北朝鮮の朝鮮中央テレビは5日、金正恩氏が様々な部署を現地指導す記録映画を放映。5月19日付労働新聞でも報じられた「大同江スッポン養殖工場」を訪れた時の「激怒の現地指導」も放映された。 記録映画のナレーションでは「激怒」という言葉は使われていない。この報道が出た直後、金正恩氏の激怒ぶりは海外でも大々的に広がったことから、イメージダウンを避けるため配慮したと見られる。 「何だとこの野郎」 脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏の報告によれば、同工場では電気が供給されず揚水ポンプが止 ...

金正恩氏が5月25日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の結成60周年に際し、「偉大な金正日同志の意を体して在日朝鮮人運動の新たな全盛期を開いていこう」と題した長文の書簡を送った。 こうした書簡は朝鮮総連内部で「労作」と呼ばれ、今後の運動の指針となる。 前回は1995年5月、朝鮮総連が結成40周年を迎えた際に、金正日氏から「在日朝鮮人運動を新たな高い段階へと発展させるために」と題した書簡が送られている。 もっとも、北朝鮮の最高指導者から朝鮮総連に下される指示は、このように公然と ...

北朝鮮の民兵部隊で、突然人員が総入れ替えになるという事態が起こった。背景には「女性問題」があったというが…。 北朝鮮の民兵組織「労農赤衛隊」には、常設民兵部隊として「人民保衛隊」がある。もともと人民保衛隊には若い女性が多かったが、ここにきて軍隊勤務経験のある47才以上の男性に総入れ替えされたと米政府系のラジオ・フリー・アジアが伝えた。 「人民保衛隊」のメンバーは、身長147センチ以上の20代女性から選ばれていた。職業軍人と同じ待遇を受けて、建設現場や農村支援などの様々な動員が ...

連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/外事警察編(3) 2014年10月7日、朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長が約1ヶ月にも及んだ北朝鮮滞在を終え、羽田空港に到着した。北朝鮮が2006年に弾道ミサイルの発射と核実験を行って以降、日本政府は、許氏ら総連最高幹部の再入国を禁止してきた。それが昨年7月に解除されたことを受け、許氏は8年ぶりに祖国の地を踏んだのである。 それだけに、外事警察をはじめとする公安当局ばかりでなく、首相官邸も並々ならぬ関心を示していた。「許氏は金正恩第 ...

中国東北地方で脱北者救援活動を行っているNGOが4月29日、ソウルで記者会見を開き、脱北後に人身売買の被害にあった女性2人への支援を訴えた。 暴力を振るう夫、言葉も通じず この女性は19歳の李さんと姓名不詳の20代女性。それぞれ2年前と10年前に、ブローカーによって中国人男性に「嫁」として売られたが、自由のない生活から抜けだして韓国へ行きたいと望んでいた。 中国人の夫との間に8歳の子どもがいる20代女性は「嫁ぎ先」からは脱出したものの、追いかけてきた夫と姑に捕まりどこかへと連 ...

韓国の国家情報院は4月29日、国会情報委員会全体会議のなかで、北朝鮮で金正恩氏に異議を唱えたとして15人の当局者が処刑されたと報告した。【衛星画像】北朝鮮の粛清現場 裸で立たせて銃殺 処刑されたと見られているのは、北朝鮮で特権階級を占めるエリートたちだ。 最近の例では、北朝鮮の最高級幹部の一人で国防委員会設計局長だった馬園春(マ・ウォンチュン)氏がいる。 金正恩氏の現地指導には2013年に47回、2014年には39回随行し労働新聞の1面でも金正恩氏の側でメモを取る姿が頻繁に見 ...

北朝鮮の高麗航空が中国河南省の鄭州と平壌を結ぶチャーター路線を開設したと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が中国の人民日報の記事を引用して報道した。 報じられたチャーター便は、19日に鄭州空港を離陸し、2時間20分後に平壌空港に着陸した。平壌に到着した140人の中国人観光客は平壌市内、開城、金剛山、板門店などを巡る4泊5日のツアーに参加している。 高麗航空が直行便を開設した中国の都市はこれで6つ目。これまでにも上海、延吉、瀋陽、西安などに直行チャーター便を飛ばした実 ...

北朝鮮の軍隊内で、女性軍人に対する性的暴行が横行している実態を脱北女性が明らかにした。 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)韓国版によると、脱北女性団体の「ニューコリア女性連合」(本部=ソウル)が最近、北朝鮮で7年以上の軍歴のあった脱北女性らの記者会見を開き、こうした内情を明らかにした。 「労働党入党」をエサに誘い出し性的暴行 記者会見に臨んだキム・ジンミさんは、北朝鮮の人民保安省で7年間勤務した経歴のある元軍人だ。軍隊内の朝鮮労働党副書記から「労働党に入党させてやる」と言われ、 ...

