、2018年の2年連続で、調査対象の180カ国・地域中最下位の180位を記録していたが、18日に発表された2019年版のランキングで179位を記録、最下位脱出に成功した。 しかし、評価が上がったわけではない。RSFは、北朝鮮の全体主義体制は国民を無知、つまり「由らしむべし知らしむべからず」の状態に置いているとし、携帯電話が急速に普及 ...
「人間も犬のように死ぬんだな」北朝鮮で再開された公開処刑の目撃談
恐怖政治、再び(1) 国際的な人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、全世界で公開処刑が行われているのはイラン、サウジアラビア、ソマリア、そして北朝鮮の4カ国だ。 (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」) 北朝鮮では、大飢饉「苦難の行軍」で国全体が混乱に陥った1990年代に、各地で公開処刑が繰り返された。その理由は極めてシンプルだ。見せしめのためだ。衆人環視の中で犯罪者を残忍に殺害することで恐怖を与え、秩序の維 ...
北朝鮮国内で金正恩「健康不安説」がささやかれ始めた理由
北朝鮮の平壌市民の間で金正恩党委員長の「健康不安説」が流れていると、デイリーNKの内部情報筋が15日、伝えてきた。気の合う友達や親しい友人同士の会話の中で金正恩氏の話題が上ると、「元帥様(金正恩氏)の健康状態が異常である。顔色も暗く、表情も乏しくなったように見える」と口々に語っているという。 北朝鮮国内では、同国の人々が金正恩氏の健康状態の変化を大っぴらに話すことは許されない。それでも、気になるものは気になる。過去には金正恩氏の体形変化と同時に、公開処刑が増えた時期があるから ...
2019年4月に朝鮮中央通信が公開した金正恩氏の写真
今月、北朝鮮メディアが公開した写真を確認してみた。 金正恩氏(朝鮮中央通信) 金正恩氏は覇気ヘアといわれる独特のヘアスタイルにコダワリをもち、サイド部分にはほとんどそり跡を残さない。眉毛も剃って整え、肌も丁寧にスキンケアしているかのようにツヤツヤしている。しかし、この写真を見る限り、いつもより肌が荒れているのが気になる。それでも公開したのは金正恩氏の意思によるものだろう。
「死人を処刑」して生きている人を救う北朝鮮の独特な人命尊重
北朝鮮の軍需工場で大きな問題が発生した。製造している銃弾や砲弾から大量の不良品が出たのだ。調査と処罰が行われたが、その処理の仕方には生きている人のみならず、亡くなった人の尊厳すら保たれない北朝鮮の現状が現れている。 北朝鮮では極めて残酷な方法で処刑が行われているが、その銃口はときに、死者にさえ向けられるのだ。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態) 両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の軍需工場は、3年毎に製造品、つまり銃弾や砲弾の定期検査 ...
「金正恩は無意味なことを言っている」北朝鮮国民の不満、爆発寸前
北朝鮮の金正恩党委員長が最近、やたらと強調するワードがある。「自力更生」だ。 金正恩氏は9日の朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議に続き、10日の党中央委員会第7期第4回総会、最高人民会議第14期第1回会議でも「自力更生」を強調した。米朝関係が膠着状態に陥り、制裁は長期化する見込みだが、「なんとか自前で頑張り抜こう」という意味合いのものだ。 毛沢東が日中戦争が終わる直前の1945年8月13日に行った「抗日戦争勝利後の時局とわれわれの方針」という演説で登場したこの「自力更生」だが ...
北朝鮮の市場に異変「商人の数が激減している」
北朝鮮全土には450の公式の市場に加え、その10倍の非公式の市場が存在すると言われている。モノやヒトが集まる市場は、商品のみならず最新の文化、流行、情報に至るまでありとあらゆるものが行き交う、変化の途上にある北朝鮮の象徴だ。 ところが今、拡大一辺倒だった市場に異変が起きている。最近になって、商人の数が急激に減っているというのだ。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、現地の市場にはそれぞれ1000人から1500人の商人がいて、市場の周囲も多くの商人であ ...
