北朝鮮では、出産をめぐる認識や社会情勢の変化、そして生活苦から中絶を望む女性が増加。しかし、人口を増やしたい当局は中絶を規制しようとする。こうしたなか、医大生がバイトで「違法な中絶手術」にいそしんでいるとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。 平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、90後半から続く慢性的な経済難を背景に、社会的に「出産は苦労の始まりだ」と言われ、結婚、妊娠、出産を避けようとする風潮が強まっている。 特に、商売をしている女性たちは、出産や育児に時間を ...

金正恩第一書記の実妹である与正(ヨジョン)氏は、正恩氏の公式活動に頻繁に同行するなど、日増しに存在感を高めている。ところが、彼女の学生時代の同級生十数人が謎の失踪を遂げたと咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋が伝えてきた。失踪の裏に一体なにがあったのか。 今年5月ごろ、金与正氏の金日成総合大学時代の同級生十数人が、勤務先の平壌の中央機関から一斉に姿を消した。その後、全員が地方に追放されたことが明らかになるが、追放の理由は、ほんの些細な言動だった。 (参考記事:【写真】金与 ...

旧ソ連では、体制に反抗する人々を「精神病患者」と決め付け、精神病院に強制入院させて薬物投与を行っていた。また、中国では同様の状況が未だに続いていると言われており、その実態を描いたドキュメンタリー映画「精神病棟」は世界に波紋を投げかけた。 一方で、北朝鮮の精神病院の実態についてはほとんど情報がないのが実情だ。 山の中の施設 そんな中で、米国の北朝鮮専門ニュースサイト「NKニュース」は、北朝鮮における精神医療について報道している。 NKニュースは、「北朝鮮の人々は精神疾患をどう治 ...

8月4日、韓国京畿道の非武装地帯(DMZ)で、北朝鮮が仕掛けた「木箱地雷」が爆発する決定的瞬間を韓国軍の監視カメラが捉えていた。爆発によって韓国軍兵士2人が足を切断するなど負傷している。 韓国軍の監視カメラの映像 北朝鮮の「木箱地雷」はPMD-57と呼ばれ、第2次世界大戦中に旧ソ連で開発された。 重量は420グラムで長さ22センチ、高さ4.5センチ、幅9センチの大きさ。TNT火薬220グラムが詰められており、殺傷範囲は最大で半径2メートルに及ぶ。3.5メートル以内でも鼓膜が破 ...

北朝鮮の20~30代の秀才たちが、ITエンジニアとして中国や東南アジアに派遣され、現地の民間企業から高額の報酬を得て働きながら、本国からの指令を受けるやハッカーに変身し、韓国など諸外国へのサイバー攻撃を遂行しているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が27日、複数の事情通の話として報じた。 RFAによれば、北朝鮮のエンジニアたちは主にゲームなどのコンテンツ制作会社に就職し、多くは5000ドル前後の月収を得ており、そのうち2000ドルほどを国に上納。彼らの人数はお ...

安保法制で高まる北朝鮮からの「核報復」リスク 安全保障関連法案が16日に衆院を通過し、参院での審議が始まる段になっても、核武装した北朝鮮と軍事的に対峙することにより生じるリスクについてはは、まったくと言っていいほど検討されていない。 日本は絶対に、北朝鮮の核問題を素通りしたまま安保法制を成立させるべきではない。その理由を以下に述べる。 日本海が「戦場」に 国会で安保法制関連法案の審議が進んでいることを受け、北朝鮮内閣などの機関紙「民主朝鮮」は6月2日付の論評で、次のように警告 ...

北朝鮮が、米国の専門家からの「生物兵器の開発疑惑」に対する指摘に、激しく反応している。 米ジョンズホプキンス大の北朝鮮分析サイト「38NORTH」は9日、北朝鮮が農薬の開発施設であると主張する平壌生物技術研究所について、「生物兵器の生産が可能」であるとと指摘するメリッサ・へナム不拡散センター研究員の論文を掲載した。 同研究所は、金正恩第1書記が最近、現地指導に訪れている。 北朝鮮の国防委員会政策局の代弁人は、こうした指摘について「言い掛かりである」「謀略とねつ造が彼らの体質に ...

北朝鮮の東海岸(日本海側)では、イカ漁が最盛期を迎え、北朝鮮全域からイカ漁に従事する人が押し寄せ、「ゴールドラッシュ」ならぬ「イカラッシュ」となっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。 紹介料「イカ50匹」 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、「咸鏡道の新浦(シンポ)、利原(リウォン)、端川(タンチョン)、金策(キムチェク)などの港町には、普段の人口の倍以上の人々が押し寄せて来ている」と語る。 港周辺の住民は、イカ漁にやって来た人々に自宅の屋根裏部屋を貸 ...

韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は9日、ソウル市内で開かれた討論会で、北朝鮮の金正恩政権が発足から3年半の間に約70人を処刑したと述べた。 父親である金正日総書記の執権時には、同期間における処刑は約10人で、現在はその7倍のペースで「殺戮」が行われていることになる。 崩壊の前兆か また、こうした恐怖政治が北朝鮮の海外駐在員や派遣労働者に相当な影響を与えているようだとし、そうした人の中には韓国に亡命する人も少なくないと説明。「次第に恐怖政治が強まって経済状況が悪化し、人権侵害 ...

北朝鮮が未曾有の食糧難「苦難の行軍」の真っ只中にあった1998年。平壌の南にある黄海北道(ファンヘブクト)の松林(ソンリム)市の黄海製鉄所で事件は起きた。 事の発端は数ヶ月前に遡る。製鉄所の支配人、責任秘書が集まって10万人近い従業員のための食料をいかにして調達するかを議論していた。 出された結論は、製鉄所で製造している圧延鉄板を中国に輸出してトウモロコシと交換するというもの。彼らは中央に報告せず事を進めることにした。報告したところで、圧延鉄板は軍需用という理由で輸出が許可さ ...

光州事件、5・18光州民主化運動と呼ばれる事件が起きたのは、35年前の1980年のことだ。 1979年12月12日のクーデターで政権を握った全斗煥氏が翌年5月17日に韓国全土に戒厳令を発令、それに反発した全羅南道光州市の市民の抗議活動を武力で鎮圧したものだ。 暴力的な鎮圧で、政府に公式認定されただけでも現場での死者165人、後遺症による死者が376人、行方不明者76人、負傷者3139人という膨大な犠牲が出た。実際の犠牲者数はこれをはるかに超えると言われている。 北朝鮮の労働新 ...

金正恩第一書記が、公式舞台に登場したのが2010年10月だ。その後、金正日氏の急逝によって北朝鮮の最高指導者となるが、日増しに体型は大きくなっている。 昨年には肥満が原因で足を痛め、一時期動静が途絶えた。核・ミサイル問題を抱えているだけに、金正恩氏の体調不良には、全世界から注目が集まっている。 祖父・金日成氏のモノマネ 今回、金正恩氏の最高指導者への歩みを写真を通じて振り返りながら体型の変遷について見てみたい。 (参考記事:【写真】金正恩氏の最高指導者への歩み) 2011年1 ...

北朝鮮の朝鮮中央テレビは5日、金正恩氏が様々な部署を現地指導す記録映画を放映。5月19日付労働新聞でも報じられた「大同江スッポン養殖工場」を訪れた時の「激怒の現地指導」も放映された。 記録映画のナレーションでは「激怒」という言葉は使われていない。この報道が出た直後、金正恩氏の激怒ぶりは海外でも大々的に広がったことから、イメージダウンを避けるため配慮したと見られる。 「何だとこの野郎」 脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏の報告によれば、同工場では電気が供給されず揚水ポンプが止 ...

金正恩氏が5月25日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の結成60周年に際し、「偉大な金正日同志の意を体して在日朝鮮人運動の新たな全盛期を開いていこう」と題した長文の書簡を送った。 こうした書簡は朝鮮総連内部で「労作」と呼ばれ、今後の運動の指針となる。 前回は1995年5月、朝鮮総連が結成40周年を迎えた際に、金正日氏から「在日朝鮮人運動を新たな高い段階へと発展させるために」と題した書簡が送られている。 もっとも、北朝鮮の最高指導者から朝鮮総連に下される指示は、このように公然と ...

北朝鮮の民兵部隊で、突然人員が総入れ替えになるという事態が起こった。背景には「女性問題」があったというが…。 北朝鮮の民兵組織「労農赤衛隊」には、常設民兵部隊として「人民保衛隊」がある。もともと人民保衛隊には若い女性が多かったが、ここにきて軍隊勤務経験のある47才以上の男性に総入れ替えされたと米政府系のラジオ・フリー・アジアが伝えた。 「人民保衛隊」のメンバーは、身長147センチ以上の20代女性から選ばれていた。職業軍人と同じ待遇を受けて、建設現場や農村支援などの様々な動員が ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/外事警察編(3) 2014年10月7日、朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長が約1ヶ月にも及んだ北朝鮮滞在を終え、羽田空港に到着した。北朝鮮が2006年に弾道ミサイルの発射と核実験を行って以降、日本政府は、許氏ら総連最高幹部の再入国を禁止してきた。それが昨年7月に解除されたことを受け、許氏は8年ぶりに祖国の地を踏んだのである。 それだけに、外事警察をはじめとする公安当局ばかりでなく、首相官邸も並々ならぬ関心を示していた。「許氏は金正恩第 ...