米シンクタンクのC4ADSが16日に発表した、国連安全保障理事会の制裁決議で禁止されている北朝鮮によるぜいたく品調達についての報告書によれば、北朝鮮は2015年から2017年にかけて、日本車256台を含む外国製自動車803台を輸入していたという。 調達はロシアの会社を通じて行われたとされ、日本車の内訳は高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタ車が211台、日産が43台、三菱自動車が2台となっている。 北朝鮮が安保理の制裁決議をものともせず、ぜいたく品を大量に調達してきた事実は、 ...

近年、北朝鮮の首都・平壌はタワーマンション(タワマン)ブームに沸いてきた。 金正恩党委員長が旗振り役となって進められたメガプロジェクトの結果、倉田(チャンジョン)通り、未来科学者通り、黎明(リョミョン)通りといったタワーマンション団地が造成された。いずれも「金正恩時代」を象徴するランドマークとなっており、国営メディアも大きく取り上げられている。 (参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出) しかしこのタワマンブーム、決して景気が良いだけの ...

米司法省は5月9日、国連安保理制裁などに違反し北朝鮮産の石炭を輸送したとして、北朝鮮の貨物船「ワイズ・オネスト」を押収したが、2ヶ月遅れでこのニュースが北朝鮮国内で広がりつつあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋はRFAに対し、情報は貿易機関の幹部を通じて国内に広がったと説明している。 「1万7000トン級の大型貨物船は、北朝鮮では最大のものだ」と述べた情報筋は、「石炭を違法に運び国連の制裁を違反した容疑でインドネ ...

現在の北朝鮮政府の前身にあたる北朝鮮臨時人民委員会が1946年7月に発表した「朝鮮男女平等権法についての法令」は、当時としては非常に先進的な男女平等法と言われた。 それから73年。北朝鮮社会には依然として、様々な形での女性差別が存在する。しかしその一方、女性はそのような風潮に負けず、北朝鮮経済の柱となっている側面もある。 ろくに給料も配給も出ない国営工場や企業所に一日中縛り付けられ、経済活動ができない男性とは異なり、必ずしも職場に所属する義務のない女性たちは、市場で商売をして ...

北朝鮮には、人々が公開処刑や拷問など当局から厳罰を下されるのを恐れながらも、どうしても止められない社会的タブーが3つある。 まずひとつが、覚せい剤など違法薬物の乱用だ。北朝鮮がかつて、覚せい剤を国家ぐるみで日本などに密輸していたのは周知のとおりだが、周辺国の取り締まり強化などで販路が遮断されるや、行き場を失った薬物は国内で乱用されるようになってしまった。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち) そして次に、ドラマなど韓流コンテンツの視 ...

国際社会の制裁が、ただでさえ苦しかった北朝鮮国民の生活をさらなる苦境に追い込んでいることは本欄でも何度も伝えているが、その状況がさらに悪化しているようだ。 今や儲かる商売はほとんどなく、違法な裏家業に手を出す人も増えているという。 (参考記事:北朝鮮で「女子高生の人身売買」が横行…制裁影響「いちばん儲かる」) 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、中国からの輸入品の価格のみならず、国内産の製品価格も上昇傾向にあるため、消費心理が冷え込み、商売をしても全然儲か ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は10日、北朝鮮レストランが最も多く進出している中国・丹東の貿易業者の話として、「中国の北朝鮮レストランが夜の営業時間に行っていた歌と踊りの公演を、今月4日から急に行わなくなった。また丹東だけでなく、瀋陽の北朝鮮レストランも公演を中止している。レストランの従業員の話によると、中止は上層部の方針によるものだという」と伝えた。 北朝鮮レストランにとって、美人ウェイトレスたちによる歌と踊りの公演は最大の売り物だ。公演が今後も行われないならば ...

北朝鮮の外務省傘下にある米国研究所の政策研究室長は11日、韓国軍のF-35Aステルス戦闘機導入を非難し、「われわれも特別兵器の開発と試験を行わざるを得なくなった」とする談話を発表した。 談話は、韓国の文在寅政権をかなり辛らつな言葉で非難しているが、その裏には周辺国の軍備増強に取り残されていることへの危機感があると思われる。 (参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は) 北朝鮮の朝鮮人民軍は一部のエリート部隊を除き、軍紀びん乱のきわみにある。とうて ...

