北朝鮮で行われている反人道的な犯罪について、金正恩党委員長ら国家の指導部にその責任を問うべきとの声が高まっている。韓国のソウルには国連の傘下機関として人権事務所が設置され、北朝鮮の人権状況を監視し、被害者の証言を記録している。 韓国政府も今年になって成立・施行された北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮人権記録センターを設立。北朝鮮の指導部に人権侵害の責任を問うための法的根拠を整理しようとしている。 こうした動きを受けて、韓国の民間団体が運営する対北短波ラジオ「国民統一放送」は、独自に ...

脱北女性のキム・チャンミさんは2007年、いったんは中国へ逃れたものの北朝鮮に強制送還され、拘留場、集結所、教化所に収監され、人権を侵害された経験を持つ。 人格を否定、性的な道具とみなす 問:出身はどこで、韓国に来たのはいつでしょうか? 答:咸鏡北道(ハムギョンブクト)の慶源(キョンウォン)郡出身で、韓国に来たのは2012年6月のことです。 問:家族と一緒に来たのですか? 答:私の家族は、両親の下に1男5女があり、私は四女なのですが、両親もきょうだいも多くが亡くなり、上に姉1 ...

ヨーロッパやアメリカ大陸では合法化、非犯罪化の流れが進んでいる大麻。一方、アジアのほとんどの国では、依然として厳しく罰せられる犯罪だ。 そんな中、世界的にも珍しい、大麻に関する法規定のない国がある。北朝鮮だ。 子どもたちに蔓延 大麻の使用は、朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった1935年に制定された「朝鮮麻薬取締令」で禁止された。しかし、1948年の北朝鮮建国後には、新たな法律が制定されなったようだ。北朝鮮は、2007年に麻薬単一条約など、関連する3つの国際条約を批准したが、 ...

2016年の北朝鮮を振り返る(5) 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は10月19日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長が毎週3、4回ずつ夜通しのパーティー(酒宴)を開き、不摂生な生活と食習慣のために健康不安を抱えているとの分析を報告した。 金正恩氏には以前から健康不安説があるが、ここまで酒を好むという話は出ていなかったと思われる。 もっとも、正恩氏がパーティーを開いていること自体は知られていた。元NBAのスター、デニス・ロッドマンが訪朝した際には、名門学院 ...

北朝鮮に冬がやって来た。まだ11月だが、比較的温かい平地でも朝の気温は0度前後、北部山間地域では氷点下はるかに下回る。人々は、寒さに加え、大増産運動「200日戦闘」の度重なる動員で、クタクタになった体を癒やすため、サウナを楽しむ。 国の機関が運営するサウナもあるが、人気があるのはトンジュ(金主、新興富裕層)が経営する民間のサウナだ。 「夫婦湯」の実態 両江道(リャンガンド)恵山(へサン)市では、恵江洞(ヘガンドン)、恵山洞(ヘサンドン)、城後洞(ソンフドン)などに民間のサウナ ...

北朝鮮の金正恩党委員長は、8月末から9月初めにかけて発生した北東部の大水害被災地を、いまだに訪れていない。 その理由について、北朝鮮国内の情報筋や韓国の北朝鮮ウォッチャーからいくつかの観測が出ていることについては、筆者も何度か言及してきた。中でも有力に思えるのは、洪水によって国境警備隊の武器庫が倒壊、銃器や弾薬類が流失し、いまだ回収が終わっていないから、との指摘である。 友人が謎の「大量失踪」 確かに、米韓で金正恩氏を狙う「斬首作戦」が半ば公然と議論されている状況下では、うな ...

北朝鮮が、恐怖政治の象徴である政治犯収容所の拡張を続けている。 かつて、政治犯収容所に警備隊員として勤務し、その恐怖の実態を告発し続けている脱北者・安明哲氏によれば、「そこでは人間が想像しうる、ありとあらゆる残酷なことが行われていた」という。まさに、実在する「地獄の一丁目」である。 (参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「政治犯収容所」の実態) 同窓会を血の粛清 政治犯収容所が拡張されているとの主張は以前からあるが、アムネスティ・インターナショナルはこのほど、今年 ...

北朝鮮権力層の不正と横暴に庶民からの怒りが高まっている。北朝鮮の正式名称は朝鮮民主主義人民共和国だ。国家の建前は格差は存在せず、皆が平等に暮らせるとしているが、実際は上から下まで徹底した階級社会だ。さらに一部の権力層はやりたい放題だ。 最も有名なところでは、金正恩党委員長の側近中の側近で、いわば「金正恩エリート」の代表格とも言える崔龍海(チェ・リョンヘ)氏。崔氏をよく知る人物によると、北朝鮮一のブランド好きで派手な生活を好むという。 過去には、度重なる不正のために1994年と ...

