恐怖政治、再び(1) 国際的な人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、全世界で公開処刑が行われているのはイラン、サウジアラビア、ソマリア、そして北朝鮮の4カ国だ。 (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」) 北朝鮮では、大飢饉「苦難の行軍」で国全体が混乱に陥った1990年代に、各地で公開処刑が繰り返された。その理由は極めてシンプルだ。見せしめのためだ。衆人環視の中で犯罪者を残忍に殺害することで恐怖を与え、秩序の維 ...

北朝鮮の平壌市民の間で金正恩党委員長の「健康不安説」が流れていると、デイリーNKの内部情報筋が15日、伝えてきた。気の合う友達や親しい友人同士の会話の中で金正恩氏の話題が上ると、「元帥様(金正恩氏)の健康状態が異常である。顔色も暗く、表情も乏しくなったように見える」と口々に語っているという。 北朝鮮国内では、同国の人々が金正恩氏の健康状態の変化を大っぴらに話すことは許されない。それでも、気になるものは気になる。過去には金正恩氏の体形変化と同時に、公開処刑が増えた時期があるから ...

今月、北朝鮮メディアが公開した写真を確認してみた。 金正恩氏(朝鮮中央通信) 金正恩氏は覇気ヘアといわれる独特のヘアスタイルにコダワリをもち、サイド部分にはほとんどそり跡を残さない。眉毛も剃って整え、肌も丁寧にスキンケアしているかのようにツヤツヤしている。しかし、この写真を見る限り、いつもより肌が荒れているのが気になる。それでも公開したのは金正恩氏の意思によるものだろう。

北朝鮮の軍需工場で大きな問題が発生した。製造している銃弾や砲弾から大量の不良品が出たのだ。調査と処罰が行われたが、その処理の仕方には生きている人のみならず、亡くなった人の尊厳すら保たれない北朝鮮の現状が現れている。 北朝鮮では極めて残酷な方法で処刑が行われているが、その銃口はときに、死者にさえ向けられるのだ。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態) 両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の軍需工場は、3年毎に製造品、つまり銃弾や砲弾の定期検査 ...

北朝鮮の金正恩党委員長が最近、やたらと強調するワードがある。「自力更生」だ。 金正恩氏は9日の朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議に続き、10日の党中央委員会第7期第4回総会、最高人民会議第14期第1回会議でも「自力更生」を強調した。米朝関係が膠着状態に陥り、制裁は長期化する見込みだが、「なんとか自前で頑張り抜こう」という意味合いのものだ。 毛沢東が日中戦争が終わる直前の1945年8月13日に行った「抗日戦争勝利後の時局とわれわれの方針」という演説で登場したこの「自力更生」だが ...

北朝鮮全土には450の公式の市場に加え、その10倍の非公式の市場が存在すると言われている。モノやヒトが集まる市場は、商品のみならず最新の文化、流行、情報に至るまでありとあらゆるものが行き交う、変化の途上にある北朝鮮の象徴だ。 ところが今、拡大一辺倒だった市場に異変が起きている。最近になって、商人の数が急激に減っているというのだ。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、現地の市場にはそれぞれ1000人から1500人の商人がいて、市場の周囲も多くの商人であ ...

北朝鮮で11日から12日にかけて、日本の国会に当たる最高人民会議が開かれ、金正恩党委員長が国務委員長に再任された。会議では崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長が序列2位の国務委員会1副委員長、ならびに最高人民会議常任委員長に任命された。 前任者の金永南(キム・ヨンナム)氏は対外的な国家元首の役割をになってきたが、果たして崔龍海氏が後任として外遊したり、外国の要人と会談したりすることができるのだろうか。なぜなら同氏は、極めてたちの悪い女性スキャンダルにまみれているからだ。 ...

北朝鮮の秘密警察である国家保衛省は、拷問や公開処刑、政治犯収容所の運営を担当する、金正恩体制の恐怖政治の象徴である。 その要員は、隣国の中国にも少なからず派遣されている。彼らの活動は情報収集だけにとどまらず、資金稼ぎのためのビジネスや、脱北者の拉致など多岐にわたっている。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) そんな要員の中から最近、脱北者が相次いで出ている。 (参考記事:美人タレントを「全身ギプス」で固めて連れ去った金正恩氏の目的) 中国にいるデイ ...

