朝鮮人民軍(北朝鮮軍)幹部らに対する金正恩政権の無慈悲な粛清を受けて、軍内に不満が鬱積しているもようだと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 北朝鮮軍関連の消息筋はRFAに対し、「昨年11月、平壌高射砲司令部のある政治委員が、朝鮮労働党に対する不服従に加え『私生活の乱れ』をとがめられ、美林(ミリム)飛行場で銃殺される出来事があった」と語っている。 凄惨な現場 消息筋によれば、当局は軍の将官たちを、新年度の戦闘政治訓練会議のためとして平壌の4.25文化会館 ...

韓国国防省が2年に一度刊行している「国防白書」の最新版(2018年)から、「北朝鮮政権と軍は敵」という表現が削除された。北朝鮮を「敵」とする表現は1995年版で初登場し、その後は出たり消えたりを繰り返してきた。現在、韓国と北朝鮮が対話を進めていることを踏まえれば、今回の国防白書から「北朝鮮は敵」との表現が消えたのも、さほど驚くことではないかもしれない。 とはいえやはり、朝鮮半島情勢の大きな流れを見るとき、こうした動きが北朝鮮の金正恩党委員長のリードの下に生まれているとの印象を ...

韓国最大野党・自由韓国党の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表が、文在寅大統領の「対日発言」を厳しく批判。そのことが日本でも報道されている。 羅氏は14日に開かれた党の非常対策委員会の会合で、「日本はもっと謙虚に」などと発言した文在寅氏の年頭会見について「日本を不必要に刺激したのではないかという話がある」と指摘。「文在寅政権が、反韓感情が極度に高まっている日本をどうにもならない状況まで追い込むならば、韓国への経済的な打撃はもちろん、韓米日同盟の弱体化に対する懸念が深まるだろ ...

韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)によれば、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)のある部隊で1月1日、末端の兵士たちが部隊指揮官の将校たちを襲撃し、メッタ打ちにする事件が発生したという。 北朝鮮軍ではかねてから、食糧の横流しや女性兵士に対する性上納の強要など、軍紀のびん乱が進行していた。しかしそれらでさえも、上意下達が徹底された組織内で、上官が部下に対して権威を振りかざすことで発生蔓延してきたものだ。 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為) ...

北朝鮮の首都・平壌の大城(テソン)区域に位置する「黎明(リョミョン)通り」のタワーマンション群は、同国最大のランドマークと言える。高さの面で言えば、日本のどのタワマンをもしのいでいるのだ。 その一方、建築の「質」については、様々な噂がある。ただでさえ経済制裁で苦しい中、2017年の完工まで、工事期間がわずか1年しかなかったのだから無理もない。 (参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出) そしてやはりと言うべきか、最近になって重大な欠陥が ...

日韓の「レーダー照射問題」が混迷の度を深めているが、こうした問題の理想的な解決策は、双方の実務者が「現場で何が起きたか」を互いに情報を出し合って事実を見極め、必要なら再発防止策を講じる――という形にあったはずだ。 しかし、今回の問題はすでに実務レベルを飛び越えて政治問題化し、さらには世論化してしまっている。 そうなってしまった理由を探ってみたところ、日韓の情報関係筋から次のような解説を聞いた。 「韓国は、国軍機務司令部が解体されてしまったのが痛かった。そのため現場で何が起きた ...

2015年に北朝鮮を訪問した日本人観光客は、北朝鮮のホテルでこのような光景を目撃した。 ホテルの女性従業員は仕事そっちのけで、工場の女性支配人と男性技術者の禁断の恋を描いたドラマを流すテレビにかじりついていた。どうやらホテル内の有線テレビでの放映だったようで、ドラマが終わるやチャンネルは朝鮮中央テレビに変えられた。「元帥様(金正恩党委員長)がどこそこに現地指導に行った」という番組が放送されていたが、チャンネルが変わった瞬間に従業員たちは蜘蛛の子を散らすように持ち場に戻っていっ ...

2015年に北朝鮮を訪問した日本人観光客は、北朝鮮のホテルでこのような光景を目撃した。 ホテルの女性従業員は仕事そっちのけで、工場の女性支配人と男性技術者の禁断の恋を描いたドラマを流すテレビにかじりついていた。どうやらホテル内の有線テレビでの放映だったようで、ドラマが終わるやチャンネルは朝鮮中央テレビに変えられた。「元帥様(金正恩党委員長)がどこそこに現地指導に行った」という番組が放送されていたが、チャンネルが変わった瞬間に従業員たちは蜘蛛の子を散らすように持ち場に戻っていっ ...