韓国の統一省は今月13日、韓国入りした脱北者の累計が3万人を超えたと発表した。2006年2月に1万人、2010年11月に2万人を超えたことから考えるとペースはやや落ちたが、今年の1~10月までの入国人数1155人は、昨年と比べ18%増となっている。 ひとくくりに「3万人」というが、その内訳は様々だ。1983年にミグ19戦闘機に乗ったまま韓国に来た李雄平(リ・ウンピョン)大尉のような人物もいれば、1994年に政治犯収容所の現役警備兵として、スパイ作戦さながらに韓国入りした安明哲 ...

韓国に入国した脱北者がついに3万人を突破した。 韓国の統一省の発表によると、今月11日に脱北者7人が第三国を経て韓国に入国したことで、脱北者の累計が3万5人となった。 脱北者が初めて韓国に入国したのは1962年のこと。その後は長きにわたり、年間に韓国入りする脱北者の数は多くとも2ケタに留まっていた。それが急増し始めたのは、1990年代末の大飢饉「苦難の行軍」のころからだ。 「中国生まれ」の子供たち 1999年に149人と3ケタに乗ると、早くも2001年には4ケタ(1114人) ...

北朝鮮国内外で、金正恩党委員長を最高指導者の座から引き摺り下ろし、後任に伯父の駐チェコ大使金平日(キム・ピョンイル)氏を推す声が高まっているという主張が提起された。 香港の時事週刊誌「亜洲週刊」は、金正恩氏を交代させよとの声が北朝鮮の国内外で高まっていると伝えた。 指導者の条件満たす その理由として、金正恩氏が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の総参謀長だった李英浩(リ・ヨンホ)氏を粛清し、人民武力相だった玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏を処刑したことに対して、軍指導層の中で「自分もやられ ...

韓国の朴槿恵大統領の友人・崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑を巡り、朴氏の退陣を求める大規模な集会とデモが12日、ソウル中心部で行われた。参加者数は、主催者発表で100万人、警察推計でも26万人に達し、韓国が1987年に民主化して以降では最大規模となった。 主催した労働組合や市民団体は当日、午後2時までに、ソウル中心部・光化門の周辺各所に集結。個人で参加した一般市民や高校生などを含む若者らを交え、朴氏に対する糾弾集会を開いた。 その後、それぞれが別ルートでデモ行進し ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/海上保安庁編(3) 時代がミレニアムまで残すところ10年となった頃、当時30代だった海上保安庁(海保)の若手幹部の両肩に、組織の野望とプライドがのしかかった。その幹部こそが、“海の公安”とも言える同庁警備情報課を作り上げた男、Nである。 彼に託されたのは、原発用のMOX燃料輸送船を警備する特殊部隊を創設するという、前代未聞のミッションだった。 「武装兵士の護衛を」 日本政府は1984年、プルサーマル発電に使用するMOX燃料をフランスから初 ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/海上保安庁編(2) 2012年6月13日付朝日新聞は、「中国、北朝鮮に軍用車両 昨年8月 安保理決議に違反」と題したスクープを掲載した。日本政府関係者の話として、中国がベトナム船舶を使い、北朝鮮の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」(当時は「新型ミサイル」と報道)を搭載する多装輪車両を輸出していたことがわかった、という内容だ。 このスクープは国際社会に大きな影響を与えた。中国外務省報道官は直ちにこれを否定したが、国連安全保障理事会の北朝鮮制 ...

アメリカ大統領選は、大方の予想を裏切って共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。一般的に対北朝鮮政策においては、民主党以上に強硬路線を貫いてきた共和党政権に移行することで北朝鮮にとって都合が悪いと思われがちだが、必ずしもそうではないことは既に本欄で述べた。 「トイレ」にストレス トランプ氏がどういった対北朝鮮政策を打ち出すかにもよるが、少なくとも金正恩氏は一息つくことができるだろう。なにしろこの1年間、正恩氏は米韓の軍事的圧力、心理的圧力に怯えまくっていたふしが見られるからだ ...

今年8月末の台風10号(ライオンロック)による水害で、甚大な被害が発生した北朝鮮北東部の衛星写真。水害から2週間後の9月14日に撮影されたもので、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)の被害の様子が生々しく記録されている。