北朝鮮の金正恩党委員長は12日、国会に当たる最高人民会議第14期第1回会議で施政演説を行い、韓国の文在寅政権に対し、次のように厳しく注文を付けた。 「南朝鮮当局は、成り行きを見て左顧右眄(さこうべん)し、せわしく行脚して差し出がましく『仲裁者』、『促進者』のように振る舞うのではなく、民族の一員として自分の信念を持ち、堂々と自分の意見を述べて民族の利益を擁護する当事者にならなければなりません」 公開処刑を再開 金正恩氏が言わんとするのはつまり、「米国とはオレが直接話をつける。仲 ...

北朝鮮が、しばらく控えていた公開処刑を再開したもようであることは、12日の本欄でも伝えた。咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋が韓国デイリーNKに対し、「2月初め、咸興(ハムン)市の沙浦(サポ)区域にあるヨンデ橋の下の空き地で、薬物密売人の男が公開銃殺された」と知らせてきたのだ。 (参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…) これに続き、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も同様の報道を行っている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋がRF ...

ロシア国内にある北朝鮮レストランで、学生ビザで滞在しながら働く北朝鮮女性が増えていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 世界各国の北朝鮮レストランは、アイドル並みの美貌を供えたウェイトレスらを看板に、少なくない外貨を稼ぎだしてきた。しかし、核開発などに対する経済制裁で、国連加盟国は北朝鮮労働者に就労ビザを出すことを禁じられた。 (参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発) その規制をくぐり抜けるべく考え出されたのが、美人女子大生らによる「 ...

北朝鮮で、しばらく途絶えていた公開処刑が再開されたもようだ。 咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋は今月はじめ、韓国デイリーNKとの電話取材で、「2月初め、咸興(ハムン)市の沙浦(サポ)区域にあるヨンデ橋の下の空き地で、薬物密売人らの公開裁判があった。この裁判で、首謀者とされた41歳の男が死刑を宣告され、ただちに銃殺された。さらに2人には無期懲役、1人に20年の懲役判決が下った」と伝えた。 (参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…) 北朝鮮は国 ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は7日、日本が侵略の過去清算を回避していると非難する論評を掲載した。 論評は「過去の犯罪に対して謝罪し、賠償するのは国際法上から見ても、道徳的見地から見ても回避できない日本の国家的責任である」と指摘。そして「わが人民は、日本から謝罪と賠償を取り付ける堂々たる権利を持っている。わが人民はこの権利を絶対に諦めないであろう」と強調した。 北朝鮮はこれまでにも、このような主張を繰り返してきた。 (参考記事:「日本軍が慰安婦を虐殺した映像ある」北朝鮮メ ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は6日、金正恩党委員長が東海岸で造成中のリゾート「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」の建設現場を視察したと伝えた。 金正恩氏は工事の進み具合に満足を表しながらも、次のように述べたという。 「今年の党創立記念日(10月10日)まで急いで何に追われているかのように速度戦で建設するのではなく、工事期間を6カ月間延長して来年の太陽節(4月15日の金日成主席の誕生日)まで完璧に完成しよう」 (参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真) ...

北朝鮮では先月10日、国会にあたる最高人民会議の代議員選挙が行われた。名前も聞いたことがなければ姿を見たことすらない候補者に賛成票を投じるもので、投票率は99.9%に達し、全員が当選する。 ヤクザ顔負けの大暴れ そもそも、選挙キャンペーンのポスターの決まり文句が「皆が賛成投票しよう!」というものだ。神聖な政治的儀式として扱われる選挙だけあって、選挙期間中には些細な犯罪やトラブルも許されない。 (参考記事:金正日が死んだ日なんか関係ねぇ…北朝鮮の若者たちが大暴れ) そんな選挙の ...

ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わったことを受けて、金正恩党委員長が3人の部下を問責したと、韓国紙・朝鮮日報が6日付で伝えた。 同紙によれば、問責の対象となったのは事前の実務交渉を担当した金赫哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表と金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線部統一策略室長、そして首脳会談で金正恩氏の通訳を務めたシン・ヘヨン通訳官だ。 金赫哲氏と金聖恵氏は、米国側の意向を正確に把握できなかったことを咎められ、シン・ヘヨン氏は通訳ミスがあった ...