1年前に発生したセウォル号の沈没事故をめぐり、朴槿恵政権と遺族らの対立が激化している。警察と遺族を支持するデモ隊との衝突も発生し、ソウル市中心部は一時、騒然とした空気に包まれた。こうした騒乱が必ずしも遺族らの意図するものでないとしても、彼らの怒りが、韓国社会に大きな問いを発しているのは事実だ。 沈没事故をきっかけに噴出した韓国社会の矛盾には、どれほどの根深さがあるのか。人々の怒りの所在について、ジャーナリストの李策氏がレポートする。 「陰謀論が出るのも当たり前」 「事故発生か ...

1993年12月に警察庁が作成した秘密文書「北朝鮮への不正送金対策推進計画」。その内容は、朝鮮総連に対する「捜査マニュアル」とも言うべきものだ。 そこに示されている手法は、捜査のターゲットにしたい対象者の選定からまず行い、各種法令に触れるような事実を見つけ出して意地でも「事件化」するというもので、対象者の人権侵害にもつながりかねない危険なものだ。 ただ、本稿の趣旨から外れるため、こうした手法の道義上の良し悪しについてはここでは敢えて踏み込まず、「捜査マニュアル」が作成された背 ...

4月15日の故金日成主席の誕生日「太陽節」に際して行われるマスゲームに、今回もまた各地の高校生が動員された。 北朝鮮の公式の説明によると、1961年9月19日に平壌のモランボン競技場で行われた「労働党時代」がマスゲームの元祖だとのこと。その規模は80年代からどんどん膨れ上がり、2002年の金日成氏生誕90周年の時には10万人規模の巨大マスゲーム「アリラン」が開かれるに至った。世界的に有名な北朝鮮の「お家芸」と言えよう。 各自の負担は重いが… 平安南道(ピョンアンナムド)の内部 ...

近年、北朝鮮のメディア情報戦略が巧妙さを増してきている。「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」など複数のウェブサイト上で記事、写真、動画などを駆使したり、国内の新聞で日本政府や韓国政府の秘密を暴露したりしながら、揺さぶりをかけてきているのだ。 そこにはおそらく、金正恩氏の強いリーダーシップが作用している。根拠は次のふたつだ。 ひとつは、軍事情報にかかわるものだ。 「あり得ない」写真も 朝鮮労働党機関紙・労働新聞は2月7日、金正恩第1書記が新型対艦ミサイルの試射を視察したことを ...

北朝鮮は26日、「韓国人スパイ」とされる男性2人の逮捕を発表した。彼らの記者会見の様子を報じた、朝鮮中央通信の記事全文は次の通り。(小見出しは編集部) (参考記事:金正恩「侮辱マンガ」とエロビデオを北朝鮮に投入…「韓国人スパイ」が告白) 南朝鮮のかいらい情報院のスパイが反共和国偵察・謀略行為の犯罪の真相を自白 【平壌3月26日発朝鮮中央通信】米国と南朝鮮のかいらい一味の操りの下で、反共和国偵察・謀略行為を強行して摘発、逮捕されたかいらい情報院のスパイとの国内外記者会見が26日 ...

朝鮮人民軍 海外戦記/中東編(6) (関連記事:米軍機26機を撃墜した「北の戦闘機乗りたち」) 北朝鮮は、1973年5月17日に世界保健機関(WTO)に加盟。ニューヨークの国連本部とジュネーブの国連事務局に常駐オブザーバー代表部を設置する資格を得て、国連総会に参加する第一歩を踏み出した。 同年9月5日、ニューヨークの国連本部に北朝鮮の常駐オブザーバー代表部が開設され、10月1日には国連総会に北朝鮮を招待することも決定された。北朝鮮は、やっと国連で韓国と渡り合える立場を構築した ...

朝鮮人民軍 海外戦記/中東編(5) エジプト軍参謀総長のシャーズィリーが北朝鮮からの帰国の途についたのは、1973年4月15日のことであった。 そして、彼が北朝鮮に要請した空軍パイロットと地下施設専門家のうち、地下施設専門家が先にエジプトに到着した。同年5月1日にエジプト入りした彼らは8日間にわたり、シャーズィリーが軍工兵部隊に新設した「地下施設部門」と共に実施研修を行う。 (関連記事:エジプト軍の英雄を驚嘆させた北朝鮮の「地下軍事要塞」) 彼らが帰国すると、シャーズィリーは ...

北朝鮮の人権侵害に対して、国際社会は長年にわたって厳しく批判しているが、新たな疑惑が出てきた。 北朝鮮当局が、「小人症患者」を社会的に好ましくない存在として山奥の村に移住させて結婚、出産の自由も奪っているとアメリカの保守系ニュースサイト「ワシントン・フリー・ビーコン」が伝えている。 小人症患者と健常者と結婚させるな 複数の脱北者の証言によると、この村は中朝国境に程近い両江道(リャンガンド)金亨稷(キムヒョンジク)郡蓮下里(リョナリ)にある。 小人症とは慢性疾患や胎内発育不全、 ...