北朝鮮のナンバー2になった「性犯罪レベル」極悪幹部
北朝鮮で11日から12日にかけて、日本の国会に当たる最高人民会議が開かれ、金正恩党委員長が国務委員長に再任された。会議では崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長が序列2位の国務委員会1副委員長、ならびに最高人民会議常任委員長に任命された。 前任者の金永南(キム・ヨンナム)氏は対外的な国家元首の役割をになってきたが、果たして崔龍海氏が後任として外遊したり、外国の要人と会談したりすることができるのだろうか。なぜなら同氏は、極めてたちの悪い女性スキャンダルにまみれているからだ。 ...
金正恩氏の「拷問要員」までが逃げ出し始めた
北朝鮮の秘密警察である国家保衛省は、拷問や公開処刑、政治犯収容所の運営を担当する、金正恩体制の恐怖政治の象徴である。 その要員は、隣国の中国にも少なからず派遣されている。彼らの活動は情報収集だけにとどまらず、資金稼ぎのためのビジネスや、脱北者の拉致など多岐にわたっている。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) そんな要員の中から最近、脱北者が相次いで出ている。 (参考記事:美人タレントを「全身ギプス」で固めて連れ去った金正恩氏の目的) 中国にいるデイ ...
「差し出がましく振る舞うな」金正恩氏が文在寅氏に上から目線
北朝鮮の金正恩党委員長は12日、国会に当たる最高人民会議第14期第1回会議で施政演説を行い、韓国の文在寅政権に対し、次のように厳しく注文を付けた。 「南朝鮮当局は、成り行きを見て左顧右眄(さこうべん)し、せわしく行脚して差し出がましく『仲裁者』、『促進者』のように振る舞うのではなく、民族の一員として自分の信念を持ち、堂々と自分の意見を述べて民族の利益を擁護する当事者にならなければなりません」 公開処刑を再開 金正恩氏が言わんとするのはつまり、「米国とはオレが直接話をつける。仲 ...
北朝鮮でまた公開処刑…女性2人を銃殺「占いしたから」
北朝鮮が、しばらく控えていた公開処刑を再開したもようであることは、12日の本欄でも伝えた。咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋が韓国デイリーNKに対し、「2月初め、咸興(ハムン)市の沙浦(サポ)区域にあるヨンデ橋の下の空き地で、薬物密売人の男が公開銃殺された」と知らせてきたのだ。 (参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…) これに続き、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も同様の報道を行っている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋がRF ...
制裁で苦境の北朝鮮を支える「美人ウェイトレス」バイト大作戦
ロシア国内にある北朝鮮レストランで、学生ビザで滞在しながら働く北朝鮮女性が増えていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 世界各国の北朝鮮レストランは、アイドル並みの美貌を供えたウェイトレスらを看板に、少なくない外貨を稼ぎだしてきた。しかし、核開発などに対する経済制裁で、国連加盟国は北朝鮮労働者に就労ビザを出すことを禁じられた。 (参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発) その規制をくぐり抜けるべく考え出されたのが、美人女子大生らによる「 ...
北朝鮮が公開処刑を再開…「無慈悲に掃討せよ」金正恩氏が命令
北朝鮮で、しばらく途絶えていた公開処刑が再開されたもようだ。 咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋は今月はじめ、韓国デイリーNKとの電話取材で、「2月初め、咸興(ハムン)市の沙浦(サポ)区域にあるヨンデ橋の下の空き地で、薬物密売人らの公開裁判があった。この裁判で、首謀者とされた41歳の男が死刑を宣告され、ただちに銃殺された。さらに2人には無期懲役、1人に20年の懲役判決が下った」と伝えた。 (参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…) 北朝鮮は国 ...