北朝鮮が国を挙げてのメガプロジェクトとして進めている両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)開発。氷点下20度を下回る極寒の中でも工事が強行されていたが、ついに一時中断が指示された。 質を無視して無理やり工期に合わせる「速度戦」は北朝鮮の悪弊の一つで、橋梁やマンションの崩壊事故が起きるなど、悲惨な大事故につながってきた。当局は最近になって「千年責任万年保証」などのスローガンを掲げ、建設の質の向上キャンペーンを始めた。 (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」 ...

中国との国境に面する、北朝鮮・両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)に建てられたマンションを巡り、手抜き工事だとの声が上がり、入居拒否が続出したことはデイリーNKジャパンでも既報の通りだ。北朝鮮では手抜き工事による大規模な死亡事故が続発してきただけに、住民らの懸念も深刻だ。 金正恩党委員長が旗振り役となり、三池淵(サムジヨン)開発と同時に進められている恵山の都市再開発。手抜き疑惑がそれに味噌をつけることになったが、市当局は事態の収拾に乗り出した。 その場所は、市内中心部から北東 ...

北朝鮮と国境を接する中国遼寧省の丹東に、衣料品の激安ショップがオープンした。北朝鮮からやって来た労働者が中国で生産した製品を売っており、店員も北朝鮮人という「ワケあり」づくめの店だ。中国で見かける北朝鮮系の店と言えば美貌のウェイトレスが売りの北朝鮮レストランが定番だったが、外貨稼ぎのための新たなビジネスが始まっているようだ。 中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、店がオープンしたのは昨年11月末のことだ。市内中心部の空き店舗と思われる物件を利用したこの店で売られているのは ...

人口約2500万人の北朝鮮で、現在使われている携帯電話の台数は、500万台(大韓貿易投資振興公社<KOTRA>の今年9月の資料)とも、600万台(IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン副所長)とも言われている。 スマートフォンの普及も進んでいると言われているが、デイリーNKは最近、北朝鮮製の最新型スマートフォンの入手に成功した。 この機種は、チェコム技術合営会社が製造した「平壌2423」だ。刻印された生産日は2018年10月となっており、北朝鮮の国営メディアでもほとんど紹介されて ...

北朝鮮の金正恩党委員長は昨年9月に行われた南北首脳会談で、訪韓の意思を表明した。金正恩氏の訪韓を最も望んでいるのは支持率低迷にあえぐ文在寅大統領だろう。金正恩氏は、12月30日に文在寅氏に当てて送った親書で、訪韓実行の意思を改めて示したが、実のところ、北朝鮮側は熱が冷めてきているようで、訪韓がいつごろになるかはなお不透明だ。 金正恩氏の訪韓を待ちわびるのは文在寅氏だけではない。韓国の一部の大学生が金正恩氏の訪韓を熱烈に歓迎する動きを見せており、これが波紋を呼んでいると韓国の大 ...

北朝鮮に長期拘束された後、昏睡状態で解放され、その直後に死亡した米バージニア大学生、オットー・ワームビアさん(当時22歳)の両親が北朝鮮に賠償を求めていた訴訟で、米ワシントンDCの連邦地方裁判所は24日、北朝鮮に対し5億0100万ドル(約552億円)の支払いを命じた。 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が27日付で伝えたところによると、同地裁のベリル・ハウェル首席判事は判決とともに公開した「意見書(memorandum opinion)」で、北朝鮮がワームビアさんに「 ...

韓国統一省の統計によると、今年11月末までに韓国に入国した脱北者の数は1042人で、昨年の1045人とほぼ同数だ。2009年には2914人に達したが、その後は減少に転じ、金正恩氏が北朝鮮の最高指導者に就任してからは、年間1000人から1500人の水準で推移している。国境統制の強化によるものと思われる。 その一環として北朝鮮当局が、「中朝国境の全域に監視カメラを設置せよ」との指示を下したと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が伝えた。 国境警備隊の2個大隊が担当している鴨 ...

韓国紙・中央日報は26日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の側近のひとり、朴光浩(パク・クァンホ)党副委員長(宣伝扇動部長兼任)が、「公開の場に姿を見せなくなって25日で77日が過ぎた」と伝えた。 朴光浩氏が兼務する党宣伝扇動部長は、北朝鮮の思想統制やメディア戦略を統括する責任者だ。また同氏は、金正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の直属の上官であり、 朴光浩氏の身の上に何かあったとすれば、注目すべき動向と言える。しかし、中央日報が伝えた「姿を見せなくなって77日」 ...