お上の指示一つで近所のドブさらいから高層マンションの建築に至るまで、ありとあらゆる仕事を押し付けられる北朝鮮国民。そんな理不尽なタダ働きにNOを突きつける人が増えている。 中でも、国家的なプロジェクトの両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)郡の開発工事は、労働環境が悪い、事故が多発しているなどと悪評が立っていて、動員を嫌がる人が多いようだ。タダ働き部隊である「突撃隊」に動員された人は、「代打労力」と呼ばれる人を雇って代わりに送り込む。これなら文句は言われない。強制ボランテ ...

現在の北朝鮮の若者たちは、「チャンマダン(市場)世代」と呼ばれている。配給制度が完全に崩壊した後の北朝鮮で生まれ育ち、国家や金正恩党委員長のことを「ありがたい」と思わず、社会のことより個人の生活を大切にするのが特徴だ。 表向きは国や金正恩氏に忠誠を誓っているように見えても、その実は面従腹背だ。裏では金正恩氏に無慈悲な批判を浴びせている。 (参考記事:金正恩センスの制服「ダサ過ぎ、人間の価値下げる」と北朝鮮の高校生) そんな若者たちの間の「マストアイテム」について、咸鏡北道(ハ ...

旧来の計画経済と配給システムが実質的に崩壊し、なし崩し的な市場経済化が進む北朝鮮。少しずつ私有財産を蓄え始めた人々は、レジャー(消費生活)を楽しむようになっている。 外食も、北朝鮮国民の好むレジャーのひとつだ。しかし、外食するには様々なハードルを超えなくてはならない。 昔から存在する国営食堂の場合、気が向いたからとふらっと立ち寄ったところで入れてもらえるわけではない。入口で、職場や人民班(町内会)を通じて1年に数回配布される予備票と呼ばれるクーポンの提出を求められる。食堂の前 ...

北朝鮮の「建国の父」である金日成主席が死去したのは1994年7月8日。北朝鮮では毎年6月末から7月初めにかけて「哀悼期間」が設定され、金日成氏を偲ぶ様々な政治イベントが行われる。2011年12月17日に死亡した金正日総書記に対しても同様だ。 毎年訪れる「服喪」の期間には、歌舞音曲など賑やかなことは徹底的に禁止され、事件、事故の類も一切許されない。些細な犯罪でも加重処罰される。追慕事業や銅像などの警戒勤務に参加するなどして静かに過ごすよう指示が下される。 (参考記事:金正恩命令 ...

「メッセージのやり取りはiPhone同士でやれば安全だ」 「敏感な話をするときはiPhoneを使おう」 最近、北朝鮮の人々の間でこんな認識が広まりつつあるという。アップル社のスマートフォン、iPhoneに搭載されているiMessageというメッセンジャーアプリを使ってやり取りすれば、当局に監視されないとの認識が広まりつつあると、デイリーNKの情報筋が伝えてきた。 北朝鮮当局は、国外への情報流出や国内での韓流コンテンツなどの拡散防止に躍起になっており、国民に対する取り締まりを強 ...

韓国の文在寅大統領は2日の閣議で、次のように述べたという。 「南北に続いて米朝も、文書上の署名ではないが、事実上の敵対関係の終息と新しい平和時代の本格的な始まりを宣言したと言える」 6月30日に板門店(パンムンジョム)で行われた事実上の米朝首脳会談を巡っての発言だ。トランプ米大統領が米国の首脳として、初めて北朝鮮の地を踏んだことなどを高く評価したわけだ。ところがこれに対し、またもや米国側から否定する声が出た。 (参考記事:「考え方が違う」米国から文在寅氏に不快感…北朝鮮もダメ ...

北朝鮮の首都・平壌駅から北に向かう列車に乗って3駅目。間里(カルリ)駅は、新義州(シニジュ)から来た平義(ピョンイ)線と羅先(ラソン)から来た平羅(ピョンラ)線が交わる平壌の北の郊外の交通の要衝で、北の玄関口だ。 この間里駅周辺が、平壌の風俗街に変貌を遂げたと噂されていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 その舞台となっているのは「待機宿泊」だ。これは、劣悪な電力事情により頻繁に立ち往生する列車の運行再開を待つ客に、宿と食事を提供する一種の民泊だ。 (参 ...

6月30日、トランプ米大統領の「ツイッター提案」から始まった板門店(パンムンジョム)でのサプライズ米朝首脳会談の推移を、韓国メディアは固唾を呑んで見守った。 韓国メディアが関心を寄せたのは、会談そのものの成否だけではない。それに劣らず、文在寅大統領の「立ち位置」が注目の的となったのだ。というのも、北朝鮮メディアはこの前日まで、「思考と精神がマヒしている」などと口を極めて文在寅大統領を罵倒していたからだ。 文在寅政権はこの間、北朝鮮に対してたいへんな気の使いようだった。特に、金 ...